虫歯になりやすい人・なりにくい人はいる?その差はどこから生まれる?こどもと女性の歯科クリニックの院長岡井先生に伺いました!
虫歯になりやすい人・なりにくい人はいるのでしょうか?
その差はどこから生まれるのでしょうか??
今回は、こどもと女性の歯科クリニックの院長で歯科医師の岡井有子先生に、虫歯についてお話しを伺いました。
どうして虫歯になるの?
虫歯は、a:唾液の性質、b:汚れの程度、c:虫歯の菌の数で決まります。
a:唾液の性質は、1)酸性度2)緩衝能で決まるのですが、歯はpH5.5以下で脱灰(表面が溶けます)されます。
もとから酸性度の高い唾液だと少し何か食べただけでpH5.5以下になり、歯が脱灰しはじめます。
緩衝能は、酸性に傾いた唾液を元に戻す性質のことをいいます。
緩衝能が低いと食事をとり一度酸性になった唾液のpHが中性に戻りにくく、唾液が長い時間酸性の状態となってしまいますので、歯が脱灰されやすくなります。
これらの唾液の性質は、個人差があります。
ごくまれにですが、歯みがきをあまりしないのに虫歯にならない子もいます。
唾液の酸性度が低く緩衝能が高いのですね(もちろん口腔内の状態が良いわけではありません)。
また、唾液の性質は変えることができます。
酸性度が低く緩衝能の高い唾液は、刺激唾液とよばれるもので、マッサージなどの刺激を与えることで出てきます。
さらさらの唾液になります。
さらさら唾液は、リラックスした状態で出る唾液ですので、身体へも良い作用があります。
歯みがきしているのに口臭が気になるのはどうして?
口臭が気になる!それはみがき残しです
キレイにみがいているつもりでも、歯ぐきの中の汚れまでは日常の歯みがきでは除去できません。
歯周病菌も関与しているので歯科クリニックで定期的にクリーニングをしましょう。
やっぱり重要!正しい歯みがき
歯の表面と歯ぐき付近のプラーク(歯垢)に細菌がたくさんいます。この細菌が歯周病菌です。
歯周病菌は、歯茎の中の奥深くにある汚れに住み着きます。歯茎の奥深い部分は空気がないので、空気を嫌う嫌気性菌がたくさんになります。
歯ぐきの中、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目の溝)にたくさんいる歯周病菌を排除することを心がける歯みがきをおこないましょう。
まずは、歯ブラシの上半分を歯と歯ぐきの溝に挿入するイメージで歯ブラシを当てます。
次に歯ブラシを歯ぐきのキワをみがく意識で、ゆっくり左右に動かします。この時、歯ブラシは大きく動かさず、その場でゆっくりやさしく、左右に動かします。動きの量は左右に2-3ミリです。
次に歯ブラシを歯と歯の間の歯ぐきを意識しながら、ゆっくり左右に動かします。この時、歯ブラシは大きく動かさず、その場でやさしく、ゆっくり左右に動かします。動きの量は左右に2-3ミリです
この動作を、全ての歯と歯茎の間に同じことをおこないます。
始めは多少出血するかもしれませんが、気にせずおこなっていくと歯茎の状態がよくなってきます
こちらを1日30分程度おこなっていただくと、歯周病が改善し、口臭もなくなります。
そして、さらさら唾液が出て、唾液の質はよくなります。
口腔内の環境が変わるので、疲れた日は歯や歯茎の痛みなどの症状も改善してきます。
[執筆者]
岡井有子先生
こどもと女性の歯科クリニック 院長。
[プロフィール]
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経たのち、大阪歯科大学に入学。
同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を専攻。
一般歯科医院勤務を経て、2017年7月、麻布に『こどもと女性の歯科クリニック』を開院。
「顎顔面口腔育成療法」により子どもたちの健康な発育をサポートし、ママへの抱っこや離乳食の講座なども開催している。
<所属学会>
日本小児歯科学会
日本小児耳鼻咽喉科学会
<所属研究会>
顎顔面口腔育成研究会
赤ちゃん歯科ネットワーク
母子フィジカルサポート研究会
こどもと女性の歯科クリニック
https://cw-cl.jp/