ハワイで日焼け止め規制法が成立!いったい何がいけないの?

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今年の7月3日、米国ハワイ州知事のDavid Ige氏が、オキシベンゾンとオクチノキサートを含む日焼け止めの販売や配布を禁止する法律に署名をしました。
https://www.capitol.hawaii.gov/session2018/bills/SB2571_.HTM
上記2成分が、珊瑚を白色化させ、海洋無脊椎動物(ウニなど)や脊椎動物(魚や甲殻類、哺乳類など)の発生や生育への影響の示唆およびハワイの沿岸水域を継続的に汚染させるとして、サンゴ礁などの海洋生態系の保護を目的に5月には法案がハワイ州議会を通過していました。
今回挙げられたオキシベンゾンとオクチノキサートとはどんな成分なのでしょうか?
また、この法案の成立が日本や欧米などに波及する可能性はあるのでしょうか?

日焼け止めには必須の成分?

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両成分は、紫外線吸収剤としてさまざまな日焼け止めに配合されているポピュラーな成分です。

表示名称 説明 安全性
オキシベンゾン オキシベンゾン-3 ベンゾフェノン系と呼ばれるベンゾフェノン誘導体。UVBからUVAまで吸収波長領域を有する紫外線吸収剤 皮膚刺激性・目刺激性はほぼなし。若干の皮膚感作(アレルギー)が報告されている
オクチノキサート メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 油溶性で、UVBの吸収能の高い紫外線吸収剤 皮膚刺激性・目刺激性・皮膚感作ともにほぼなし

どちらもポジティブリストに記載され、配合量に制限はありますが、逆にいうと規定された配合量の範囲内では安全性が確認されているともいえます。
実際、紫外線防御効果の高いメトキシケイヒ酸エチルヘキシルは、日本で最もポピュラーな紫外線吸収剤となっています。
今回対象となったオキシベンゾンもオクチノキサートも、海洋環境への影響を懸念されたためであり、人体への影響に対するものではない、というところも今回の大きなポイント。
実際に両成分が環境にどれぐらいの影響を与えるのか、はっきりとわかっていないのです。
今回の法案の根拠とされた論文も、Haereticus Enviromental Laboratoryのおこなった調査に大きく依存しており、英国サウザンプトン大学のサンゴ礁研究所なども、日焼け止めの使用禁止は異常気温や魚介類の乱獲、海岸線の浸食といった珊瑚に関する諸問題を解決するものではないとコメントしています。
また、オキシベンゾンに関しては、欧州では配合量規制を強化(サンスクリーン剤で10%→6%へ)はしましたが、禁止までには至っていません。
これらを含む日焼け止めを禁止することで、海水浴客や漁業関係者の皮膚がんのリスクが高まるのでは、という懸念の声が上がっているのも事実。
サンスクリーンメーカーの団体も、「太陽からの有害な影響に対する安全かつ効果的製品を除外することになる」として、異議を唱えているのが現状です。

今後の日焼け止めのトレンドはどうなる?

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本法により、ハワイでは2021年1月よりオキシベンゾンとオクチノキサートを配合した日焼け止めの化粧品は販売が禁止されます。
もちろん、ハワイで日焼け止めの販売が禁止となるわけではなく、いわゆる『ノンケミ』と表され、紫外線散乱剤と呼ばれる無機物紛体(酸化チタンや酸化亜鉛)を使用したタイプのものなどは引き続き販売されます。
また、今回成立した法律では、観光客の持ち込む日焼け止めまでは規制されないため、お気に入りの日焼け止めを使用したい場合、日本から持っていくことは可能です。
現に、日本からハワイに行かれる多くの方は、自分の肌に合ったタイプのものを持っていくという方が多いのではないでしょうか?
そのため、この法律にどの程度の観光保護効果があるのか懐疑的な面も多く、今後持ち込みまでの規制がおこなわれるのか、ハワイ以外にも波及する可能性があるのかは引き続き気になるところ。
また、紫外線吸収剤を使用しないノンケミタイプの日焼け止めは、ウォータープルーフ効果が高いものをつくるのが難しい傾向があります。
今後、ハワイではUV効果のあるラッシュガードやトレンカなどを着用して、ほぼ肌の露出をしないで泳ぐ方が増えるのではないでしょうか。
「ハワイ=ビーチでビキニ」のイメージも、これから先は廃れていくのかもしれません。
少しさみしい気もしますね!

利便性と環境保護の両立は、難しいもの。
今回ハワイから始まった新たな流れがどうなるかはわかりませんが、便利さや快適さばかりを追い求めるのではなく、自然や環境といった面からも使う商品を選ぶ時代になってきたのではないでしょうか?
最近は、スターバックスやマクドナルドといった大企業が、マイクロプラスチックによる海洋汚染の点からプラスチックストローの廃止などを発表しています。
このような流れの中で、私たちも身につけるものや使用するものを選ぶ際には、さまざまなことを考える必要がありそうです。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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