• HOME
  • 記事
  • コラム
  • 雨や台風の日の憂鬱、体調不良…。原因は“気圧と自律神経”にありました!

雨や台風の日の憂鬱、体調不良…。原因は“気圧と自律神経”にありました!

雨の日や台風が近づくと、なんだか「だるい」「やる気が起きない」「眠くなる」・・・。
これらは日ごろ感じる“なぜだろう?”のひとつではないでしょうか?

朝起きて身体がだるいとメイクも手を抜きがちになったり、疲れた雰囲気は老けた印象になったり・・・何とかならないものかと思います。

実はこれらの原因に、ホメオスタシス(体内の恒常性を維持しようとする働き)の中の一つの要素“自律神経系”が大きく関係しています。
地球で生まれた私たちの身体は、天候によっても様々な影響を受け、その影響の受けやすさも人それぞれ。決して珍しいことではないのです。

今回は、天候と私たちの体調の話を中心にご紹介したいと思います。

低気圧になると身体は休息とエネルギー蓄積モードになる!

天候悪化による憂鬱や体調不良、そのほとんどは自律神経の状態に起因するものと考えられています。自律神経の役割のひとつに、外部環境の変化に体を 適応させる役割があり、天候による体調の変化は、気圧の変化に対応しようとする自律神経がちょうどいい加減をさぐって葛藤している状態ともいえるのです。

天候が悪くなるというのは、簡単にいえば、高い気温で温められた海水や空気が蒸気となったり山にぶつかったりして上にあがっていくため、地上では空気の量が少ない状態、すなわち「気圧が低い(低気圧)」状態になります。
低気圧になると、呼吸からは「酸素が薄い」、目からは「光が少ない(暗い)」、また内耳にかかる圧力の変化で「気圧が低下した」ことを感知し、自律神経が 低気圧への対応を始めます。そしてこれらの条件を「活動に適さない環境」と判断して、二種類の自律神経のうち、交感神経(活動している時の神経)の働きを 制限して、副交感神経(眠っているとき、リラックスしているときの神経)の働きを優位に働かせることによって、身体を「休息とエネルギー蓄積のモード」に 切り替え始めます。
副交感神経が優位に働くと、「血圧、血糖、心拍低下」「疲労感、意欲低下」「分泌、排泄機能活性化」「食欲増加、消化吸収促進」「心身のリラックス状態」へと私たちの身体を調整していくため、低気圧になるとだるい、眠い、疲れるという症状を感じるのです。

これに加えて、最近では低気圧になるとヒスタミン(アレルギー反応を起こしたときなどに細胞から放出される物質)の分泌が増えることが分かってきて います。ヒスタミンは外部刺激があると肥満細胞から分泌され、免疫活動に指令を出す働きをします。しかしこれも過剰に働いてしまえば、花粉症を代表とする アレルギー症状となります。副交感神経の過剰な働きに加えてヒスタミンの過剰な作用も加わり、体調不良状態もひどくなるのです。

台風など、急激な気圧低下に要注意!

自律神経の調整がその変化に少しずつ同調して追いついているなら、それほど大きな不調原因にはなりません。しかし、自律神経の調整が追いつかない、 もしくは台風の接近のようにいきなり大きく気圧が低下すると、急激に副交感神経優位状態が起きてしまい、不調を感じやすくなるので要注意です。

ただでさえ自律神経に負担がかかっている更年期女性、普段から冷え気味のサラリーマンや女性、睡眠不足の方は疲労感や憂鬱感を感じやすいかもしれま せん。花粉症のひどい人は花粉症と同じ症状が出ることもあるでしょう。喘息や頭痛もちの人は発作に注意が必要でしょう。また急な反応ですので、いつもより も症状がひどくなる可能性もあります。

こんなときどうする?

地球上で生きている限り、避けることはできない気候変動。嘆いているばかりでなく、自分の体を自分で守る工夫は、できる限り自分でしていくことも必要です。

基本的には、低気圧が過ぎると症状も改善するので、“一時的なもの”と割り切ってしまうのもひとつですが、そんなこと言ってられないわ!という方に は、「朝コップ1杯の冷たい水を飲んでみる」「運動をしてみる」「すっぱいものの匂いを嗅ぐ・もしくは食べてみる」 などで自律神経を刺激してみても良いでしょう。
何よりも根本的な解決法として、自律神経への負担になる暑さ、冷え、睡眠不足を避け、自分のアレルギーの対症療法をおこなうことや、日ごろの生活習慣(食事バランス、適度な運動など)などを見直して、気圧の変化に適応できる身体づくりが大切です。

心も身体も健康であってこその美しさ、自分の身体の変化を知って賢く自分の身体を守る工夫をおこないたいですね。
[キレイ研究室 研究員:西川]

関連記事一覧