おしゃれの定番「カラコン」の使い方間違ってない?いわみ眼科 院長、岩見久司先生にカラコン選び・使い方について伺いました!
最近、人気というよりはおしゃれの定番になりつつあるカラーコンタクトレンズ。
愛用されている方も多いと思いますし、もうすぐ来るハロウィンのイベント用に準備されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
おしゃれ用アイテムになっているとはいえ、実はコンタクトレンズは医療機器です。
しっかり選んで、正しく使わないと、思いもよらないトラブルが起こってしまうことも…
あなたはカラコンをきちんと使えていますか?
いわみ眼科 院長の岩見久司先生にお話を伺いました。
カラーコンタクトレンズの基礎知識
カラーコンタクトレンズはおしゃれグッズとして若者を中心に使われています。
以前はカラーコンタクトレンズを含めて、コンタクトレンズは眼科での処方でしか手に入りませんでした。
その後、規制緩和が行われ、販売者が高度管理医療機器に関する講習を受けていればコンタクトレンズを販売可能になりました。
これにより、消費者は量販店やインターネットでの購入が可能になった経緯があります。
量販店やインターネットによる販売時にも、「正しい知識・使い方」を購入者に指導する必要があるのですが、実際のところそれらの指導は曖昧になっているのが現状です。
コンタクトレンズは目の粘膜に直接触れる高度医療機器であり、使い方を謝ると最悪失明の危険まであります。「正しい知識・使い方」をきちんと学んで、自分の目を守りながらおしゃれを楽しみましょう。
カラーコンタクトレンズの買い方
少なくとも初めてコンタクトレンズを買う場合は眼科で買いましょう。
その後も定期的に検診を受けながら眼科で処方されるのがベストです。
しかし、忙しいなどさまざまな理由で量販店やインターネットで入手する場合は、買おうとしているレンズが正しいレンズであることを確認する必要があります。
きちんとしたメーカーのものであれば、高度医療機器承認番号が記載されています。
これが無いものは、製造基準を満たさない恐れがあります。
以前はコンタクトレンズの表面に色をプリントしただけのようなレンズが販売されており、着色料による眼障害も報告されています。
現在、日本で販売されている製造基準を満たしたカラーコンタクトレンズはサンドイッチ方式といって色部分をレンズ素材で挟み込む形になっており、着用してもほぼ問題のない構造になっています。
承認を受けていないレンズの場合、これらの製造方法が良くないものである可能性も有るため、使用を避けましょう。
カラーコンタクトレンズの使い方
素材にもよりますが、コンタクトレンズ使用中は裸眼に比べて目への酸素透過性が低下することから、長時間の使用は目に負担をかけます。
長くても連続して12時間以内にしましょう。
また、おしゃれ用のカラーコンタクトレンズは付けたまま眠ることを想定していないものなので、きちんと外してから寝るようにしましょう。
付けたまま眠ると重度の酸欠になって粘膜がダメージを受けることや、コンタクトレンズが目に固着してとれなくなること、さらには雑菌の温床になり目の中に感染症を起こすことがあります。
1dayコンタクトレンズは使い捨てですのでレンズケアの必要はありませんが、2weekコンタクトレンズは洗浄などのケアが絶対に必要です。
また、レンズを使用し始めて2週間が使用期限なのであって、合計14日使えるというわけではありません。
そのため、使い始めた日をきちんと記録して使う必要があります。
また、用法用量を守っていても、アレルギー等、トラブルが生じることもあります。
痛みや違和感など、目に異常を感じればすぐに眼科受診をしましょう。
いかがでしたか?
今回はカラーコンタクトレンズについて伺いました。
「安いしかわいいから、高度医療機器承認番号ないけどこれでいっか」
「めんどくさいからこのままはずさず寝ちゃおう」
「もったいないから1dayだけど明日も使っちゃお」
こんな認識で使用して、生涯にわたる影響を受けてしまうことだってあるのです。
目にダメージを受け、視力に影響が出ることは誰だって避けたいはず。
医療機器を使用しているという意識をもって、正しく使ってください。
目を労わりながらおしゃれを楽しんでくださいね。
[執筆者]
岩見久司先生
いわみ眼科院長
加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などを得意とする網膜内科医。
網膜の病気に将来繋がっていく可能性のある小児の近視が現在急増しており、近視治療にも積極的に取り組んでいる。
令和5年度より、「100歳まで見える目」をたくさんの方が持てるように啓蒙活動も開始。
1日100人を超す外来をこなしながら、若手医師の教育や医師・医療関係者向けの講演も頻繁におこなっている。
大阪市立大学医学部卒
医療法人社団久視会 いわみ眼科理事長
眼科専門医
医学博士
兵庫医科大学非常勤講師