肌や髪も疲れるって本当?おすすめのスキンケアについてクリニック院長の中澤先生に伺いました

夏の強い紫外線、汗・皮脂、冷房による乾燥、屋内外の寒暖差は、肌と髪に『見えない疲れ』を蓄積させます。
今回は、夏のダメージが蓄積された肌や髪の秋のケアについて、なかざわ腎泌尿器科クリニック院長の中澤佑介先生にお話を伺いました。

夏が肌や髪に与える代表的ダメージとは

光老化(photoaging)
紫外線A波(UVA)・B波(UVB)はコラーゲン分解酵素(MMP)を誘導し、しわ・たるみ・色むらの主因に。
屋外の直射日光だけでなく、窓ガラス越しのUVAも到達します。
バリア機能低下と乾燥
低湿度の室内や冷房環境は角層水分量を低下させ、バリア機能(TEWL:経表皮水分蒸散量の上昇)を悪化させます。
色素沈着(シミ・肝斑・炎症後色素沈着)
紫外線・摩擦・にきび後などの炎症でメラニンが過剰に残ると目立ちます。
糖化(AGEs)
過剰な糖質や高血糖はコラーゲンの硬化(架橋)を進め、黄ぐすみ・弾力低下に関与。
キューティクル損傷・色褪せ
紫外線や海水・塩素で脂質(18-MEA)やたんぱくが失われ、ツヤ低下・パサつき・枝毛、染毛の退色が進みます。

秋におすすめの『今すぐ』スキンケア

秋にぜひ意識していただきたいスキンケアについて、ご紹介します。
1)洗いすぎをやめる
朝は『ぬるま湯+やさしい洗浄』で十分。
夜はメイク・日焼け止めのみ丁寧に落とし、W洗顔は必要なときだけ。
2)保湿の要は「水分+油分+バリア補充」
入浴直後3分以内に、ヒアルロン酸・グリセリン等が配合された保湿剤を塗布し、セラミドやワセリンなどが含まれた油剤などで密封しましょう。
乾燥が強い部位は尿素(低濃度)やセラミド配合のクリームで重ね塗り。
3)日焼け止めは『秋冬も』継続
屋外だけでなく日中の窓際・車内でもUVA対策を。毎日使用で光老化の進行を抑える臨床試験があります。
4)色むら・くすみケアにおすすめな成分
・ビタミンC外用(アスコルビン酸/誘導体)は光老化・色素沈着のケアに有用という報告があります。
・レチノール(ビタミンA誘導体)は細かいしわ改善に有効。
ただし刺激性があるため低濃度から夜のみ、日中は日焼け止め必須。
・ナイアシンアミド/アゼライン酸などは炎症後色素沈着のケアに使われます。
5)こすらない・摩擦レスを意識して
タオルで押し拭き、クレンジングは短時間。枕カバーは清潔&滑らかな素材に。

受診・美容医療の目安
ただのシミ・・・と思っても、急に濃くなったり形がいびつになったりしたシミは、早めに受診しましょう。
また、ニキビなどの吹き出物も、出血しやすい場合は一度皮膚科で鑑別することをおすすめします。
肝斑のケアも、受診がおすすめ。
まずは外用+日焼け止め+摩擦回避が基本となります。
レーザーは医師の診断下で適応を吟味してもらいましょう。

秋に向けた『今すぐ』ヘアケア

1)紫外線対策と湿潤ケア
外出時は帽子・日傘などで紫外線から髪を守りましょう。
洗髪後はコンディショナー/ヘアマスクでキューティクル補修を。
ドライ前には、ヒートプロテクト機能を持つオイルやミルクでケアするのがおすすめ。
2)プールの後は速やかにリンス
ジムで泳がれる方も多いと思います。
スイミング後は真水でよくすすぎ、コンディショナーでpH・油分を整えるようにしましょう。
3)色が抜けた、手触りが悪い・・・『切るしかない?』
「退色=切る」は必須ではありません。
トリートメントやカラー補正で、手触りやツヤは改善が可能です。
枝毛・裂毛は物理的断裂なので、ケアで修復することはできません。
先端トリムが有効となります。

ダメージ回復を助ける栄養を摂ろう!

夏のダメージ回復に、秋は以下の栄養素を積極的に摂るようにしましょう。
・たんぱく質:肌のコラーゲン・髪のケラチンの材料となります。
主菜(魚・卵・大豆・肉)を毎食目安に。
・鉄・亜鉛:びまん性脱毛や薄毛で不足時の関与が示唆されています。
不足がある場合に補充で改善されるとの報告もあるので、意識的に摂取しましょう。
・ビタミンC・E、カロテノイド:抗酸化・紫外線ダメージの抑制に寄与します。
・必須脂肪酸(リノール酸/α-リノレン酸、オメガ3):皮膚バリアを支える皮脂や角層脂質の材料となります。
・ビオチン:ビタミンB群に属する水溶性のビタミンです。欠乏時のみ有効です。健常者へのroutineサプリは一貫した効果なしというレビューもあります。
・血糖管理:糖化(AGEs)を抑える観点から、間食の砂糖量を控える・食事は順番(野菜→たんぱく→主食)などが有用との報告があります。
野菜の摂取にもつながりますので、べジファーストを意識して食べてみましょう。
・食品例:魚(DHA/EPA)、牡蠣・赤身肉(鉄・亜鉛)、大豆・卵(たんぱく質)、パプリカ・柑橘(ビタミンC)、ナッツ・オリーブ油(ビタミンE)、緑黄色野菜(βカロテン)。

季節の『あるある』ℚ&A

ℚ1.夏にシミ・しわが増えた気がする。今すぐできることは?
A:毎日の日焼け止め再開(/継続)+保湿強化+ビタミンC外用。必要に応じて夜は低濃度レチノールを追加。数週間で『手触り・艶・化粧のり』から改善が実感されやすいです。
ℚ2.在室時間が長くても対策は必要?
A:はい。窓越しのUVAと空調による乾燥は室内でも対策が必要。室内保湿・加湿、日中は窓際での紫外線も意識を。
ℚ3.美容クリニックでできることは?
A:肝斑やPIHには外用(ハイドロキノン、トラネキサム酸、アゼライン酸等)+光防御が基本。レーザー・ピーリングは医師が炎症悪化リスクを踏まえ適応判断します。
ℚ4.髪色が抜けた。切る以外に方法は?
A:トリートメントやヘアマスク、紫外線対策、低温ドライで手触りと艶を回復。枝毛はカットでリセット、その後は熱・紫外線・摩擦の三重対策を。

6)今日からのチェックリスト(保存版)
・朝:日焼け止め/帰宅後:やさしく落とす
・入浴後3分以内に「化粧水→乳液/クリーム(セラミド系)」
・窓際・車内でもUV対策(UVA)
・帽子・日傘・サングラスで『物理ガード』
・ドライヤーは中温、毛先はヘアオイルで保護
・タンパク質と鉄・亜鉛を食事で確保、間食の糖は控えめ

注:本記事は医師監修のもと、学術論文・ガイドラインを根拠に作成しています。特定の企業・商品を推奨しません。妊娠・授乳中、皮膚疾患のある方、内服中の薬がある方は自己判断で新規成分の使用を始めず、医療機関でご相談ください。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

執筆者

中澤佑介(なかざわ ゆうすけ)先生
金沢医科大学医学部医学科卒業。
「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。
2024年9月、JR金沢駅前に金沢駅前内科・糖尿病クリニック(https://kanazawa-naika.jp/)を開院。

なかざわ腎泌尿器科クリニック
https://www.nakazawa-cl.jp/

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