「アボカド」は食べると太る?適度な量と頻度で食べるとうれしい効果が期待できる食材でした!
ギネスも認めたスーパーフード。人気のアボカド、その実力とは?
以前お話ししたことがあるきゅうりは、ギネスブックに「世界一栄養(カロリー)がない」と紹介された野菜ですが。
今回は、反対にギネスブックにて「最も栄養価の高い野菜」として登録された、アボカドについてお話ししたいと思います。
アボカドの栄養価、そのポテンシャルとは?
世界一といわれるアボカドの栄養価。
一体、どんな栄養素がどの程度含まれているのでしょうか?
アボカド1個(150g)に含まれる栄養素と、アボカド1個で摂取できる、1日に必要な栄養の充足率を見てみましょう。
※1日必要な栄養素に関しては、身体活動レベルⅡ(ふつう)である18~49歳女性の推奨量もしくは目安量の平均値とした
グラフにあるとおり、アボカド1個を食べると、1日に必要とされる栄養素のうち葉酸は60%以上、食物繊維とカリウムは40%以上、ビタミンKとナイアシンは20%以上、オメガ3系脂質は10%以上摂取することができます。
最も充足率が高いのがビタミンEで、こちらはなんと約103%も摂取できてしまいます。
今ご紹介した栄養素の主な働きとしては、
・葉酸:造血ビタミンとも呼ばれ、赤血球の生産を助ける
・食物繊維:お腹の調子を整える
・カリウム:体内の水分バランスを調整する
・ビタミンK:止血ビタミンとも呼ばれ、血液凝固に関する働きを有し、近年は骨の代謝への影響も報告される
・ナイアシン:ビタミンB群の一種で、補酵素としてエネルギー産生や糖・脂質・たんぱく質の代謝などに関わる
・オメガ3系脂質:アボカドにはαリノレン酸が含まれ、生活習慣病の予防に良いとされる
・ビタミンE:若返りビタミンとも呼ばれ、強い抗酸化作用を有する
きれいと健康にうれしい成分がたっぷり含まれる、アボカドの栄養価の高さが伺えますね。
しかし、脂質が豊富なアボカドはカロリーが高めで、1個で約267kcalと、ご飯1膳分ほどのカロリーがあります。
脂溶性ビタミンであるビタミンEの含有量も多いので、どんなに多くても1日1個以内に収めましょう。
通常の摂取量は1/2~1/4個/日程度がおすすめ。
アボカドはダイエットにいいの? それともよくないの??
栄養価も高いけど、カロリーも高いアボカド。
脂質も多く含まれ、ダイエット中に食べるのはちょっと心配になってしまいますよね。
ですが、アボカドに含まれる脂質の多くは一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸で、オリーブやオリーブオイルに含まれているのと同じ脂肪酸です。
オレイン酸は健康的な脂肪酸であると考えられ、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を下げる効果があるといわれています。
また、食物繊維と脂質が豊富なアボカドは、食後の満足感と満腹感を長く感じさせることが報告されています。
太り気味の成人(BMI28.1±2.4)を対象におこなわれた試験では、昼食時にアボカドの半分を追加すると、その後3~5時間の満腹感を向上させ、食べたいという欲求を減少させるとのこと(出典:Nutr J. volume 12 (2013) ,Article number: 155)。
さらに、アボカド30gを他の脂質と置き換えることで、体重が減少したとの報告もあります(出典:Nutrition 2005 Jan;21(1):67-75.)。
この結果は、アボカドに含まれる一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)による脂質代謝の向上効果や、アボカドの満腹感が高いことによるものと示唆されています。
アボカドはカロリーの高い果物ですが、食事の一部として取り入れることは、ダイエットや健康を維持するのに有益な多くの性質を持った食材であるといえます。
適度な量と頻度で食べる限り、あなたにとって、きっとうれしい効果が期待できます。
とろけるような食感で近年特に女性に大人気のアボカド。
女性にとってうれしい栄養素も豊富で、ダイエットの味方にもなるとなれば、その人気もうなずけます。
ぜひ、日々の食事にアボカド1/4~1/2程度を取り入れてみましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]