【βカロテンってすごい!】βカロテンたっぷりニンジンで美ジンに!

ニンジンで美ジンに! 身近な野菜のポテンシャルについて

ニンジンは緑黄色野菜でもポピュラーな根野菜。
カレーや肉じゃがなど、人気のメニューに使用されることも多く、保存も効くため、家に常備してあるというご家庭も多いのではないでしょうか。
鮮やかなオレンジ色のニンジンは、お料理に彩りを添えるのにもぴったり。
今回は、そんな身近なニンジンについてお話ししたいと思います。

さすが緑黄色野菜! ニンジンの高い栄養価

緑黄色野菜とは、100g中にβカロテンが600㎍以上含まれている野菜のこと。
緑黄色野菜の代表格ともいえるニンジンはさすがの含有量で、βカロテンの含有量は6,900㎍も含まれます。
αカロテンも含まれるニンジンは、βカロテン当量(βカロテンに換算)は8,600㎍にも。
ニンジンよりもβカロテン当量の高い野菜は、シソやモロヘイヤぐらいしかありません。
ニンジンはβカロテンの優秀な供給源なのです。
日本人が野菜不足をいわれるようになって久しい昨今。
成人では、野菜類として1日に平均でおよそ280g程度しか摂取していません。
これは、厚生労働省管轄の「健康日本21(第二次)」にて掲げられている1日の野菜類の摂取量350gから70gほど不足しています。
野菜類の推奨摂取量350gのうち、緑黄色野菜として120g程度摂取することが良いとされていますが、緑黄色野菜の摂取量も85g前後と不足しています
40代以下の女性で野菜摂取量をクリアしているのは20%未満とのこと(出典:令和元年 国民健康・栄養調査報告書)。
アナタはきちんと野菜を食べていますか?
栄養価の高いニンジンは、野菜不足を補うのにぴったり。
βカロテン、ビタミンC、食物繊維、カリウムを豊富に含むニンジンは、キレイと元気に欠かせない食材なのです。
また、ニンジンの皮にはより豊富なβカロテンや食物繊維が含まれています。
抵抗がない方は、皮ごと食べるのがおすすめです。
また、ニンジンの葉も緑黄色野菜と名乗れる量のβカロテン、カリウムや鉄といったミネラルが豊富に含まれます。
葉付きのニンジンを手に入れたときは、お浸しや炒め物などに利用して、葉っぱも美味しくいただきましょう!

βカロテンのすごさ

βカロテンは、体内で変化しビタミンAとして働くプロビタミンAのひとつです。
ビタミンAは私たちが生きていくのに必要なビタミンですが、過剰摂取すると健康障害が起こることが知られています。
しかし、βカロテンは必要に応じて体内でビタミンAとして働くため、たくさんニンジンを食べても問題ないと考えられます。
βカロテンはビタミンAとしては皮膚や粘膜の健康の維持や目の機能の関わる働きなどがありますが、それ以外にもカロテノイドとして強力な抗酸化作用や免疫賦活作用があることが報告されています。
サプリメントにも含有されることの多い成分ですが、実はβカロテンのみを過剰に摂取することにより、肺がんの発生率が上がるなどの報告もあります。
魅力たっぷりのβカロテンですが、成分単体で摂取するのではなく、野菜としての摂取がおすすめです。
βカロテンをしっかり摂りたいときは、ニンジンをたくさん食べるようにしましょう!
βカロテンは脂溶性のため、油分と一緒に摂取するのがポイントです。
炒めものにする、オイル入りのドレッシングを使う、脂肪を含む肉や魚と一緒に食べるなど、工夫しましょう。

生のニンジンに注意は冤罪だった? ビタミンCとニンジンのはなし

「生のニンジンにはビタミンCを破壊する酵素(アスコルビナーゼ)が含まれているのでレモンや酢と一緒に食べた方が良い」
と聞いたことがある方もいるかもしれません。
確かに、ニンジンにはアスコルビナーゼとも呼ばれるアスコルビン酸酸化酵素が含まれています。
アスコルビン酸酸化酵素はその名のとおりビタミンC(L-アスコルビン酸)を酸化させることがわかっています。
以前は酸化したビタミンCは体内で働かなくなってしまうと考えられていたため、ニンジンを加熱するなどして酵素を失活させてから食べるか、前述のとおりレモンなどと一緒に食べる方が良いと考えられていたのです。
しかし、最近ではL-アスコルビン酸(還元型ビタミンC)は、酸化によりデヒドロアスコルビン酸(酸化型ビタミンC)に変化したとしても体内で還元され、両者とも同じように体内で働くことが分かっています(出典:日本ビタミン学会ビタミンC研究委員会の見解(昭和51年2月))。
そのため、食品成分表にも還元型と酸化型の合計値がビタミンCの含有量として記載されています。
ですので、生のニンジンでジュースをつくる際や紅葉おろしをつくる際に、レモンやお酢を必ずしも入れる必要はありません。
心置きなく生のニンジンの美味しさを楽しんでくださいね!

いかがでしたか?
βカロテンが豊富で、免疫賦活作用も期待されるニンジンは、今の時季にぴったりな食材です。
特に冬場は甘味が強くなり、美味しさもアップします。
生でも加熱しても美味しいニンジンを、しっかり食べて、冬も元気に過ごしましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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