気になる冷え。日常のちょっとした工夫で改善できます。薬剤師の視点から『温活』についてお伝えします!

体の冷えが気になる季節。
冷えからの不調に悩まされていませんか?
薬剤師で健康アドバイザーでもある箕浦雅子さんに温活についてお話を伺いました。

冷えは万病のもと

「冷えは万病を招く」と言われるほど、冷えは健康に多くの悪影響を及ぼします。
しかし、「冷え」の感覚は人それぞれ異なり、皮膚が冷たく感じる人や、寒い暑いを繰り返す人、しもやけ症状が出る人、夜に冷えて眠れない人など、症状は多岐にわたります。
冷えは病気とまではいかない悩みとして捉えられがちで、病院での相談をためらうケースも少なくありません。
ですがこれらの悩みは東洋医学で説明することが出来ることもあります。
冷えがつらいときは、放置せず漢方診療科や東洋医学科などの診療科を受診するのもおすすめです。
日常のちょっとした工夫でも解決できますので冷えの改善は必ず取り組んでおきましょう。

冷え性の様々な原因を分析

冷え症にはさまざまな原因が考えられます。
1:血行不良や低血圧
体の隅々まで血液が行き渡らないと、手足など末端部分が冷えやすくなります。
血液循環が滞ると、体温調節も不十分になります。
2:自律神経の乱れやホルモンバランスの変化
特に女性に多いこの要因は、月経周期や妊娠、更年期といったホルモン変化が背景にあります。
自律神経の不調により体温を一定に保つ機能が乱れることも冷え性の一因です。
3:栄養不足やストレス
食生活の乱れや精神的ストレスが冷え性の原因となる事もあります。
ストレスは特にビタミンやミネラルの消費を多くしますので、これらが不足することで体温調節が難しくなります。
4:服装や環境の不適応
過度の薄着やエアコンによる冷気は、体を冷やす大きな要因です。
冬場の素足やミニスカートは特に下半身を冷やし、冷えを促進させてしまいます。
5:病気の可能性
冷え性は、自律神経失調症や甲状腺機能低下症、貧血、低血圧、糖尿病などの症状の一部として現れることもあります。
この場合は専門医の診断が重要です。

女性の冷えは特に注意が必要

女性は男性に比べて筋肉量が少なく、基礎代謝が低いことから冷えやすい傾向にあります。
さらに、子宮や卵巣といった生殖器官が骨盤内にあるのは、冷やさない為でもあると考えられます。足元を冷やし、冷えた血液が子宮を冷やしてしまうことで生理痛や月経不順、不妊症の原因になることもあります。
温熱療法の研究では、足元から体を温めることで血流が改善し、これらの症状が緩和されるという報告もでています。

冷え性を改善するための具体的な方法

冷え性改善には、生活習慣を見直し、体を内側から温めるアプローチが重要です。
1:環境の調整
夏場のエアコン設定は26~28℃を目安にし、冷気が直接体に当たらないように心がけます。
オフィスや外出時には薄手のカーディガンやストールを活用し、「三首」(首・手首・足首)を重点的に温めましょう。
2:食事の工夫
体を温める食材を積極的に摂り入れます。
・おすすめの食材:生姜、根菜類、鶏肉、南瓜、ネギなど。
・飲み物:冷たいものを避け、生姜湯やハーブティー、黒焼き玄米茶などがおすすめです。
3:適度な運動
軽いストレッチやウォーキングは筋肉のポンプで血流を促進し、冷え改善に役立ちます。また、ヨガやピラティスなど体幹を鍛える運動も効果的です。
4:お風呂の習慣
シャワーだけで済ませず、湯船にゆっくり浸かることで体を芯から温めましょう。
38~40℃程度のぬるめのお湯で15~20分入浴するのが理想です。
5:リラクゼーションと睡眠
規則正しい生活リズムや十分な睡眠、リラクゼーションは、自律神経を整えるためには大切な事です。
深呼吸や瞑想、アロマテラピーなどのリラックス法を取り入れるのも良いでしょう。
6:血行促進の方法
・ツボ押し
冷え性に効果的な代表的なツボとして、足の「三陰交」や「湧泉」「足三里」、手の「合谷」、おへその下あたりの「関元」などがあります。
温めた手で優しく押すといいでしょう。
・足湯
足首からふくらはぎの下あたりまで温められたら理想的です。
38~42℃くらいのお湯に10~20分入れておくと体全体が温まってきます。
就寝前に行うとリラックス効果と冷え改善が期待できます。
・ふくらはぎのマッサージ
就寝前や入浴後のリラックスした状態でふくらはぎをマッサージすることで末端まで血流が促進され、体が温まります。
マッサージによって筋肉がほぐれるとその働きが向上し、冷え性の改善に繋がり、特に女性にとって大切なケアになります。

冷え性改善のための継続が大切

冷え性は日々の習慣による影響が大きいといわれています。
生活環境や食事、運動、リラクゼーションをバランス良く取り入れることで、冷え性の改善が期待できます。
自分に合った方法を見つけ、無理なく続けることが冷え性改善の鍵となります。
女性にとって冷えは美容と健康の大敵です。
日常生活を見直し、体を冷やさない工夫をしていきましょう。

執筆者

箕浦 雅子
日本古来の「食養」を基に、現代人の不調を立て直す!にこにこマークのママ薬剤師!
株式会社Reblood 健康アドバイザー
株式会社健将 代表取締役社長
株式会社健将ライフ 代表取締役社長
株式会社日輪光瑠璃薬局 代表取締役専務
薬剤師、食養アドバイザー、学校薬剤師

チョコレート嚢胞(子宮内膜症)破裂により両卵管を一部切除。
子どもは望めないと言われるも、自然妊娠にて3人の子供を授かる。
両親の影響で子どもの頃より食養に触れていたが、この入院をきっかけに真剣に学ぶ。
様々なセミナーや書籍を通して人生哲学を学ぶなか、
易経に出会い、今までの学びと食養の関係が腑に落ちる。
学校薬剤師として小学校でお酒とたばこの話や薬物乱用教室を行う。
食の大事さ、子育ての楽しみ方、夫婦円満の秘訣などリクエストに応じた演題でセミナーも随時開催。

株式会社Reblood
https://www.saga-fukuoka.com/

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