うれしい効果が盛りだくさんのブロッコリー!この機会に摂ってみませんか??

モコモコしたユニークな姿が特徴的な野菜、ブロッコリー。
アブラナ科の野菜で、ちょっと意外かもしれませんが、実はキャベツの仲間です。
キャベツは葉が巻くように、ブロッコリーはつぼみが増えるように品種改良されたものだそう。
実は最近、ケールや菜花など、アブラナ科の野菜の持つ栄養に注目が集まっています。
その中でもブロッコリーの栄養価はトップクラス!
今回は、ブロッコリーについてお話しします。

キレイになりたい人は食べるべき! ブロッコリーのポテンシャル

まずはキレイに欠かせないビタミンA・C・E(エース)。
ビタミンAは緑黄色野菜に含まれるブロッコリーなので、豊富に含まれています。
次に、美肌イメージの強いビタミンCですが、なんとレモンの1.2倍!
若返りビタミンとも呼ばれるビタミンEも、野菜類の中ではパセリなどと並びかなり豊富に含まれています。
さらに、女性にはうれしい葉酸ビタミンKカリウム鉄分などのミネラルもバランスよく含まれています。
ブロッコリーは私たちのキレイと健康をサポートしてくれる存在なのです。

ダイエットの強い味方? 大注目のスルフォラファン


なんだか舌を噛んでしまいそうな名称ですが、スルフォラファンはブロッコリーに微量に含まれるフィトケミカル。
ブロッコリーの中にはスルフォラファングルコシノレート(SGS)という状態で存在しているのですが、咀嚼や消化などを経ることでスルフォラファンに変換され、体内に吸収されます。
スルフォラファンは体内の抗酸化力や解毒力を高める成分として、その健康効果に注目が集まっています。
さらには、エネルギー消費量をアップさせ、肥満を抑制させる効果についても、金沢大学の医薬保健研究域附属脳・肝インターフェースメディシン研究センターなどの研究グループから報告されています。
私たちの体内にある脂肪は、
■白色脂肪細胞…皮下や内臓に存在し、体内の余分なエネルギー(中性脂肪)を蓄積する。
■白色脂肪細胞…一般的に「脂肪」と呼ばれているのはこちら。
■褐色脂肪細胞…鎖骨や肩甲骨周りなどに存在し、脂肪を燃焼し熱(エネルギー)を産生させる。
■褐色脂肪細胞…褐色脂肪細胞の量が少ないと脂肪が体内に蓄積しやすくなり、肥満などの原因となる。
上記2種類があるのですが、なんとスルフォラファンには白色細胞の褐色化(browning)を促進させる作用があるとのこと(出典:Diabetes 2017;66:1222–1236)。
褐色化とは、白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞のような特徴を持つように変化することで、褐色化した白色脂肪細胞はベージュ細胞などと呼ばれています。
体内の余分な脂肪が、脂肪を分解してエネルギーをつくり出すように変化するなんて、すごいと思いませんか?
ちなみに、スルフォラファンはブロッコリーにも含まれますが、ブロッコリーの芽(ブロッコリースプラウト)に特に多く含まれていることがわかっています(ブロッコリーの7~8倍といわれています)ので、興味がある方はぜひこちらも!(もやしは意外と栄養面も優秀!?アスパラギン酸豊富で疲労回復効果◎!)

話題の腸内フローラへの影響も! なんとデブ菌が減、ヤセ菌が増?!

私たちの腸内に棲む細菌は、大きく分けて4つの門があると考えられています。
その中のひとつであるフィルミクテス門の菌は、通常ヒトが分解して吸収しないような栄養成分まで分解・吸収して栄養源としてしまうため、最近では「デブ菌」「肥満菌」などと呼ばれています。
そして肥満な人の腸内に少ないといわれるバクテロイデス門の菌「ヤセ菌」と呼ばれています。(話題の育腸でダイエット?!「肥満菌と腸内フローラ」とは?)
デブ菌……その名前だけでもお近づきになりたくない菌ですが、なんとブロッコリーを摂取するだけでデブ菌を減少させるという試験結果が、米国国立がんセンター・米国農務省・イリノイ大の合同研究チームによって報告されました。
上記チームは、成人男女(21歳~70歳)の健常者18名を、①1日にブロッコリー200g(調理済み)+生の大根20gを食べる群、②アブラナ科の野菜を食べないコントロール群の2群に分け、18日間の試験をおこないました。
(※ブロッコリーとともに生の大根を食べるのは、ブロッコリーに含まれるSGSが大根に含まれるミロシナーゼという酵素によりスルフォラファンとグルコシノレートに分解されるので、体内のグルコシノレート濃度を一定にすることができるため。
その後グルコシノレートはイソチオシアネートに変換されますが、イソチオシアネートはブロッコリーなどアブラナ科の野菜に多く含まれる成分で、抗がん作用や、動脈硬化予防などの機能性によって注目を集めています。)
その結果、ブロッコリー摂取群はコントロール群に比較して、フィルミクテス門の菌を9%減少、バクテロイデス門の菌を10%増加していました(出典:J Nutr Biochem. 2018 Sep 21;63:27-34.)。
ブロッコリーに含まれるグルコシノレートなどのフィトケミカルや食物繊維が腸内フローラに影響を与えたと考えられています。
毎日ブロッコリーを食べるだけで、デブ菌とヤセ菌がそれぞれ10%ほど増減するなんて、ちょっと驚きですよね!
ブロッコリーは1株が約200gなので、毎日1株ほど食べる計算になります。
実際に食べるのは結構大変かもしれませんね。
またグルコシノレートは熱には強いですが水溶性なので、茹でるよりは炒めたり蒸したりしていただくのがおすすめです。

うれしい効果が盛りだくさんのブロッコリー。
キレイに健康にダイエット……欲張りな私たちの心強い味方となってくれそうですね!
でも、1株全部は使いきれず、野菜室にしまったまま忘れてしまい、取り出してみたらつぼみから黄色い花が咲いていた……なんてこと、ありませんか?
ブロッコリーの花はそのまま食べても問題ないので、花が咲いたからといって捨てる必要はありませんが、食感は変わってしまいますし、苦みが出てしまいます。
また、保存している間にビタミンなどはどんどん失活してしまうので、購入後はなるべく早めにいただきましょう。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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