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女性の味方?飲んだ方がいいのはどんな人?興味はあるけど副作用も気になる低用量ピルについてレディクリニック名古屋理事長、月城先生に伺いました!

女性の味方?それとも…??
いろいろなうわさは聞くし、興味はあるけど副作用も気になる低用量ピル。
飲んだ方がいいのはどんな人?
今回は、医療法人沙月 レディクリニック名古屋 理事長の月城沙美先生にお話を伺いました。

低用量とか中用量ってどういう意味?ピルについて

近年、低用量ピルを内服する人が増えてきましたが、そもそも低用量ピルはどんな人が飲むと良いのか、どんな効果があるのか、などをご説明します。
ピルはホルモン剤であり、旅行や受験のときに生理にならないように周期をズラす中用量ピルを飲んだことがある人はいると思います。
中用量や低用量というのは、エストロゲンの量を示しています。
エストロゲンは血栓症のリスクを持つため、近年では中用量ピルを数ヶ月や数年単位で内服するというのは一般的ではなく、通常は生理の移動などのため、短期間に内服します。
低用量ピルはエストロゲンの量を抑えて血栓症のリスクを軽減したもので、エストロゲンと黄体ホルモン(いわゆる「高温期のホルモン」)が含まれており、黄体ホルモンの違いが低用量ピルの違いといえます。

ピルにはどんな効果がある?

ピルはある程度長い期間で内服していくもので、避妊・月経痛の軽減・経血の減少・PMS(月経前症候群)の改善・月経周期を整えるなどの効果があります。
また、ピルの種類によっては肌あれに効果のあるものもあります。
低用量ピルの種類によって、PMSの中でも、イライラする精神状態に効くものや逆に気分が落ち込む状態に効くものなどがあります。
長期的にみると、卵巣機能を良くする、卵巣がん・子宮体がん・大腸がんの予防効果もあるなどのメリットがありますので、その効果を残すために半年以上の内服がおすすめです。
低用量ピルの避妊効果は高く、飲み忘れがなければ99.7%というデータがあります。
コンドームだけでは避妊効果が心配という人や、月経痛が強い・経血が多めなので減らしたい・PMSが辛い・月経不順・月経前の肌荒れが気になる、という人におすすめで、思春期から閉経(または50歳のどちらか早い年齢)まで内服できます。

ピルの副作用とは?

副作用として、血栓症のリスクがありますが、1万人に9人以下という低い確率で、喫煙者や妊娠中の方が血栓症の確率は高いと言われています。
他に、不正出血や嘔気などが出る場合もありますが、内服して3ヶ月以内におさまることが多く、長めに続く場合は低用量ピルの種類を替えると良いでしょう。
喫煙は血栓症のリスクが高いため、1日15本以上の喫煙者だと、35歳以降は内服できません。
また、頭痛の起こる前に視界がチカチカしたりという前兆の出る人など、血栓症のリスク因子を持つ人も内服できません。
年齢とともに血栓症のリスクは上がりますが、40歳代でも他に血栓症のリスク因子がなければ、内服できます。

気になるピルのコスト…どれくらいかかる?

低用量ピルは自費と保険とで種類が分かれています。
自費の低用量ピルは避妊を目的としたピルで、保険の低用量ピルは月経痛などの月経困難症の軽減を目的にしています。
ただ、どちらでも同様の効果があり、自費の低用量ピルでも月経痛などが軽減しますし、保険の低用量ピルにも避妊効果があります(ただし、避妊に保険適用がないため、避妊についての臨床試験データはありません)。
避妊の臨床試験データがあるものが良いという場合は自費の低用量ピルを選ぶと良いでしょう。
保険の低用量ピルの多くは、エストロゲンの量をさらに抑えた超低用量ピルであり、血栓症のリスクが心配という場合は保険の超低用量ピルがおすすめです。
自費の低用量ピルの値段は医療機関によって異なりますが、1シート(1ヶ月分)2,000円台から3,000円台です。保険の低用量ピルは診療点数で値段が決まっているため、どの医療機関でも同じで、低用量ピルの種類により、再診料などを合わせて1シート1,000円〜3,000円程度になります。
医療機関に相談して、内服する目的やコストなどで種類を選ぶと良いでしょう。

低用量ピルは諸症状を緩和することでQOLを良くしたり、長期的なメリットも期待できるため、月経痛や月経不順など何か気になる症状があれば内服してみることをおすすめします。

執筆者

月城 沙美先生
医学博士
日本専門医機構認定産婦人科専門医
母体保護法指定医

福井医科大学(現 福井大学)医学部を卒業後、名古屋市立大学病院で研修、名古屋市立大学医学部大学院を卒業、複数の医療機関で勤務。
東京都内の婦人科や美容皮膚科でも経験を積み、2021年にレディクリニック名古屋伏見を開業し、2023年医療法人沙月を設立。
「安心・納得の医療を提供する」ことをモットーに、女性の健康増進に美容が助けになるという思いから、名古屋市に婦人科・美容皮膚科のレディクリニック八事山手通を令和5年11月11日に新規開院予定。

レディクリニック名古屋伏見
https://lc-nagoyafushimi.jp/

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