知ってた?ねばねばだけじゃない!オクラのポテンシャルに注目して元気をチャージしてみませんか

色が鮮やかで、カットすると星形になる、可愛いオクラ。
納豆に刻んで混ぜたり、そうめんやうどんを食べる際に添えたり、トッピングや添え物として、食卓にのぼる回数も増えているのではないでしょうか。
実は、オクラには、脇役には勿体ないぐらいの栄養素が含まれています。
特に、オクラの特徴でもあるあの「ねばねば」には、すごいパワーが!
今回は、オクラのポテンシャルについてお話ししたいと思います。

あの「ねばねば」はすごかった?? 脂っこい食べ物が好きなあなたにこそ食べてほしい!


オクラといって最初に思い浮かぶのは、あの独特の「ねばねば」ではないでしょうか。
植物に含まれるねばねば成分はムチレージ(mucilage)といい、動物性のねばねば成分であるムチン(mucin)とは現在は明確に分類されるようになっています(出典:日本食品化学工学会 食品工業辞典:用語解説の訂正について 日本食品工業学会編、昭和54年第1版発行)。
ムチレージには、アラビノースやグルコース、ガラクトースなどの糖が含まれています。
ムチレージを含む食品は、オクラ以外には里芋やメカブなどの海藻があります。
オクラのねばねば成分にはムチレージやペクチン・ガラクタンなどの水溶性食物繊維が多く含まれています。
水溶性食物繊維には、皆さんもご存じのとおり、整腸作用などが期待されることは有名ですが、
なんと、オクラのねばねば成分には、脂質やコレステロールを絡め取り、便と一緒に排出される作用のあることが報告されています。
マウスによる試験では、高脂肪食を与えた群と、高脂肪食にオクラの粉末を1〜2%加えたものを与えた群では、後者の方が便に含まれるコレステロールなどが多く、血中のコレステロール値や中性脂肪を下げる効果が確認されたそう(出典:Phytother Res. 2014 Feb;28(2):268-73.)。
オクラは、脂肪やコレステロールの多い食事が好きな方、ダイエットを意識している方には、ぜひ積極的に食べていただきたい食材ですね。

ビタミンや抗酸化物質も豊富で低カロリーなオクラ


オクラは、βカロテンを100g中670μg含む緑黄色野菜の仲間にあたります。
βカロテンは、体の中でビタミンAに変換されるプロビタミンA(ビタミンAの前駆体)です。
ビタミンAは肌や粘膜の健康を保ったり、免疫機能などに関わる重要なビタミンですが、ほぼすべての年代で不足の傾向が見られます(出典:令和元年 国民健康・栄養調査、日本人の食事摂取基準(2020年版))。
オクラには、他にもビタミンCやK、葉酸といったビタミン類、マグネシウムなどが豊富に含まれています。
また、野菜には珍しくたんぱく質が100g中2.1g含まれていることもポイント。
たんぱく質不足が懸念される現在、植物性のたんぱく質が摂取できるというのは嬉しいポイントですね。
さらに、イソケルセチンというポリフェノールの一種やフラボノイドなどの抗酸化物質も含まれています。
夏の強い紫外線は、体に活性酸素をつくり出す原因となります。
暑さによってバテやすい季節は、しっかり栄養もとっておきたいですよね。
オクラは、栄養価が高いのに、カロリーは100g中26kcalと、とてもローカロリー。
ヘルシー食材の鉄板、きのこ類の平均的なカロリーと同程度です。
オクラは夏の美肌やダイエット・アンチエイジングの心強い味方になってくれそうですね!

西洋では『lady’s fingers:女性の指』とも呼ばれるオクラ(実は、「オクラ」自体がもともと英語のokraからきている外来語です)。
水溶性食物繊維の豊富なオクラは、米国でも近年着目されているそうですが、あのねばねば感や風味を苦手とする人も多いそう。
そんな方たちの間では、オクラを縦半分にスライスして水に一晩浸してつくる『okra water』が人気になっているとか。

ただし、『okra water』でレシピを検索してみると、
「飲みにくいと感じる方はオレンジのスライスを追加したり、塩コショウで味付けしたりして飲む」
と書いてあることもあるので、味の方はちょっと疑問符がついてしまうかも・・・?
オクラのおいしさを楽しめる人は、お浸しやサラダなどで楽しむことをおすすめします。
夏に旬を迎えるオクラ。
是非、今日の食卓に並べてみませんか?

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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