花粉症対策の基本!『非花粉三原則』を教えます!つらい花粉の季節の乗り越え方教えます!

年が明けると気になってくるのが花粉の飛散情報で、気が気じゃないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方のために、今回はセノリティクス製薬のCEOである持田さまに最近の花粉症対策についてお話を伺いました。

花粉症対策の基本!『非花粉三原則』とは??

花粉症歴45年、製薬会社の社長が、花粉症を少しでも軽くする方法をお知らせします。
さて、花粉症の原因の90%以上は、スギ花粉と言われています。
今年2023年は、スギの花粉飛散量が例年の10倍と言われていますので、いままで花粉症でなかった人も、今年から花粉症になる可能性があります。
まず、基本的な花粉症対策からお話しします。

最も大切なことは、【花粉を物理的にブロックする】こと。

花粉を
・身体につけない
・部屋に持ち込まない
・吸いこまない
これを私は、「非花粉三原則」と言ってます。まず、これを徹底してください。
具体的には、以下のような生活スタイルを心がけてください。

1)花粉を吸いこまない

外出時は、マスク、伊達メガネ、花粉が付きづらいツルツル素材のアウターコートが必須。
コロナでマスクをつけるのが日常的になっていますが、マスクを使わないときは、マスクの内側に花粉が入らないように、半分に折っておくようにしてください。
メガネも花粉が目に直接入らないので、とても有効です。メガネをしていない方は、伊達メガネや、サングラスをして花粉が目を直撃しないようにしてください。

2)花粉を持ち込まない

家に花粉を持ち込まないために、玄関前の外で、すべきことがあります。
家に入る前に、玄関の外で髪の毛をパサパサ、コートをパタパタ。まず、髪の毛についた花粉を落とします。頭を洗うときのように前にかがんで、両手で、髪の毛をパサパサしてゴミを落とすように、花粉を落としてください。
髪の毛はぼさぼさになりますが、くしゃみ、鼻水よりは、マシです。
次に、これも玄関の外で、コートやマフラーを脱いで、パサパサはたいて、花粉を落としてください。
完全に花粉は落ちてないので、コートの外側を内に折りたたんで持つようにしてください。
コートやマフラーは、部屋に持ち込まず、玄関に置いてください。
外出時に、帽子をかぶるのも効果的です。
もちろん、帽子も、玄関の外で脱いで、花粉をパサパサと落として、玄関において置きます。
とにかく、花粉を部屋に入れないこと。

3)手と顔と髪の毛についている花粉を水洗い

外から帰ってきたら、急いで洗面所へ。
手と顔、メガネ、できれば、髪の毛も軽く洗面台で、水洗いをしてください。
細菌やウイルスではないので、石けん洗いの必要はありません。
要は、花粉を洗い落とせればOK。

4)枕カバーに花粉をつけない

意外にやっていないのが、枕カバーに花粉をつけないこと。
枕カバーの花粉を寝ている間に吸い込んでしまい、急にくしゃみがでたり、呼吸が苦しくなったりして、目が覚めてしまう場合があります。
なので、オススメは、枕の上に、薄いタオルを1枚敷いて寝ます。
タオルは、毎日交換、洗たく、室内干し。
外から帰ってきて、そのまま、ソファーでごろんなんて、言語道断!
花粉でも、新型コロナでも、これが、最悪の行動パターンです。
また、マスク、タオル、衣類、寝具を花粉の時期に外干しするのは、自殺行為。
室内干しにして、花粉がつかないようにしてください。

5)空気清浄機で花粉、ホコリを取る

部屋の中の花粉を空気清浄機で除去してください。
ウイルス99%除去みたいな高性能な機械でなくてもいいので、紙のフィルターで、花粉やハウスダスト(ハウスダストに花粉が付いている)を常に除去するようにしてください。
掃除機をかける時は、花粉が舞うので、必ずマスクをして、ツルツルのアウターを着て掃除をしてください。

