慢性疲労症候群って知ってる?対策についてクリニック院長の鳥越先生にお伺いしました

寝ても覚めても疲れが取れない・・・慢性的な疲労感に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
どうして疲れが取れないの?どうすれば楽になれる??
今回は健康塾クリニック院長の鳥越勝行先生にお話を伺いました。

疲れがずっと残る・・・慢性疲労症候群とは?

6か月以上続く強い疲労感が主な特徴で、休んでも回復しないのがポイントです。
日常生活や仕事に支障をきたすほどの疲労が続き、他の病気では説明できない場合に診断されます。
以下のような症状が複数見られます。
・強い倦怠感(休んでも回復しない)
・集中力・記憶力の低下(ブレインフォグ)
・睡眠障害(不眠・過眠)
・頭痛、筋肉痛、関節痛
・喉の痛み、リンパ節の腫れ
・微熱、脱力感
当てはまる・・・と思われる方も多いのではないでしょうか。
慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)となる原因は、実はまだ完全には解明されていません。
CFSの病因や危険因子として遺伝子,感染,心理的ストレス,幼少期の虐待・ネグレクトなどが挙げられています。
CFSの有病率は0.3%で、主に20-40歳で発症し、女性が男性の2-3倍多いと報告されています。

慢性疲労症候群の治療と対策

CFSには「これで治る!」という特効薬はありませんが、以下のような総合的なケアが有効とされています。
1.生活習慣の見直し
睡眠:規則正しい生活、電子機器の制限
運動:軽いストレッチやウォーキング(無理は禁物)
2.心理的サポート
カウンセリング
ストレス管理
3.補助療法
漢方薬(補中益気湯など)
サプリメント
4.医師との連携
定期的な診察
他の病気との鑑別(甲状腺疾患、うつ病など)
必要に応じて専門外来へ紹介

今後の展望

慢性疲労症候群は「気のせい」ではなく、体と心の両方に関わる複雑な病気です。
無理せず、少しずつ改善を目指すことが大切です。
もしご自身やご家族が「疲れが取れない」「日常生活がつらい」と感じているなら、まずは内科を受診してみることをおすすめします。
決してご自身の「やる気がない」「頑張りが足りない」などではありませんので、一緒にケアしていきましょう。

執筆者

鳥越勝行先生
健康塾クリニック院長

大学卒業後はトヨタ自動車に入社し、忙しく充実した日々を送っておりました。
そんなあるとき、医師として活躍する兄弟の姿を見て一念発起し、社会人から名古屋大学医学部に入学。
循環器内科で心臓カテーテル治療を専門に仕事をする中で、医師としてこれからも情熱を持って仕事をしていくために大切なことを考えてきたとき、患者様が日常生活から健康的に楽しく生きていけるようにサポートしていきたいと思ったのです。
地域の皆様が安心して生活できるように内科一般や小児科、発熱外来等の診療科を設けることはもちろん、日常生活における不安は何でも相談できる場所をつくりたいと考えました。
医師として専門的なアドバイスは勿論、私自身が筋トレにずっと取り組んできたため最適な運動療法から食事療法まで日々の診療の中でお伝えし、健康づくりをサポートしていきたいと考えて、開院いたしました。

健康塾クリニック
https://kenkoujuku-cl.com/

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