みんなマスクはつけている?外してる?マスクをするべきポイントを訪問看護の視点からお話します!

マスクを外しても良いといわれても、周りはマスクをしている人が多い。
今回は、訪問看護ステーションを運営され、新型コロナウイルス在宅療養者の訪問看護も多くおこなってきた龍田章一さまに、感染対策やマスク着用についてのお話です。

マスク、外しても大丈夫?

マスクについては、2023年3月13日より、「個人の判断」となりましたが、不安を抱えている方も少なくはないと思います。
マスクを外して思いっきりお洒落をしたいけれど、新型コロナウイルスに感染したくないといった方も多いです。
マスクをするべきポイントなどについてご説明いたします。

まずは新型コロナ感染経路を知ろう

新型コロナの感染経路は、主に3種類と考えられています。
・接触感染(ウイルスを含む飛沫やウイルスが付着したものの表面を手で触り、その手で口、鼻、目などの粘膜を触ると感染する)
・飛沫感染(ウイルスを含む飛沫が口、鼻、目などの粘膜に付着し感染する)
・エアロゾル感染(エアロゾルとは、ウイルスを含む飛沫から水分が蒸発し、微細飛沫や飛沫核が飛沫よりも細かい粒子となって空気中に浮遊している状態のこと。これらを吸い込むことによって感染する)
これらを頭において、考えてみましょう。

屋外でのマスク着用は?

これから気温も上がり、外でマスクをおこなうことで、マスク内が呼吸で高温多湿の状況になります。
顔の周りが汗ばむ経験をした方も多いのではないのでしょうか?
また、息苦しさを経験した方も多いと思います。
マスクをすることで、喉や鼻が乾燥しにくくなります。
ですが、喉も潤っているので「喉が渇いた」と感じにくい場合があります。
そのため、水分摂取が少なくなり、立ちくらみ、嘔吐、脱水などの症状となり、ひどい場合には意識を失う事態にもなりかけません。
でも、新型コロナウイルスに感染するのは嫌だと思うかたも多いと思います。
国の方針では、ほかの人との距離を2mあければマスクをしなくていいとなっています。
これは、屋外の場合には、「飛沫感染」が主であり、飛沫は2m程度飛ぶと考えられているからです。
風邪症状がある場合には、マスクの着用はエチケットとしておこなう必要性がありますが、人との距離が確保できる場合や会話をしない場合、屋外では、基本的にはマスクを外しても問題ないと考えられます。
感染や自身の体調が不安な方は、人ごみの中だけ一時的にマスクをつけると良いかもしれません(出典:厚生労働省 屋外・屋内でのマスク着用についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/000942565.pdf)。

屋内の感染対策で重要なこと

屋内の感染対策で重要なのは、換気です。
風の流れをつくり、同じ空気が滞留しないようにしておくのがポイントです。
理由については、空気にエアロゾルが含まれる可能性があるためです。
例えば、締め切った部屋の中で新型コロナウイルス感染者がいた場合に、咳や会話などをおこなうと、エアロゾルや飛沫が部屋の中に浮遊している状態になります。
換気をおこなわないと、ウイルスを含んだ空気が滞留し、同じ空間にいる人がそれらを吸い込み感染する可能性があります。
窓や換気扇を活用し流動性をもたせることで、部屋の中の空気が自然と入れ替わり、新型コロナなどのウイルスも一緒に外へと排出してくれます。
もうひとつ重要なのが接触感染への対応です。
接触感染に有用なのは「手洗い・手指消毒」です。
保育園や幼稚園で、手の平や手の甲だけでなく、指先までしっかりと手を洗うことを教えてもらったことはありませんか?
爪と皮膚の間にも菌が付着している可能性がありますので、入念な手洗いを行うことが必要になります。
また、手洗いができない環境の場合、「手指消毒」も有効になります。
手指消毒の注意点ですが、乾ききるまでしっかりと手をこすり続けることが重要です。
洗い残しやすい部分は、手の甲、指先が多いため、石鹸で入念に洗うことが必要になります。

訪問看護の現場で感じたこと

私たちは、実際に新型コロナ感染症の自宅に訪問を行い、看護をしています。
私たちが入室したときに一番におこなうことは部屋の換気です。
感染防護服を着用していますが、2次感染の可能性を少しでも減らすために窓を開け、空気の流れをつくり、新型コロナウイルスを外へと排出をおこなうようにしています。
家庭内で感染者が出た場合、換気や手指消毒を徹底していた場合としなかった場合では、大きな差が出ました。
換気と手指消毒をきちんとおこなうことで家庭内感染を防ぐことができたのです。

マスクを着脱するタイミングを考えることで女性がオシャレをおこないやすくなるのではないでしょうか。
新型コロナ対策にはマスク・換気・手指や人がよく触る場所(机や手すり、ドアノブなど)の消毒をおこなうことが有効です。
状況に合った感染対策を考えながら、是非、お洒落を楽しんで、新型コロナウイルスとの共存をおこなっていきましょう。

[執筆者]

龍田章一
株式会社シャーンティ訪問看護ステーション秋桜代表取締役
2016年に神戸市で訪問看護ステーションを開設し、新型コロナ第4波から新型コロナ感染症在宅療養者の受け入れを開始。
医師、看護師、薬剤師などの共同でおこなう新型コロナチーム「龍田モデル」を創設し、治療・療養中のサポート、後遺症まで幅広く医療が必要な方に医療サービスを届ける役割を担っている。
受け入れ患者の年齢層は、0歳から98歳までの方をサポート。
現在は、潜在看護師復帰サポートなども実施している。

[シャーンティ 訪問看護ステーション秋桜]
https://sha-nty.com/

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