え?トマトやリンゴに要注意って本当!?くしゃみや鼻水だけでも辛いのにのどもイガイガ・・花粉症の人が気をつけたいこと教えます!
花粉症の人も、そうでない人も、花粉が気になる季節がやってきました。
今年は3月・4月の気温が高いとの予報があるため、それに伴い、飛散量が多いことや、飛散時期が早まることが予想されています。
鼻水、くしゃみ、鼻づまりに、肌や目のトラブルなど、つらい症状が多い花粉症。
ですが、花粉症の方にはもうひとつ気を付けていただきたいことがあるのです!
口の中がイガイガ・・・これってアレルギーなの??
花粉症に悩んでいる方で、トマトやりんご、ナッツなどの特定の食べ物を食べたとき、口の中がピリピリしたり、のどがイガイガしたりしたことはないでしょうか。
もしかしたらそれは花粉-食物アレルギー症候群(PFAS:Pollen-associated Food Allergy Syndrome)かもしれません。
PFASは花粉感作後に、特定の食物を食べたり飲んだりすることによって起こるアレルギー症状です。
花粉と似た構造を持つたんぱく質を持つ(交差抗原性を有する)野菜や果物、ナッツなどを食べたときに、口や喉にアレルギー反応が出てしまうことがあります。
なんと、私たちの体の免疫細胞が、花粉と勘違いしてアレルギー症状を起こしてしまうのです。
このような反応は「交差反応」とよばれています。
喉のかゆみやイガイガ・唇の腫れなど、口や喉の症状が主となることから、口腔アレルギー症候群(OAS:Oral Allergy Syndrome)とも呼ばれています。
OASの場合、一般的には重度のアレルギー反応を起こしにくく、症状も口や喉に限定され全身に影響が出ることはほとんどないといわれていますが、稀にアナフィラキシーが起こることも報告されています。
花粉の飛散量が多い時期に症状が悪化する傾向がありますので、花粉症の方は気を付けたいですね。
スギ花粉に悩む方はトマトに注意!交差反応が起こる花粉と食べ物の関係
続いて、どんな花粉アレルギーのある方が、どんな食べ物の影響を受ける可能性があるでしょうか?
特定の花粉のアレルギーを有する場合に食物アレルギーを合併しやすい組み合わせをご紹介したいと思います。
※この組み合わせ以外でも症状が誘発されることはありますのでご注意ください
花粉は種類によって飛散時期が異なります。
地域によっても異なりますが、関東ではカバノキ科は3~4月、スギは2~5月、イネ科は長く3~10月、キク科は8~10月頃となります。
自分がどの花粉にアレルギーがあるかはわからない人は、花粉症の症状が出る時期を意識してみるといいかもしれません。
複数の花粉に影響を受けることもあります。
米国アレルギー・喘息・免疫学会によれば、シラカバ花粉、イネ科花粉、ブタクサ花粉に対するアレルギーを持つ人がOASになる可能性が高いとのこと。
すでに症状があって気になる方は、自分がどの花粉にアレルギーがあるのか、検査をしてみてもいいかもしれません。
OASになったら、どうすればいい?
アレルギー反応が出る食品がすでにわかっている場合、最も簡単な対処方法はその食品を避けることです。
また、OASの場合は加熱調理をすることで、食品のたんぱく質の組成が変化し、アレルギー反応が起こりにくくなるといわれています。
そのため、生のまま食べるのではなく加熱調理をしたり、缶詰や瓶詰めなどを利用したりすると症状は出にくくなります。
原因となるたんぱく質は、多くの場合食品の皮に含まれているので、野菜や果物の皮をむくことも有効だと考えられます。
ただ、比較的症状が軽いといわれるOASですが、医師の治療が必要になることもあります。
反応が口腔以外に広くあらわれたり、呼吸に影響が出たりするなど、重い症状が現れたら、早めに受診しましょう。
OASは成人の罹患率が高く、前は普通に食べられていたのに、突然症状が出ることも珍しくありません。
通常、かゆみや腫れなどの症状はしばらくすると治まります。
その際に、口がイガイガするぐらいだから、軽症で我慢できるし食べたいから…と、繰り返し摂取を続けてしまうことで、症状が悪化する懸念もあります。
果物や生野菜を食べて、数分以内に口の中などに違和感を感じたら、
「何を食べて、どのような症状が出たか」
ということを早めにかかりつけ医に相談し、原因を特定することが大切です。
[執筆者]
船木 彩夏
化粧品メーカー研究員
[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」
<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士一般指導員
・健康管理能力検定1級
[監修]キレイ研究室編集部