[2]え?放置しちゃいけない口内炎があるって本当?見分け方や予防方法について高谷秀雄歯科クリニック 高谷先生に伺いました。
小さな炎症ですが、口の中にできると、とっても不快で、QOLにも影響する口内炎。
実は、放置してはいけない危険な口内炎もあるのです。
また、日常生活で口内炎を防ぐ方法とは??
高谷歯科クリニック 院長の高谷秀雄先生にお話を伺いました。
危険な口内炎はある?見分け方は??
疲労やストレスなどが原因でおこるアフタ性の口内炎は一般的に10日程度で治癒しますが、なかなか治らない場合は、アフタ性口内炎ではなく、別の病気である可能性もあります。
口内炎が長期的に消えない、または何度も繰り返すという場合には、一度病院で診てもらうと安心でしょう。
水ぶくれのようなものができても痛みがなく、口内炎と間違えやすい疾患もあります。
1:口腔がん
口腔がんのなかで多くの割合を占める舌がんは、主に舌のふちに発症します。
患部はアフタ性口内炎に似ていますが、痛みがないため見落としがちです。
口内炎との違いは、患部に赤と白が混ざり、初期は痛みがなく、自然には治らないことです。
舌がんは早期発見が大切なため、早めの医療機関受診を勧めます。
2:白板症・紅板症
白板症はがんに変わってしまう可能性が高い、前がん病変と呼ばれる状態です。
口腔内の粘膜や舌、歯肉に見られ、白くただれていくためカンジダ性口内炎に似ていますが、白い膜はこすってもはがれず徐々に広がっていく場合もあります。
また、まれにあらわれる紅板症という前がん病変では舌などがあざやかな紅色になり、白板症よりもがん化しやすく、既にがんになっていることもあります。
口腔内の粘膜に白くただれたような状態が見られたときは、早めに受診しましょう。
3:粘液嚢胞
唇や頬粘膜には唾液腺といって唾液が出る腺があります。
この唾液腺から出る管が何らかの原因で詰まってしまうことによって起こるものを粘液嚢胞といいます。 症状は特になく下唇の内側に口内炎のような水ぶくれができるのが特徴です。
触れるなど刺激を受けると痛みのある口内炎とは異なり、あまり痛みがないのも特徴のひとつです。
潰してしまうと、再発を繰り返し徐々に増大してくるため、除去する際大変になってしまいます。
口内炎様の水膨れを認めた際は、自己判断せず、膨れた状態で医療機関を受診することを強くお勧めします。
口内炎ができたときはどうする?予防のためにできることはある??
疲労やストレスは免疫力を低下させるため、心身ともに休養を取り、疲れをためないようにすることが最も重要です。
さらに、口内炎になりにくい体をつくるためには、栄養バランスが重要となります。
栄養が偏ることで口内炎のリスクが高まります。
皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンCなどが不足すると、口内炎になりやすくなるといわれています。
口内炎予防のため、栄養バランスがとれた食事を心がけることが大切です。
以下、各栄養素を含んだ食材をご紹介します。
疲労やストレスの蓄積を感じたら、普段から取り入れてはいかがでしょうか?
●ビタミンB2:ブロッコリー、うなぎ、レバー等
●ビタミンB6:ささみ、大豆、マグロ等
●ビタミンC:レモン、イチゴ、ピーマン等
また、口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなるだけでなく、口腔内の免疫力が低下してしまいます。
水分補給を心がけ、唾液の分泌量が増えるように食事の際はよく咬むことを心がけましょう。
また、ガムを咬むと唾液の分泌が促進され有効です。
避けるべきものとしては喫煙、過度な飲酒です。
刺激のある食物の摂取は控えたほうが望ましいです。
[執筆者]
高谷秀雄(たかたに・ひでお)先生
歯科医師(歯科口腔外科)
医療法人雄愛会 高谷秀雄歯科クリニック 院長・理事長
[プロフィール]
「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。
専門は親知らずの抜歯・口腔癌等、歯科口腔外科全般。
審美歯科治療・インプラント治療も得意とする。
高谷秀雄歯科クリニック ホームページ
https://www.takatani-dental.jp