寝不足だとチョコレートが食べたくなる!?ダイエットにも影響、睡眠が大切な3つの理由

しっかりとした食事を摂ることや体を動かすことと同じくらい重要な睡眠は、わたしたちのキレイと元気を支える、大切な柱のひとつ。
忙しいとおろそかにしてしまいがちな睡眠時間。
今回は、その時間の確保の重要性、きちんと睡眠をとるべき理由を、3つお話ししたいと思います。

きちんと睡眠をとるべき理由その1:ダイエットに役立つ!

夜更かししているとき、お腹がすいたり口さみしくなったりして、つい間食をしてしまうってことはありませんか?
実は、睡眠不足の人は食欲が増加し、より多くのカロリーを摂取する傾向があることが報告されています。
これは、睡眠が不足することは空腹を感じさせる働きを有するホルモンであるグレリンの分泌を増加させ、反対に満腹を感じさせる働きを有するホルモンであるレプチンの分泌を減少させてしまうため。
更に、睡眠によって回復するはずのエネルギーを補うため、睡眠不足になると糖分や脂肪分が多い食事への欲求が高まるようになるそう。
18~55歳の普通体型の女性24名の睡眠時間を33%短縮したところ、空腹感・倦怠感・食べ物への渇望などが確認され、実際にチョコレートの摂取量が増加したとのこと (出典Nutrients. 2019 Mar 19;11(3):663.)。
また2020年に睡眠時間と肥満度にする文献を解析したメタアナリシス(エビデンスレベルが高い)によると、睡眠時間が7時間未満の成人は、肥満を発症するリスクが41%も増加することが報告されました (出典:Obes Res Clin Pract. Jul-Aug 2020;14(4):301-309.)。
ダイエットと睡眠の深いかかわりがわかります。
減量したい方は、まずしっかりと睡眠をとることが重要なようです。

きちんと睡眠をとるべき理由その2:ココロも元気になって活力UP

睡眠時間と睡眠の質はメンタルヘルスにも影響があることが分かっています。
韓国で19~69歳の2,672名を対象におこなわれた調査では、不安や心の不調がある方は、そうでない人よりも睡眠時間が短く睡眠の質が良くないという結果に(出典:Front Neurol. 2019 Aug 13;10:849.)。
また、睡眠をきちんととることで、認知能力や集中力などが向上することも報告されています。
88人の大学生を対象におこなわれた調査によると、質の良い睡眠+しっかりとした睡眠時間+睡眠の一貫性、と良い成績には相関が確認されました。
しかし、テスト前夜の睡眠とテストの結果には関係がなく、テストの前月の睡眠とテスト結果には関係があったとのこと。
どうやら、自分の能力を最大限発揮するには、質も量も『良い睡眠』を規則正しく取ることを継続することが大切なようです。
また、この調査では睡眠と成績に性差があることも確認されました。
男性の方が睡眠不足や睡眠の乱れが成績に出やすいという結果が示唆されたのです(出典:NPJ Sci Learn. 2019; 4: 16.Published online 2019 Oct 1.)。
精神的な疲労感やストレスを感じたり、仕事や学業でのパフォーマンスを出したりしたいときは、『良い睡眠』にも気を配ってみましょう!
男性の方は、より睡眠に気を付けた方がいいかもしれません。

きちんと睡眠をとるべき理由その3:免疫力UP!

睡眠不足は、免疫力低下を招くことが懸念されます。
近頃風邪をひきやすい、お腹を壊しやすいというあなた。
もしかして、睡眠時間が不足していませんか?
睡眠時間が感染症への感受性に影響を与えることが報告されています。
164人の18~55歳の健康な成人で検証をおこなった結果、睡眠時間が7時間以上の人に比べると、
5~6時間の人で4.24倍、5時間未満の人で4.5倍も風邪をひくリスクが高くなったとのこと(出典:Sleep. 2015 Sep 1;38(9):1353-9)。
また、今の時季気になるインフルエンザや新型コロナのワクチン、さらにA・B型肝炎のワクチンの有効性にも影響を与えるとの報告もあります。
例えば、インフルエンザのワクチン接種後10日目のIgG抗体価(免疫力の評価系のひとつ)を比較すると、睡眠不足の人(4時間以下の睡眠が4日連続した人)の半分以下しかなかったとの結果が出ているのです(出典:Lancet Respir Med. 2021 May; 9(5): 447–448)。
免疫機能はサーカディアンリズム(概日リズム・・・体内時計のこと)との関係が深いため、睡眠の長さや規則性がワクチンの有効性に影響を与えることが考えられるそう。
さまざまな病気の予防に、ワクチンの接種はとても重要ですが、ワクチン接種後に規則正しい生活を送り、きちんと睡眠をとることも重要なようですね。

睡眠をとらない人はいませんが、きちんと睡眠をとれている人というのは、決して多くありません。
厚生労働省が令和2年におこなった、成人1,362名(男性:647名、女性:715名)による調査によると、約66%が7時間未満の睡眠時間とのこと。
そのうち、6時間未満の方も30%以上にのぼります(出典:厚生労働省 令和2年度 健康実態調査結果の報告)。
あなたの睡眠時間は足りていますか?
毎日規則正しく睡眠をとっていますか??
ダイエットにも、健康にも、そして免疫にも影響する睡眠。
自身のためにも、一度睡眠時間を見直してみましょう。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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