カラダを守る強い味方!ラクトフェリン
最近話題の“ラクトフェリン”。
赤ちゃん用の粉ミルクの成分で見かけたことがあったり、ヨーグルトに入っていたり、サプリメントに使用されていたり…。
いろいろな場面で使われているラクトフェリンですが、一体どのようなもので、わたしたちにどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?
今日は、わたしたちにとってとても重要な成分である“ラクトフェリン”についてお話しします。
全身に分布!ラクトフェリンとは?
ラクトフェリンは、約600のアミノ酸がつながってできたたんぱく質で、牛乳の中から「赤色たんぱく質(レッドプロテイン)」として発見され、鉄と結合する性質をもっていたことから、ラクト=ミルク、フェリン=鉄に由来して名付けられました。
ほとんどの哺乳類の乳中に含まれていますが、最も進化したヒトの乳にいちばん多く含まれ、その量はおよそ牛乳の10倍ほどになります。
特に初乳(分娩後5日以内の母乳)に多く含まれ、生まれたばかりの赤ちゃんの発育のための栄養素という役割に加えて、細菌やウイルスから体を守るための生体防御反応として、重要な役割を担っているのです。
ラクトフェリンは、赤ちゃんのためだけの成分ではなく、涙や血液、唾液(口臭対策には「唾液」?!)など、わたしたちの全身に分布し、炎症が起きると白血球から多く分泌されることが知られています。全ての年代の人にとって、ラクトフェリンは体を守るための成分としてとても重要なのです。
病気感染の予防、口臭問題、ダイエットまで?!全身を網羅するラクトフェリンの効能
ラクトフェリンはわたしたちの体を、どのように守ってくれているのでしょうか?
一般に、細菌はその生育や増殖の際に鉄イオンを必要とします。ラクトフェリンは鉄と結合しやすい特性を持っているため、ラクトフェリンが鉄イオンと結合してしまうと、周辺から鉄イオンが奪われ、細菌が生育できなくなると考えられています。
さらに、ラクトフェリン自体が直接細菌の細胞膜にダメージを与えることで殺菌性を発揮したり、リゾチームなどの酵素と共同で強い抗菌性を発揮したりして、わたしたちの体を細菌の感染から守っているのです。
また、鉄により触媒される酸化反応を抑制(=抗酸化作用)、免疫系の細胞に対する作用、骨形成促進効果、創傷治癒促進効果など、その働きは多岐にわたっています。
そのため、ラクトフェリンには以下のようなたくさんの効能が確認されています。
○ 新生児敗血症低下
○ 風邪症候群発症の予防
○ 胃ピロリ菌の抑制
○ 歯周病・口臭の改善
○ 発がんリスクの低減
○ 腸内フローラ(腸内細菌のバランス)改善
○ 貧血の改善
○ 脂質代謝改善
他にも、がん転移の抑制や、放射線障害からの保護、C型肝炎ウイルスの抑制など、今後の研究で期待される効果もたくさんあります。
初乳はお母さんから赤ちゃんへのプレゼントとも言われていますが、それも納得の効能ですね!
また、最近はスキンケア成分としても注目されています。
実は、以前にお話ししたホエイには、もともとラクトフェリンが含まれています(美容成分のはなし~ホエイ~)。
美容にも健康にも欠かせない、ラクトフェリン。
ラクトフェリンは熱に弱く、高温で加熱されると本来の形や活性を失ってしまうため、低温殺菌タイプの牛乳やナチュラルチーズなどから摂取することができます。
最近は、ラクトフェリンの配合されたサプリメントも多く販売されているので、興味のある方はぜひ、摂取してみてくださいね!
(キレイ研究室 研究員:船木)
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