ヘアカラーとヘアマニキュアの違いは何?選ぶポイントは「目的」と「仕上がり」!

今やファッションに欠かせない存在となったヘアカラー。女性の約8割が髪の毛を染めているという調査結果もあるほど(今や常識??ヘアカラーやパーマの使用実態~リサーチレポート~)。店頭にはさまざまな種類のヘアカラーリング剤が並んでいて、どれを選んでよいのか迷ってしまいますよね。更には「ムラができた」「白髪が染まらなかった」「逆プリンになった」と、失敗とも隣り合わせ。そんなヘアカラーリング剤も染まる仕組みや、使い方、ケアの方法をマスターすればもっと賢くオシャレで美しい髪を手に入れられるのではないでしょうか。

ヘアカラーリング剤の種類と特徴


まずは目的と仕上がりに合わせて、ヘアカラーリング剤を選べるようになることがポイントです。ヘアカラーリング剤には、ブリーチ、ヘアカラー、ヘアマニキュア、カラースプレーなどさまざまな種類があり、薬機法上、医薬部外品と化粧品の2つに分けられています。私たちがヘアカラーと呼んでいるものは、市販でも美容院でも概ね医薬部外品の「酸化染毛剤」を指すことが多いです。また化粧品タイプのものは、主にヘアマニキュアやヘアカラースプレー、最近ではヘアカラートリートメントと呼ばれ、それぞれに用途や目的、使い方が違います。
それぞれの染毛のしくみや特徴はさまざまで、使い方や色持ちなども違います。また、黒髪用、白髪用と、用途に合わせて選ぶポイントもありますので、まずはひとつずつポイントのみご紹介していきたいと思います。

■ヘアカラーリング剤の種類と分類

「医薬品医療機器等法」区分 カテゴリー名称 種類 通称
医薬部外品 永久染毛剤 酸化染毛剤 ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染め
非酸化染毛剤 オハグロ式白髪染め
脱色剤・脱染剤 ヘアブリーチ
化粧品 半永久染毛料 ヘアマニキュア、酸性カラー
カラーリンス、カラートリートメント
一時染毛料・毛髪着色料 ヘアカラースプレー、ヘアマスカラ、カラースティック

※注:薬機法上の区分に応じて医薬部外品を「染毛剤」、化粧品を「染毛料」と区別しています。
(引用)日本化粧品工業会公式HP

白髪をしっかり染めたい、髪色を変えて長持ちさせたいなら「永久染毛剤」(ヘアカラー・白髪染めなど)!

医薬部外品に分類され、染色力や色持ちが最もよいとされるヘアカラーリング剤が永久染毛剤です。皆さんが「ヘアカラー」「白髪染め」といって使っているものはほぼこの永久染毛剤、特に酸化染毛剤と呼ばれるものを指し、髪色や明るさを自分の理想どおりに仕上げることができます。大きな特徴はアルカリ剤や酸化剤が配合されていることで、髪の毛のメラニン色素を酸化して脱色(黒髪を明るい色に)する働きと、髪を染める働きの二つがあります。基本的に1剤と2剤を混ぜて使うタイプのものが一般的で、1剤に含まれるアルカリ剤が髪を膨潤させ、有効成分である酸化染料と、2剤に含まれる過酸化水素が髪の内部に浸透します。過酸化水素がメラニンを脱色するとともに、髪に浸透した染料を酸化します。染料が酸化して、染料同士が結びつく(酸化重合)ことで発色するため、髪内部に留まりやすく色持ちも2~3ヶ月と長期的に持続するのです。
明るい白髪染めや、変えた髪色を長く楽しみたい方は酸化染毛剤がおすすめということですね。自分で選ぶ際に酸化染毛剤かどうかわからない方は、製品の裏面をみて「酸化染毛剤」という表示を参考に探してみるとよいでしょう。
ただし、体質や皮膚状態によってはかぶれを起こしてしまうことがあるため、酸化染料を使用する染毛剤では毎回必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をおこなってくださいね。

自然な色合いを与えたい方には「半永久染毛料」(ヘアマニキュア・カラートリートメントなど)!

半永久染毛料は化粧品に分類され、酸性カラー、ヘアマニキュア、ヘアカラートリートメントなどと呼ばれています。酸化染毛剤(ヘアカラー)とは違い、黒髪を明るくすることはできませんが、髪の毛に色をつけることができます。色持ちはヘアマニキュアだと約2~3週間、ヘアカラートリートメントだと約1~2週間で、シャンプーのたびに徐々に色が落ちて元の髪色に戻ります。髪にもやさしく傷みにくいため、髪のダメージが気になる方や、白髪に自然な感じの色をつけたり、黒髪にほんのりニュアンスを加えたりして楽しみたい方におすすめです。色落ちのケアとして定期的に使用するといつもきれいな髪色を保つことができますので、髪色メンテナンス用として取り入れるのもおすすめです。
パッチテストは必要ありませんが、ヘアマニキュアに配合されている酸性染料は、頭皮や手肌につくと、なかなか落ちませんので家で染める場合には説明書をよく読んで準備してくださいね。

今日だけ髪色を変えたい、白髪を一時的に隠したいときは「一時染毛料(ヘアスプレーなど)」!

カラースプレー、ヘアマスカラ、カラースティックなど、さまざまなタイプの商品が存在する一時染毛料。顔料などの着色剤を髪の表面に付着させ、一時的に着色するもので、一回~数回のシャンプーで色落ちします。一日だけ髪を黒くしたいときや、根元の白髪を手軽に隠したいなど、一時的に髪に着色したい場合や部分的に手軽に着色したい場合に使います。かぶれや髪の傷みはほとんどありませんが、汗や雨などで色落ちし、衣服を汚すことがありますので注意しましょう。

黒髪を明るくしたい、染めた色を落としたいときは「脱色剤・脱染剤(ヘアブリーチなど)」!

脱色剤・脱染剤は医薬部外品に分類され、髪のメラニン色素を分解する脱色剤(ヘアブリーチ)と、染めた酸化染料などの色素を抜くことを目的とする脱染剤とに分けられます。髪の色を明るくしたいときや、以前のヘアカラーで染めた色を落としたい(脱染)時におすすめですが、髪を傷めやすいので、使用した後はいつもよりヘアケアをていねい且つ十分におこないましょう。酸化染料が配合されていないため、染料によるかぶれはありませんが、過硫酸塩を配合したものは、体質や皮膚状態によってはかぶれを起こしてしまうことがあります。もしもかぶれが起きたらすぐに使用を止め、薬剤を洗い落とし、肌に異常が見られるときは、皮膚科医を受診しましょう。

一言でまとめられてしまいがちなヘアカラーリング剤ですが、同じカラーリング剤でもさまざまな種類があり、髪への作用、染色方法などにより分類されているのです。それぞれ染まり方や色持ち、使い方、使用上の注意などが異なるので、カラーリング剤を選ぶときに知っておくと、より理想的なヘアスタイルへ近づくのではないでしょうか。是非参考にしてくださいね。

(キレイ研究室研究員:西川)

関連記事一覧