[前編]スムージーにも「おすすめな組み合わせ」と「おすすめしない組み合わせ」があるって本当?

朝ごはんは、旬の果物や野菜を使ったスムージーでキマリ!という方も多いのではないでしょうか?
寝起きでも摂取しやすく、栄養価も高いスムージーは、朝ご飯にぴったりのメニューですよね。
美味しいスムージーですが、実は、『より確かな効果を得るための組み合わせ』と、もしかしたら『効果が減ってしまう組み合わせ』があるのです。
前編では、どうしておすすめの組み合わせとそうではない組み合わせがあるのか、ポリフェノール摂取するという観点からお伝えします!

組み合わせによっては体内濃度が84%も減少??PPO活性について

りんごやバナナ、モモなどの皮をむいて切った後、放置しておくと茶色くなってしまいますよね?
これは、ポリフェノール酸化酵素(PPO)という酵素が、それらの果物に含まれるポリフェノールを酸化させることによって起こります。
ポリフェノールが酸化してしまうことで、一部の栄養素は失われると考えられます。
そのため、果物を食べるとき、ポリフェノールの持つ抗酸化力などを最大限得たいという方は、塩水などにつけて変色を防ぐか、カットした後時間を置かず、茶色くなる前に食べましょう。

多くの果物やお茶、カカオなどにはプロシアニジンなどのポリフェノールが多く含まれていますが、ポリフェノールは抗酸化力が高く、近年健康へのさまざまな効果が期待される成分。
中でもフラバノールは、脳や認知機能、血管などへの効果が報告されています

フラバノールが豊富な果物と、PPO活性が高いバナナを一緒に摂取すると、フラバノールの吸収や体内での働きにどのような影響があるのか、カリフォルニア大学でおこなわれた研究結果についてお話しします。

この試験では、被験者を以下の2群に分け、スムージー+フラバノールのサプリメントを摂取してもらいました。
コントロール群はフラバノールのサプリメントのみを摂取しました。

(1)PPO活性が高いバナナでつくったスムージーを飲む群

(2)PPO活性が低く、フラバノールが豊富なミックスベリーでつくったスムージーを飲む群

飲用後、血液や尿を分析し、体内のフラバノール濃度を測定したところ、(1)のバナナスムージーを飲んだ群は、コントロール群に比較すると、84%も体内のフラバノール濃度が低いことが分かりました。
PPO活性の低い(2)のミックスベリーのスムージーを飲んだ群では、体内のフラバノールの濃度はコントロール群と比較しても大きな変化はありませんでした。

つまり、せっかく体のためにフラバノールを摂取したとしても、PPO活性の高い素材と合わせると、体内での濃度が低くなってしまうのです(出典:Food Funct. (2023), Impact of polyphenol oxidase on the bioavailability of flavan-3-ols in fruit smoothies: a controlled, single blinded, cross-over study, DOI: 10.1039/d3fo01599h)。

いかがでしょうか?
後編では ポリフェノールを効果的に摂取したい人におすすめの組み合わせについてお話しします。

[執筆者]
船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士一般指導員
・健康管理能力検定1級

[監修]キレイ研究室編集部

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