老化の原因「紫外線」肌に影響?紫外線と近赤外線の2つの対策で、太陽光からお肌を守ることについて考えてみて!

太陽光は、ヒトを含む多くの生命にとって必要不可欠なものです。
太陽の光には、γ線やX線、紫外線、可視光線、遠近赤外線などさまざまな光線が含まれています。
紫外線と近赤外線は、両方ともその太陽からの放射線の一部であり、過剰に浴びることで、わたしたちの健康に影響を与えてしまいます。
今回は、太陽光からお肌を守ることについて考えてみましょう。

光老化の原因、紫外線

太陽光は、波長の短い方から紫外線・可視光線・赤外線に分けられます。
光は波長が短いほど周波数が高く、エネルギーは大きくなるので、紫外線は赤外線に比べると人体などに与える影響が大きくなります。
さらに、紫外線(UV=Ultra Violet)は、その波長の短い方からUV-C、UV-B、UV-Aの3つに分類されます。

◆UV-C

紫外線の中では波長が短く(190~290nm)、エネルギーはとても強いのですが、成層圏やさらに上空にあるオゾンや酸素分子によって吸収されるため、地上には届きません。
殺菌用の紫外線ランプなどに使用されるほど強いエネルギーを有しています。
絶対に体には浴びたくない紫外線ですね。

◆UV-B

波長は290~320nmで、成層圏で大部分が吸収されますが、地上にも届きます。
光エネルギーが強いため、生命に大きな影響を与えます。
肌に浴びると、肌表面の細胞が傷ついたり、炎症が起きたりします。
日焼けして肌が真っ赤に焼けたり水ぶくれができたりといったサンバーン(紫外線紅斑)の主な原因となるため、UV-Bはサンバーンスペクトルとも呼ばれています。

◆UV-A

紫外線の中で最も波長が長く(320~400nm)、大気による吸収をあまり受けることなく地上に届きます。
光エネルギー自体は強くありませんが、皮膚の内部(基底層から真皮)まで達します。
表皮の淡色メラニン色素を濃い色に変化させ、皮膚を黒化させる(サンタン)作用もあります。
この作用を利用しているのが日焼けマシンで、日焼けマシンはUV-Bをカットしているものが多いのです。
また、長期間浴びることにより、ハリや弾力を低下させ、皮膚の老化を促進することが知られています。
しかも雲や窓ガラスを通り抜けやすいという性質を持っているので、曇りの日も日当たりの良い家の中でも対策が必要です。

実は肌に影響が?近赤外線

近赤外線(NIR=Near Infrared Rays)は、地表に届く太陽光の約半分を占め、波長が長く、肌の表面や深部にまで届くことができます。
近赤外線には体を温めたり血流を促進させる効果や痛みを和らげるなどの効果が報告されており、医療機器としても利用されています。
コラーゲンやエラスチンの産生を促すなど、適度に浴びることは肌にとっても良い影響が報告される近赤外線ですが、過度に浴びてしまうことで肌の乾燥やシワ、たるみなどの原因となる可能性が報告されています(出典:World J Dermatol. Oct 2, 2012; 1(3): 30-37)。
私たちは日々多くの近赤外線に曝されていると考えられます。
UV対策だけでなく、NIR対策も考えたいですね。
NIR対策としては、日焼け止めだけでなく、近赤外線カット効果のある化粧品や肌着を使用することがおすすめです。
また、日中に外出する場合は、帽子やサングラス、日傘、長袖・長ズボンなどで肌を覆い、肌の露出を減らすことも大切です。
さらに、屋内でも近赤外線は存在するため、紫外線対策と同様に、日中の屋内での過ごし方にも気をつけることが必要です。
家で過ごすときも、日焼け止めを塗るなどの工夫をしましょう。

肌の健康を維持するためには、紫外線と近赤外線の影響を避けるだけでなく、日々のスキンケアにも注意を払う必要があります。
気温や湿度が高くなると、「肌がべたつくから」「すぐ汗をかくから」などとスキンケアをおざなりにしてしまいがち。
汚れはやさしくていねいに落とす、洗った後はしっかり保湿するといった基本を守ってお肌をケアしましょう。

以上のように、UVとNIRは肌にさまざまな影響を与えることが分かりました。
日常生活で、しっかりと対策をおこない、肌を健康的に保つための工夫をしていきましょう。
美肌のためには、UV&NIR対策と日々のスキンケアが重要です。

[執筆者]
船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士一般指導員
・健康管理能力検定1級

[監修]キレイ研究室編集部

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