目の疲れや渇き・ピントが合わないなど不調を感じていませんか?スマホとの上手な付き合い方についていわみ眼科 院長岩見先生に伺いました!
スマホがある生活が当たり前になりました。
しかしスマホを使い過ぎるせいか、目の疲れや渇きを感じたり、ピントが合わないなどの不調を感じたりという方も多いのでは?
今回は、いわみ眼科 院長の岩見久司先生にスマホとの上手な付き合い方についてお話を伺いました。
スマホが原因?目の不調
なんだか最近、目が悪くなってきた気がする…
スマホを見ていると頭痛が…
目を開けているのがしんどい…
寝付きが悪くなった…
こんな症状はないでしょうか。
もしかすると、これはスマホの使い方が原因かもしれません。
スマホなしの生活を送るのは現実的ではないと思いますので、上手に付き合うことが大切となります。
スマホを使う上で知っていただきたいポイント4つについてお話しいたします。
1.こまめな休憩をはさみましょう
スマホを使うと、ついつい画面を見る時間が長くなること、ありますよね。
画面を見続けることは実は目に負担がかかります。
アメリカ検眼協会はデジタル作業を行う人々に以下のことを推奨しています。
20分作業をすれば、20秒でいいので、20フィート(約6m先)を眺めましょうというもので、20-20-20ルールと呼ばれています。
要するにこまめに休憩をして、遠くを眺めましょうということです。
仕事で扱う場合の規定ですが、日本の厚生労働省も「情報機器作業における労働衛生 管理のためのガイドライン」において、画面を見る作業は最低でも1時間に1回は休憩(10~15分)を取ることを推奨しています。
連続作業は負担がかかるということです。
2.スマホは遠くに持って扱いましょう
近くを見すぎると、ピント調節の筋肉が固まってしまって、ピントが近くに合ったまま戻らなくなることがあります。
これを調節緊張といいます。
成人してから目が悪くなった、遠くが見えにくくなってきたと自覚される方の大部分はこれに当たります。
近視は成人してからほぼ進みませんから、この症状のある方はスマホのみならず、近くを見る作業が多すぎる可能性があります。
スマホは手に持って見ることができるモノ(handheld device)ですので、気づかないうちにスマホを扱う距離が近くなりすぎる事が多いです。
できれば肘を伸ばして、見る距離も遠くにしていきたいです。
さらに、スマホに頭が近づいて下がっていくこともありますよね。
頭は非常に重たいものなので、頭が下がっていると首から背中の筋肉で頭を吊り下げるような形になります。
この状態が長く続くといわゆる肩こり等に繋がり、頭痛がおこることもあります(緊張性頭痛)。
3.スマホを見ない、休憩時間を作りましょう。
細かいものを見続けるとき、瞬きの回数が減ってしまいます。
目は瞬きのときに潤いますので、瞬きが減ると当然目が乾きます。
例えば『夜な夜なスマホで映画三昧』などしてしまうと、画面からの距離は近いし、瞬きが減って目が乾くし…と目の不調や違和感の原因になります。
長時間のスマホ使用は、当然ながら目を疲れさせてしまいます。
休憩を挟んで使っていきましょう。
もし映画を見る場合はスマホではなく、タブレットやテレビ画面などの大きな画面の方が目の負担は少ないです。
4.スマホの画面は明るすぎないように
最近のスマホの画面はとにかく明るいです。
画面の明るさだけで、懐中電灯の代わりになるぐらい明るいものもあります。
スマホの液晶画面の光スペクトラム(どの波長の光が多く含まれているか)には、概ね強いブルーライトが含まれています。
ブルーライトは人間の体内時計に影響を与えるといわれており、長時間のブルーライト刺激はそれを乱してしまう可能性があります。
朝日を浴びて目を覚ますというのはブルーライトの効果によるものですが、夜にブルーライトを見すぎてしまうと、寝付きが悪い、眠りが浅くなるなどの懸念があります。
スマホを見ながら眠りにつく方も多いと思います。
前述のとおり、眠る前のスマホの使用はあまりお勧めではないですが、使用する際には画面を暗くして見るようにしましょう。
現代において、スマホは大切な情報源で欠かすことができないものです。
しかし、スマホを使いすぎることは目には負担がかかりますので、適度な距離をあけて使い、休憩を挟んでいく、そのような「正しいスマホの使い方」を知って付き合っていきたいものですね。
スマホの使い方を改善しても不調が治まらない、目の充血がひどい、痛みが強い、視力が急に低下した(眼鏡が合わなくなった)など、気になる症状が出たときは、早めにお近くの眼科医にご相談ください。
[執筆者]
岩見久司先生
いわみ眼科院長
加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などを得意とする網膜内科医。
網膜の病気に将来繋がっていく可能性のある小児の近視が現在急増しており、近視治療にも積極的に取り組んでいる。
令和5年度より、「100歳まで見える目」をたくさんの方が持てるように啓蒙活動も開始。
1日100人を超す外来をこなしながら、若手医師の教育や医師・医療関係者向けの講演も頻繁におこなっている。
大阪市立大学医学部卒
医療法人社団久視会 いわみ眼科理事長
眼科専門医
医学博士
兵庫医科大学非常勤講師