とにかく、花粉を
・身体につけない
・部屋に持ち込まない
・吸いこまない
これが、花粉症対策の第一ステップです。

花粉症が起きるのは、抗体ができるから・・・花粉症のメカニズム

先ほどお話しした「非花粉三原則」が実践できていたとしても、花粉を完全にシャットアウトすることは不可能なので、花粉症は発症します。
花粉によるアレルギー症状である
・くしゃみ
・鼻水
・涙
・目のかゆみ
などは、なぜ起きるのでしょうか?
それは、「抗体」ができるからです。
抗体は、外から入ってきた細菌、ウイルス、花粉などの異物を防御するための「免疫」機能の一種です。
花粉症が起きるまでを解説します。
1)花粉が体内に入ると抗体ができます(新型コロナで、にわかに認知度の上がった免疫機能の一つが抗体です)。
2)抗体は、マスト細胞(肥満細胞ともいいます)にくついて、花粉が来たら、マスト細胞に「花粉が来たよ」と伝えます。
3)マスト細胞は、ヒスタミンなどの化学物質を放出して、さまざまな細胞に「みんなで、花粉を排除せよ」と命じます。
4)ヒスタミンの指示を受けたさまざまな細胞は、くしゃみ、鼻水、涙、かゆみなどを総動員して、花粉を身体の外に排出しようとします。
これが、花粉によるアレルギー症状が起こるメカニズムです。

花粉症薬の主流は、症状を緩和させる抗ヒスタミン薬

花粉症を根本的に治す薬はまだありません。
一般的な花粉症薬は、抗ヒスタミン薬というものです。マスト細胞から放出されるヒスタミンと細胞側のヒスタミン受容体は、鍵と鍵穴のような関係になっていて、ヒスタミンという「鍵」がヒスタミン受容体という「鍵穴」にはまることで、花粉症のアレルギー症状が引き起こされるのですが、その「鍵穴」をふさぐのが抗ヒスタミン薬です。
この「鍵穴」がふさがれているので、放出されたヒスタミンと結合できなくなるので、くしゃみ、鼻水、涙が出なくなります。
しかし、脳にあるヒスタミン受容体もふさいでしまうと、「眠気」を引き起こす原因になります。
なので、抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状の緩和と引き換えに、「眠気」や「だるさ」を引き起こす副作用があります。

花粉症薬の効果を高める機能性表示食品も登場!

しかし、この抗ヒスタミン薬の効果は一時的であり、持続性がありません。
また、飲み続けることで耐性ができてしまい、薬が効かなくなってきてしまう可能性も報告されています。
抗ヒスタミン薬が効かなくなる原因は、よく分かっていません。
しかし、花粉症に関する新しいアプローチが報告されましたのでご紹介したいと思います。
老化細胞を除去する効果の高いケルセチンという成分を含んだサプリメントを花粉症の患者に服用させたら、プラセボ(偽薬)を服用した人にくらべ、花粉症の症状が軽減されたことから、ケルセチン含有サプリメントの経口摂取は、花粉症に由来する一部のアレルギー症状の軽減に有効である可能性が示唆されました(出典: 薬理と治療 Volume 48 , Issue 11 , 1945 – 1959 (2020))。
本試験は22~78歳の66人の被験者を対象におこなわれたものですが、顕著な副作用などの報告はなかったそうです。
現在、花粉症対策の機能性表示食品も消費者庁に受理され、サプリメントとして販売されています。
花粉症の症状に悩まれている方は、試してみてはいかがでしょうか?

以上まとめますと、
1)花粉を付けない、持ち込まない、吸わない
2)ご自身に合った抗ヒスタミン薬を利用する
3)それでも、ダメなら、花粉症などによる鼻の不快感を軽減することが報告された機能性表示食品を併用してみるという方法があります。

その他、
・漢方薬や乳酸菌による体質改善
・舌下免疫療法による体質改善
・鼻の粘膜をレーザーで焼く
・抗体をブロックするゾレア注射
など、さまざまな花粉症の治療方法がありますが、どれも、一長一短がありますので、いろいろ調べたり、かかりつけ医にご相談の上、ご自身にとって最適な方法を試してみてください。

[執筆者]

持田 騎一郎(もちだ きいちろう)
セノリティクス製薬株式会社 CEO

[プロフィール]
セノリティック(Senolytic:老化細胞を標的として、細胞死の誘発または破壊し、除去する成分のこと)の研究者。
セノリティックの効果が高いと言われている「ケルセチン」を関与成分とした花粉対策の機能性表示食品の開発に日本で初めて成功。
オレンジ由来のCBD(カンナビジオール)の製品開発も行っている。

セノリティクス製薬のホームページ
https://www.senolytics.jp/

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