
七草がゆは美容食って本当?顔や体のむくみケアやリラックスにもおすすめです
七草がゆは、「人日(じんじつ)の節句・七草の節句」と呼ばれる日に食べられてきた、体を労わる伝統食として知られています。
1月7日に七草がゆを食べる・・・という習慣を知ってはいても、実践している方は意外と少ないかもしれません。
実はこの料理、現代的な美容・健康の視点から見ると驚くほど合理的な『回復食』でもあります。
年末年始の食べすぎや不規則な生活で疲れた身体を整えるだけではなく、肌のゆらぎ、むくみ、腸の停滞などをやさしくリセットしてくれる・・・そんな『伝統の知恵 × 科学』が詰まった、日本ならではの美容食なのです。
今回は、サプリメントアドバイザーで健康管理上級指導員の船木彩夏さんにお話を伺いました。

七草は野菜ではなく野草?!野草に含まれるフィトケミカルの魅力
七草の多くは、現代の畑で栽培される野菜とは異なり、基本的には自然環境の中ではぐくまれている「野草」です。
野草には、外敵や環境ストレスから身を守るために生み出されたフィトケミカル(phytochemical:植物性化学物質)が豊富に含まれています。
七草に含まれるフィトケミカルには、以下のものがあります。
・ポリフェノール(フラボノイド・フェノール酸)
抗酸化・抗炎症作用があり、肌のくすみ・ごわつきにも関連します。
・テルペン類(香り成分)
血流を促し、むくみや緊張を和らげる、リラックス効果などが期待できます。
・サポニン
強い抗酸化力を持ち、生活習慣病予防効果や美肌効果が期待されます。
・食物繊維
腸内環境の改善から肌のバリア機能へつながる成分で、最近、摂取不足が懸念されている成分でもあります。
その他にも、ビタミンCやE、βカロテン、鉄分やカリウムといったミネラル類など、七草には豊富な栄養が含まれています。
栽培野菜に比べてフィトケミカルが多く含まれるのは、野草が厳しい環境を生き抜くために進化した証と考えられます。
七草がゆを食べることは、この7種類の野草の力を少しずつ摂ることができる、ブレンド美容食と考えることができます。
ひとつの植物を大量に摂るのではなく、少量ずつ組み合わせることで、それぞれの抗酸化・抗炎症・むくみケア・消化サポート・ミネラル補給が、穏やかに重なり合うのです。

七草がゆを養生食として考えてみる
前述のとおり、多くのフィトケミカルを摂取することができる七草がゆ。
これらがもたらす効果について考えてみたいと思います。
1)胃腸を休める『回復食』
おかゆは、水分が多く消化負担の少ない食品です。
ここに大根(すずしろ)・カブ(すずな)の消化酵素(β-アミラーゼやジアスターゼなど)が加わると、糖質や脂質の消化が緩やかに促されます。
年末年始に暴飲暴食をしてしまった・・・という方も多いかもしれません。
七草がゆは、そんな疲れた胃腸をやさしくサポートしてくれます。
酵素は熱に弱いものの、ペクチン性の多糖類が含まれる大根や蕪は『もともと胃腸にやさしい野菜』です。
酵素の効果を最大限に得るためには、完成したお粥に細かく刻んだすずしろやすずなを加えるなど、調理法を工夫するのもおすすめです。
2)腸内環境を整えることで、美肌効果も?
七草に含まれる食物繊維やポリフェノールは腸内の善玉菌のエサとなり、活性を高めたり増やしたりするプレバイオティクスとして働く可能性があります。
腸内環境が整うことで、便通が改善する効果はもちろん、美肌効果も報告されています。
「腸はお肌の鏡」というフレーズを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
腸と肌はskin-gut axis(皮膚腸相関)と呼ばれる関係があり、腸内環境が乱れると肌の炎症などのトラブルが起こる、逆に腸内環境が整うと肌の改善に作用することが報告されています(1)。
七草がゆで、お正月休みに乱れた腸内環境を整えていきましょう。
3)抗酸化作用で肌トラブルケア
七草には、ポリフェノールやビタミンCが豊富に含まれています。
実は、冬は
・冷えによる血流低下(エネルギー代謝の効率が下がり、活性酸素が増える)
・乾燥などにより肌が刺激を受けやすくなる(湿度や気温が下がる環境の影響)
・紫外線対策をおざなりにしがち(実は冬もUVAは夏の70~80%ほど降り注いでいます)
・生活習慣の乱れ(睡眠リズムの乱れ、暴飲暴食、免疫低下)
などが重なり、酸化による肌トラブルを受けやすい季節。
さまざまな種類の豊富なポリフェノールを摂取することで、冬の肌トラブルに多い、くすみ・ごわつき透明感の低下などへのアプローチが期待できます。
素朴で地味な感じのする七草ですが、実は抗酸化物質の宝庫なのです。
4)カリウムと香り成分によるむくみケア
おせち料理は、日持ちを考えてつくられており、一般的には塩分も糖分も強め。
ついついお酒も進んでしまって、なんだかむくみが気になるような・・・。
七草に含まれるカリウムは、取り過ぎてしまった塩分のデトックスをサポートするミネラル。
カリウムはナトリウムを尿として排泄する手助けをし、塩分によるむくみをリセットに導く働きが期待できるのです。
また、七草の中でが特にセリに多く含まれるテルペン類(精油成分)には、血流を緩やかに促進する働きが報告されており、リンパや血液の流れを整えてくれます。
さらに、カリウムを摂ることは高くなった血圧を下げる効果も。
アメリカ心臓協会(AHA)は、「カリウムをしっかり摂取することで、腎臓からのナトリウム排泄を助け、血管を拡張させることで血圧を下げる」と報告しています(2)。
実は血圧とむくみには深いかかわりがあるのです。
お正月にむくんでしまった顔や体のケアに、七草がゆを香りも楽しみながらいただきましょう。
日本の伝統食である七草がゆ。
きちんと見ていくと、
・野草の豊富なフィトケミカルを摂取できる
・お正月で疲れた胃腸をケア
・腸内環境にアプローチして美肌効果
・抗酸化作用による冬トラブルのケア
・カリウムと香りでむくみのケア
といった、このタイミングにうれしい作用があることが分かりますね。
昔の人の知恵に感謝しながら、今年は七草がゆを食べませんか?
最後に「七草、全部いえないかも」・・・という方のために、七草の和歌を記しておきますね。
「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」※作者不詳
参考文献:
(1)De Pessemier B, Grine L, Debaere M, Maes A, Paetzold B, Callewaert C. Gut-Skin Axis: Current Knowledge of the Interrelationship between Microbial Dysbiosis and Skin Conditions. Microorganisms. Feb 11;9(2):353.(2021)
(2)“How Potassium Can Help Prevent or Treat High Blood Pressure”. American Heart Association. Aug 14, 2025,
https://www.heart.org/en/health-topics/high-blood-pressure/changes-you-can-make-to-manage-high-blood-pressure/how-potassium-can-help-control-high-blood-pressure?utm_source=chatgpt.com(参照2025.12.10)
[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員
[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」
<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ
[監修]キレイ研究室編集部



