セデンタリーってなに?ダイエットしているのに痩せない秘密について。
ダイエットをしても失敗する・・・実は、意外な落とし穴がありました!
キレイを目指す女性の方で日々ダイエットに気を配っている方はたくさんいるでしょうし、そうでなくてもメタボやロコモ、血圧や血糖値を気にしてダイエットを常に意識しているという方は多いのではないでしょうか。
食べ過ぎ・飲み過ぎによるカロリー過多が太る原因と思い、食べる量を減らし、カロリーをコントロールしているのになぜか太ってしまう…という方、いらっしゃいませんか?
あなたがなかなか痩せられない原因は、もしかすると「セデンタリー(Sedentary)」にあるかもしれません。
今日は、「セデンタリー」というちょっと耳慣れない言葉をテーマにお話ししたいと思います!
「カロリー過多=太る」じゃない?!セデンタリーとは
セデンタリーとは、「体をほとんど動かさずにじっとしている状態」のことを指します。
座ったままパソコンに向かっているとき・テレビを見ているとき・スマホをいじっているとき…などがコレに当てはまります。
実は、最近の調査により、この「セデンタリー」が肥満と大きくかかわっていることが分かったのです!
NHANES(米国健康栄養調査)によると、1988年から2010年にかけ、米国人の平均BMIは0.37%ずつ増加し、腹囲も0.3%前後増加しているという結果が出ました。
しかし、驚くことにこの期間、米国人の摂取カロリーと栄養素のバランスはほとんど変化していませんでした。
それに対し、余暇にほとんど体を動かさない人の割合は男性で11.4%→43.5%に、女性は19.1%→51.7%と大きく増加!
さらに結果を分析すると、余暇に体を動かさない女性は、アクティブな女性に比べてBMIが8.3%も高いという結果になったのです。
BMI8.3%の差というと、身長が同じ158cmの女性の場合、体重差は4kgほどになります。
ダイエットというと、カロリーの抑制ばかりを意識してしまいがちですが、体を動かすことがいかに重要かわかりますね。
通勤の際の歩く時間を増やす、自転車を使う、階段を使う、または家事を一生懸命おこなう、簡単な体操やストレッチを取り入れるなど、日常生活の中で上手に体を動かすようにしましょう。
英国での調査によると、車通勤をしている方よりも公共交通機関や自転車、徒歩で通勤する人の方がスリムであるという傾向で、BMIも1ほど低いそうです。
自然に長く続けられる運動を積極的に取り入れていきたいですね!
セデンタリーによりがんのリスクも上がり、美容にも悪影響?!
肥満の原因となるセデンタリーですが、それだけではなく、がんの発症リスクを上げるという研究報告もあります。
セデンタリーな時間が最も長いグループは、最も短いグループに比べ結腸がん・子宮体がん・肺がんの発症率が20~30%も高くなってしまうのです。
また、セデンタリーに過ごす時間が1日に2時間増えるにつれ、上記のがんの発症リスクも10%前後上昇。
専門家によると、セデンタリーは発がんと関連のある炎症の指標であるCRPやIL-6、さらには酸化ストレスを増加させるそうです。
酸化ストレスは老化にもかかわりがあることは、皆さんご存知ですよね?
セデンタリーは美容にも悪影響を及ぼすのですね。
ダイエットや美容を意識して、カロリー過多ばかりを気にしている方は、体を動かすことにも意識を向けると、あなたの『キレイ』もぐっとアップするかもしれません!
また、「私は毎週スポーツをしているから大丈夫!」という方も、注意が必要です。
実はスポーツを定期的におこなっていたとしても、普段セデンタリーな生活を送っている場合、悪影響は同じように表れてしまうのです。
運動をしているからといって、セデンタリーによる悪影響を相殺できるというわけではない、ということは肝に銘じておきましょう。
仕事から帰ると、毎晩座ってぼんやりとテレビを見る、というのが習慣になっている方は、注意してくださいね。
「セデンタリー」は実は、最近使われるようになった言葉ではなく、WHO(世界保健機関)が2002年には「セデンタリーな生活が喫煙や乱れた食生活同様に悪影響を及ぼす」と問題視しています。
近年は健康に対する意識が高まり、煙草を吸う・大量にお酒を飲む・高脂肪な食事を摂るといった、自らがおこなう積極的な行動は避ける方も多いと思いますが、「体を動かさない」ということについては、なかなか自覚がないだけに厄介です。
リモコン操作にパソコン・スマホなど、便利なものが増え、座ったままでできることが増えてしまった現代ですが、太古では狩猟しながら暮らしていたことを考えると、人間は基本的に動いて生きるようにできているといえます。
便利さと引き換えに、健康を失ってしまっては元も子もありませんよね。
1日に5分のランニング(早歩きでもOK)でも効果があるといわれています。
日常に体を動かすことを取り入れて、セデンタリーな生活をストップしましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]