鶏むね肉はメタボ対策やダイエットに最適な食材!さらに脳や疲労感にも良いって知ってた?!
近年、メタボ対策やダイエット向き食材、更には筋トレ愛好家にも人気の食材、鶏むね肉。
肉類の中でもかなり安価で、お財布にもやさしい食材です。
淡白な味はどんな味付けや食材にもなじみ、とても使いやすいのですが、パサつきやすいという難点も。
今回は鶏むね肉の栄養価とそのポテンシャル、そしておいしい食べ方をご紹介いたします。
高たんぱく・低脂質・低カロリー! キレイにぴったりの食材、鶏むね肉
鶏むね肉は脂肪分が少なく、カロリーは低め、ダイエット向きの食材だと認識されている方は多いと思いますが、実際はどうなのでしょうか?
よく食卓に上る肉類、牛バラ・もも、豚バラ・ロース、鶏もも・むね(皮なし)で比較をしてみたいと思います。
まずはカロリー。
お次は脂質。
続いてたんぱく質。
(出典:日本食品標準成分表2020年版(8訂))
皮をとった鶏むね肉は、噂にたがわぬ低カロリー、低脂質、高たんぱく質食品であることがうかがえますね。
皮を取り除いた鶏むね肉はだいたい1枚200gですので、胸肉1枚のカロリーは約226kcal。
1枚を食べるとかなりボリュームや満足感がありますよね?
それなのに、ドーナツ1個(60g前後:約250kcal)より低いのです。
健康にもキレイにもピッタリで低カロリー、ぜひ、取り入れたい食材ですよね。
脳にも疲労にも良い? 鶏むね肉のうれしい成分とは??
むね肉に含まれる成分として、注目を浴びている成分の一つがプラズマローゲンとイミダゾールジペプチド(イミダペプチド)です。
1つめのプラズマローゲンとは、食べることにより効果が期待されている食品成分として注目されている脂質のひとつです。
生体内では抗酸化成分として酸化ストレスに対する保護作用を有し、特に脳や神経系に多く分布していることが分かっています。
近年の研究により、アルツハイマー型認知症の原因のひとつと考えられているβアミロイドの生成に予防効果を示すことが報告され、アルツハイマー型認知症の予防や治療への効果も期待されています(出典:J Neuroinflammation. 2012 Aug 13;9:197.およびBiochemical and Biophysical Research Communications Volume 496, Issue 4, 19 Feb 2018, Pages 1033-1039など)。
プラズマローゲンは、鶏のもも肉やむね肉、ささ身にも含まれている事が報告されています(出典:Nihon Chikusan Gakkaiho 2014 Jan 85(2):153-161)。
2つめのイミダゾールジペプチドとは、高い抗酸化作用を有したペプチドで、渡り鳥の羽の根元に存在し、彼らが海を越え長い距離(最長1万キロ以上!)を超えて飛翔する際の原動力として注目されている成分です。
ヒトによる試験でも、イミダゾールジペプチドとして1日200mg以上経口摂取することにより、疲労感や疲労によるパフォーマンスの低下を抑える研究結果が報告されています(出典:Jpn Pharmacol Ther vol. 37 no. 3 2009,pages 255-263)。
このペプチドはむね肉100gに1,200mgほど含まれているという報告がありますが、体内での吸収率などを考慮すると、1日にむね肉100gを食べると良いそうです。
鶏むね肉をダイエットやメタボ、カロリーを気にして食べていたら、脳や疲労感にも良い影響があるかもしれません。
これはうれしいですよね!
難点はパサつき…解決法3つ!
魅力がいっぱいの鶏むね肉ですが。
もも肉に比べると、パサつきが気になるのが難点ですよね。
でも、調理時にちょっとした工夫をするだけで、しっとり柔らかくいただくことができるんです。
体にもお財布にもうれしい鶏むね肉を、美味しくいただきましょう!
その1:ブライン液に浸す
ブライン液とはもともとは塩水をさしますが、現在は塩・砂糖を溶かした水をさすことが多いです。
5%の塩、5~10%程の砂糖を水に溶かし、そこに鶏むね肉を半日以上つけます。
にんにくやハーブなど、香味を追加してもOK。
つけた後はそのまま調理すればOKです。
下味も付いているので味付けも簡単に。
塩分があればOKなので、しょうゆや塩こうじなど、お好みのものをチョイスしてみてくださいね。
その2:片栗粉をまぶす
加熱時に逃げてしまう水分を、片栗粉でコーティングすることによってガードします。
ゆでる前や焼く前に片栗粉をまぶしてみましょう。
一口大にそぎ切りにし、片栗粉をまぶしてさっとゆで、氷水で冷やすと水晶鶏と呼ばれる中華料理に。
ねぎダレやわさび醤油など、お好きな味付けでいただくと、プルプル柔らかなむね肉が楽しめます!
その3:加熱しすぎない
加熱時間を長くしたり、高温で調理したりすると、むね肉の中の水分がどんどん逃げてしまいます。
焼くときも、ゆでるときも「余熱で火を通す」イメージで、加熱し過ぎを防ぎましょう。
低温調理器やコンベクションオーブンをお持ちの方は『低温でじっくり』調理するのもおすすめ。
また、鶏肉の加熱が十分でないとカンピロバクター菌による食中毒が懸念されます。
低温調理をする場合も中心部の温度が75℃で1分以上加熱されるよう心がけましょう。
(参考サイト:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126281.html)
これら3つのポイントは、組み合わせることでよりジューシーさを味わえます。
メニューによって、いろいろ試してみてくださいね!
コスパとヘルシーさで人気を集める鶏むね肉。
美味しく食べて、キレイと健康に役立てちゃいましょう。
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]