実はとってもメジャーなトラブルって知ってた?顎関節症についてみずた歯科医院理事長の楊義弘先生にお話を伺いました。

実は悩む人も多い顎のトラブル、顎関節症。
どんな症状があって、どんな治療をするの?
今回は、みずた歯科医院理事長の楊義弘先生にお話を伺いました。

実はメジャーな歯科疾患!顎関節症とは?

顎関節症は虫歯、歯周病と並んで三大歯科疾患のひとつであり、学校の検診の項目としても含まれている病気です。
顎関節症とは、顎の関節を構成する骨、筋肉、関節円板(繊維組織のまとまり)、靭帯などの異常によって痛みなどを生じる病気です。
分類としてⅠ型(筋肉の異常)、Ⅱ型(関節の異常)、Ⅲ型(円板の異常)、Ⅳ型(変形性顎関節症)があります。
主な症状としては、
・口の開閉で痛む
・口が開かない、開きにくい、閉じにくい
・口の開閉時に顎に音がする

といったこと挙げられます。
原因はさまざまで、
・歯並びや噛み合わせの悪さによる顎関節への負担
・ストレスなどによる筋肉の過緊張によるもの
・顎関節がもともと弱いといった構造上の問題
・外傷によるもの

などが考えられます。
また歯ぎしりや食いしばりといった日常生活の習慣や癖なども大きく影響しています。

気になる治療とは?

痛みの減少、顎機能などを回復させること、正常な日常活動を回復させることが治療の目標になり、歯科医院では先で述べた分類に合わせてさまざまな治療をおこなっていきます。
治療法を列挙していきます。
1)咀嚼筋のマッサージやストレッチをおこない筋肉をほぐし、口の開閉をしやすくします。
2)型取りをおこない、作製したマウスピースを装着(主に夜間)することで顎関節や筋肉を安静な状態にします。
3)薬物療法として解熱鎮痛薬の処方を選択することもあります。
4)ボトックス注射により、咀嚼筋のコントロールをおこない、噛みしめを少なくするといったことをおこないます。
5)レーザー照射により疼痛緩和や治療の促進を図ることをおこないます。
6)噛み合わせの悪い部分の歯を削合し、均等な噛み合わせに調整します。
7)生活指導をし、安静状態にできるように促します。

実は、上下の歯の接触時間は1日のうち約20分のみといわれています。
思っているより短くて、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
食事や会話の際に接触するだけで、通常、安静状態の際は唇を閉じていても、数ミリの隙間があるものなのです。

上記の治療をおこない、2週間〜3ヶ月程の経過観察の後に痛みなどの症状が改善されない場合はMRIやCT撮影といったより高度な医療連携を大学病院などの口腔外科とおこない、手術が必要になるケースもあります。
基本的には症状は時間経過とともに改善し、治癒していくことが多い疾患であるとこが示されています。
ですが、セルフケアを試しても症状が改善しない、日常生活に支障が出るほどの痛みや違和感があるなどといった場合は、早めに歯科医院にご相談ください。

[執筆者]

楊義弘先生
歯科医師
みずた歯科医院 理事長

略歴
日本歯科大学卒。
都内歯科医院勤務後、みずた歯科医院勤務開始。
2019年よりみずた歯科医院継承、理事長就任。
丁寧で正確な治療を心がけています。
患者さんのご希望に添い、必要な治療についてわかりやすくご説明いたします。
どうぞお気軽にご相談ください。

所属学会など
日本成人矯正歯科学会
日本メタルフリー歯科学会
日本小児歯科学会  所属

みずた歯科医院 ホームページ
https://www.mizuta-shika.com/

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