
麻辣湯(マーラータン)は本当にヘルシー?ダイエット向きかを健康管理上級指導員が解説
辛くて、しびれて、野菜もたっぷり食べられる「麻辣湯(マーラータン)」。
「辛い物やスパイシーなものって、代謝アップ効果がありそう」
「ラーメンよりヘルシーだし、ダイエット中でも食べられそう」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
麻辣湯は本当にダイエットに向いているの?
健康管理上級指導員でサプリメントアドバイザーの船木彩夏さんの解説です。

そもそも麻辣湯ってどんな食べ物?ヘルシーそうだけど、どうなの??
麻辣湯は、中国・四川料理をルーツにもつスープ料理のひとつです。
「麻」は花椒などによるしびれるような刺激、「辣」は唐辛子による辛味を意味します。
つまり麻辣湯は、辛味としびれが特徴のスープ料理です。
日本で人気の麻辣湯は、好きな具材を自分で選び、スープで煮込んでもらうスタイルが主流。
野菜、きのこ、豆腐、肉、魚介、春雨などを自由に組み合わせられるのが魅力で、ヘルシーそうなイメージと「映え」もあるせいか、近年若い女性を中心に大流行しています。
辛いから痩せる、春雨だから低カロリー、野菜を入れたから安心・・・麻辣湯は本当にヘルシーなのでしょうか?
辛いものを食べると痩せる?
麻辣湯の魅力といえば、なんといっても辛さと痺辛さ。
唐辛子に含まれる辛味成分のカプサイシンには、エネルギー消費や食欲、体重管理との関連が研究されています。
カプサイシンの摂取により、体重やBMI、腹囲に対してわずかな改善がみられたとする報告もあります[1]。
ただし、効果はあくまで補助的なもの。
麻辣湯を食べるだけで大きく痩せる、辛ければ辛いほど脂肪が燃える、というものではありません。
辛味によって体が温まるように感じたり、満足感が得られやすかったりすることはありますが、ダイエットで重要なのは、やはり摂取エネルギー、たんぱく質、脂質、糖質、食物繊維などのバランスです。
また、辛いものは胃腸への刺激になることもあります。
胃もたれしやすい方、胃痛がある方、下痢をしやすい方は、辛さを控えめにするのがおすすめです。
花椒の『しびれ』には何がある?
麻辣湯のもうひとつの特徴が、花椒によるしびれるような感覚です。
花椒には、ヒドロキシαサンショオールなどの成分が含まれており、これが舌や口の中に独特のしびれ、ピリピリ感、スパイシーな芳香をもたらします[2]。
この刺激によって食事の満足感が高まり、「しっかり食べた」という気分をある程度満たしてくれる場合も。
また、しびれや香りの刺激で食事にメリハリがつくため、塩分が少なめ、野菜中心のメニューでも満足しやすいという点は、ダイエット中にはうれしいポイントです。
ただし、こちらも「痩せる成分」と考えるのは早計です。
また、ダイエットとは異なる研究ですが、花椒には、唾液の分泌促進作用があり、ドライマウスを改善する可能性が示唆されています[3]。
あの刺激感には、さまざまな効果が期待できるようですね。
とはいえ花椒はあくまで香辛料。
あくまでおいしさや満足感を高めるものとして楽しみましょう。

麺は何を選ぶ?春雨ならヘルシー?
麻辣湯の主食としてよく選ばれるのが春雨です。
春雨は、緑豆、じゃがいも、さつまいもなどのでん粉を原料につくられます。
原料によって食感や風味は変わりますが、基本的には「でん粉(糖質)でできた麺」です。
そのため、「春雨=いくら食べても太らない」というわけではありません。
とはいえ、春雨は脂質が少なく、揚げ麺やインスタントラーメンの麺に比べると、ダイエット中に選びやすい麺といえます。
実際に、麺のカロリーを比較してみましょう。

春雨は、うどんや中華麺など、小麦を使用したタイプのものよりはカロリーはやや控えめ。
ただし、摂取カロリーを減らしたいときは、こんにゃく麺がぴったりといえます。
そしてやはり、油で揚げた中華麺はかなり高カロリーになってしまいます。
こんにゃくには、他の麵類とは異なり、食物繊維はありますが、たんぱく質はほぼ含まれません。
ダイエット中の麻辣湯は、こんにゃく麺とたんぱく質が取れる具材をあわせるのがおすすめです。
麻辣湯はスープにも注意
見落としがちなのが、スープです。
麻辣湯のスープは、香辛料や油、塩分がしっかり入っていることが多く、飲み干すと塩分や脂質の摂取量が増えてしまいます。
特に外食のスープ料理は、家庭料理よりも味が濃いことが多いため、むくみの原因にも。
刺激たっぷりのスープは美味しいですが、ダイエットや健康を考えるなら、スープは飲み切らない方がいいかもしれません。
「具材と麺を楽しんで、スープは残す」
麻辣湯をヘルシーに楽しむポイントです。
人気の続く麻辣湯。
ダイエット向きではありますが、
・春雨を選んでも糖質量は多いこと
・スープを飲み干すと塩分が気になること
を頭に入れて、楽しむのがいいかもしれませんね。
参考文献
1.Zhang W, Zhang Q, Wang L, Zhou Q, Wang P, Qing Y, et al. The effects of capsaicin intake on weight loss among overweight and obese subjects: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Br J Nutr. 2023;130(9):1645-1656. doi:10.1017/S0007114523000697.
2.Bautista DM, Sigal YM, Milstein AD, Garrison JL, Zorn JA, Tsuruda PR, et al. Pungent agents from Szechuan peppers excite sensory neurons by inhibiting two-pore potassium channels. Nat Neurosci. 2008;11(7):772-779. doi:10.1038/nn.2143.
3.Ryo K, Kaneko M, Takahashi K, Ono H, Ogasawara T, Abe M, et al. Study on the salivation effect of encapsulated food products containing Sichuan pepper oil. Clin Exp Dent Res. 2019;5(1):7-13. doi:10.1002/cre2.149.
[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員
[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」
<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ
[監修]キレイ研究室編集部



