
【秋のメンタルケア】頑張りすぎてない?心と体を整える呼吸法をヨガ講師が解説
仕事も家族のことも、できるだけきちんとやりたい。
そう思う人ほど、「まだ大丈夫」「私がやらなきゃ」と、自分の疲れを後回しにしてしまうことがあります。
秋は、夏のにぎやかさが落ち着き、なんとなく気持ちが内側へ向くこともある季節。
肩や首に力が入る、呼吸が浅く感じる、寝ても疲れが取れないといった変化があれば、少し立ち止まって自分に目を向けてみませんか?
こうした変化だけで、心や自律神経の状態を判断することはできません。
しかし、「いつもの自分との違い」に気づくことは、休むタイミングを知るきっかけになります。
今回は、ヨガ講師・セラピストの伊藤ありささんに、呼吸を通して心と身体に目を向ける方法や、秋におすすめのヨガのポーズ、休むこと・人に頼ることの大切さについて教えていただきました。
この記事のポイント
・肩や首の緊張、浅い呼吸、疲れが取れないといった変化は、自分の心と身体に目を向けるきっかけに
・無理に深く呼吸しようと頑張らず、まずは今の呼吸や身体の力みに気づくことが大切
・ヨガで身体を心地よく伸ばすことに加え、「休む」「頼る」ことも自分を守るセルフケア

肩や首の緊張、浅い呼吸も手がかりに|「いつもの自分との違い」に気づこう
頼まれたことは、できるだけきちんとやりたい。
家族のことも、仕事のことも中途半端にしたくない。
「私がやった方が早いから」と、気づけば何でも自分でやってしまう。
そんな頑張り屋さんほど、自分の疲れを後回しにしていませんか?
「まだ大丈夫」「みんなも頑張っているから」「私がやらなきゃ」
そうやって毎日を走り続けていると、自分でも気づかないうちに、心だけでなく身体にも力が入りっぱなしになっていることがあります。
そんなときに少しだけ意識してほしいのが、毎日何気なく繰り返している「呼吸」です。
忙しい日が続いているとき、こんな身体の変化を感じることはありませんか?
・肩や首にいつも力が入っている
・背中が張っている、重く感じる
・呼吸が浅く感じる
・無意識に歯を食いしばっている
・寝ても疲れが取れない
・疲れているのになかなか眠れない
・身体が重く、何をするにもおっくうに感じる
大切なのは、いくつ当てはまったかではありません。
「そういえば最近、ずっと肩に力が入っているかも」
「前より疲れが抜けにくいな」
「最近、ため息が増えたかも」
そんな『いつもと違う自分』に気づくことです。
身体の変化にはさまざまな原因があるため、これだけで心の状態や自律神経の状態を判断することはできません。
でも、それをきっかけに「私、ちゃんと休めているかな?」と、自分自身に目を向けることはできます。
頑張りすぎているときこそ「呼吸」に目を向けて
仕事に集中しているとき。
スマートフォンを見ながら、頭の中では次の予定を考えているとき。
子どもに「ママー!」と呼ばれながら夕食を作っているとき。
ふと気づくと、肩が上がったり、身体にギュッと力が入ったりしていませんか?
ヨガでは、ポーズだけでなく「呼吸」も大切にします。
でも、「深く吸わなきゃ」「長く吐かなきゃ」と、呼吸まで頑張る必要はありません。
「あ、肩に力が入っていた」
「息を止めるように集中していたかも」
「今日はいつもより呼吸が浅く感じるな」
そんな小さな気づきで十分です。
毎日当たり前のようにしている呼吸だからこそ、忙しさの中で外へ外へと向いていた意識を、自分自身へ戻す時間にしてみましょう。
陰陽五行で見る秋の心と身体、「肺」と「悲」の考え方
秋という季節を東洋医学の視点から見てみると、興味深い考え方があります。
東洋医学の考え方のひとつである陰陽五行では、秋は「肺」と関わりが深い季節とされ、感情では「悲」と関連づけられています。
夏のにぎやかさが落ち着き、少しずつ日が短くなっていく秋。
なんとなく寂しさを感じたり、気持ちが内側に向いたりする日があっても、「元気を出さなきゃ」と無理に気持ちを切り替えようとしなくてもいいのかもしれません。
悲しいときは悲しい。疲れているときは疲れている。
まずは今の自分の気持ちに気づいて、呼吸とともに身体の力をふっと抜いてみる。
陰陽五行の考え方を、そんなふうに自分の心と身体に目を向けるきっかけとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
秋のセルフケアにおすすめ|体側を伸ばす「かんぬきのポーズ」
秋のセルフケアとしておすすめしたいのが、ヨガの「かんぬきのポーズ」です。

かんぬきのポーズ(パリガーサナ)のやり方
片膝を床につき、反対の脚を真横へ伸ばします。
伸ばした脚側の手を脚に軽く添え、息を吸いながら反対の腕を上へ。
吐きながら、伸ばした脚の方向へゆっくり上体を倒します。
脇から胸、腕、体側まで心地よく伸びていく感覚を味わいながら、ゆったりと呼吸を繰り返しましょう。
東洋医学では、秋と関わりが深いとされる「肺」の経絡は胸から腕の内側へ、「大腸」の経絡は手から腕へとつながると考えられています。
きれいなポーズより、今の身体と呼吸を感じて
大きく身体を倒す必要も、きれいなポーズをつくる必要もありません。
「右と左で伸び方が違うな」「今日はここに力が入っていたんだな」「息を吸うと肋骨も動いているな」
そんなふうに、今の自分の身体と呼吸を感じてみてください。
頑張りすぎているときこそ、ヨガまで頑張らない。
心地よく身体を伸ばしながら、自分自身に戻ってくる時間にしてみましょう。
「休む」「頼る」ことも、自分を守るセルフケア
頑張り屋さんほど、「これくらいなら大丈夫」「あと少しだけ」「人に頼むくらいなら自分でやろう」と、頑張ることが当たり前になってしまうことがあります。
でも、身体や心の小さな変化に気づいたら、「今日は少し早く寝よう」「これは明日に回そう」「ちょっと手伝ってもらおう」そんな選択もしてみてください。
休むことも、誰かに頼ることも、自分の心と身体を守るための大切なセルフケアです。
そしてもうひとつ大切なのは、セルフケアだけで何とかしようと頑張りすぎないこと。
つらいときには、一人で抱え込まず、家族や友人、必要に応じて専門家を頼ることも、自分を守る大切な選択です。
世界メンタルヘルスデーにむけて|自分をいたわる時間を増やそう
10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。
家族のため、仕事のため、誰かのため。いつも周りのことを優先している人ほど、この機会にほんの少し、自分自身にも目を向けてみませんか?
まずは肩の力を抜いて、ひと呼吸。
「私、頑張りすぎてない?」
何か新しいセルフケアを頑張って始めなくても大丈夫。
今日の自分の呼吸に気づくこと。疲れていたら休むこと。できないときには誰かを頼ること。
頑張ることをひとつ増やすのではなく、自分をいたわる時間をひとつ増やす。
そんな小さなことから、始めてみてください。
執筆者

伊藤ありさ
ヨガ講師・セラピスト/ママニティヨガ認定講師
約15年間、エステティシャン・セラピストとして女性の心と身体に寄り添い、現在も自宅サロンを運営。
3児の母として子育てをしながら、ママニティヨガ認定講師としてオンラインヨガスタジオでも活動している。
ヨガやセラピストとしての経験を活かし、女性やママが自分の心と身体を労わるためのセルフケアを伝えている。
オンラインヨガスタジオ MAMANITY YOGA
https://online-mamanityyoga.com/



