古墳葬って知ってる?皇族のものだけでない樹木葬から発展した新しいお墓のスタイルや最新の終活事情についてお教えします。
就活ならぬ終活という言葉も、目にする機会が増えてきました。
終活とは、人生の終わりを迎えるための活動のこと。
ご自身はもちろん、ご両親も含めた終活について、一度考えてみませんか?
今回は、株式会社前方後円墳 代表の竹田恒泰さまにお話を伺いました。
核家族やひとり世帯が増えているいま、40代でも考えたい終活
近年、終活やお墓に対する意識が大きく変化してきており、特に40代から終活を考え始める人が増えております。社会の高齢化が進み、2050年までには全世帯の44%が高齢者世帯になると厚生労働省のデータにより予測されています。
このような背景から、自分の死後に子供や孫に負担をかけたくないと考える人が増え、40代という比較的若い世代から終活に取り組む傾向が見られます。
また、個人主義が進む現代社会では、伝統的な家族の絆が希薄化しており、特に身寄りのない高齢者が増加しています。
このため、自分の死後に備えてお墓をどうするか、早いうちから考える必要性を感じる人が増えているのです。
先祖代々の墓石は少数派?!お墓に対する考え方の変化
お墓に対する考え方も時代とともに変化しています。
従来のお墓は、家族や先祖代々で引き継がれていくものでしたが、近年では核家族化や少子化の影響で、家族でお墓を管理することが難しくなってきています。
お墓を維持することの負担を感じる人々が増え、「子供にお墓の負担をかけたくない」「次の世代に管理を任せるのは難しい」といった思いから、自分の代で墓じまいをしてしまおうという考えが広がっています。多死社会も追い討ちをかけ、2022年度には全国で約15万件もの墓じまいが行われ、過去最多の数字となっています。
樹木葬が人気の理由とは?新しいタイプのお墓も!
このような背景の中で、樹木葬がその受け皿となっているのです。
エコなどの観点から、自然回帰志向が高まっていることも影響しているようです。
今後、お墓を購入・改装を検討している方の約8割が一般墓でなく、樹木葬などの永代供養墓を希望するという報告もあります(出典:株式会社はせがわ「お墓に関する実態調査」2024年)。
樹木葬とは墓石の代わりに樹木をシンボルとするお墓です。
後継を必要としない永代供養であり、費用も抑えることができることから爆発的にシェアが広がっております。
但し、これらは西洋式の樹木葬であることが多いです。
そんな中、最近は樹木葬の発展タイプとして、日本式の樹木葬も生まれています。
古墳型と呼ばれるタイプのお墓です。
古墳葬では、御霊の安寧を願って鏡・県・勾玉を埋蔵するため、古墳文化の継承にもつながるでしょう。
また、古墳に葬るという特別の体験を親族と共有できることは、他の樹木葬にはなく、副葬品にする埴輪や勾玉を、家族とともに製作する体験も良い経験となるかもしれません。
家族の在り方や形が変化していく中、お墓に対するニーズもさまざまに変化しているようです。
新しいタイプのお墓が生まれている今、一度家族で「終活」について話し合ってみてもいいかもしれませんね。
[執筆者]
竹田恒泰
作家
昭和50年(1975年)、旧皇族・竹田家に生まれる。
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。
平成18年(2006年)『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』『現代語古事記』など多数の著書を上梓している。
また、令和6年4月に株式会社前方後円墳を創業。
当社は古墳文化を顕彰し、その理解を深めることで、日本に生まれたことへの感謝の念を育むことを使命とし、「古墳文化」を忠実に再現した古墳墓を、一般の方々に手頃な価格で提供している。
株式会社前方後円墳
https://kofun.co.jp/