梅流しってデトックス効果がある?胃腸が弱い場合は注意が必要です。材料と効果的な実施方法についてお教えします。
SNSなどでも注目されている「梅流し」。
デトックス効果がある・お腹がすっきりして痩せるなど、いろいろな効果が謳われているけど・・・それって本当?
今回は、筑波胃腸病院 理事長の鈴木隆二先生にお話を伺いました。
梅流しに使う材料と期待できる効果
梅流しにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
まずは、材料から順にご説明いたします。
梅干し
梅干しにはクエン酸が豊富に含まれており、クエン酸には疲労回復効果や抗酸化作用があります。
また、胃酸の分泌を促進し、消化を助ける作用があります。
梅干しにはピクリン酸という成分が微量に含まれています。
ピクリン酸には腸内の悪玉菌の抑制や善玉菌の増加を助ける効果が期待され、腸内環境の改善に寄与すると考えられます。
大根
大根には豊富な食物繊維が含まれており、これが腸のぜん動運動を促進し、便通を改善します。
また、消化酵素のアミラーゼ(ジアスターゼとも呼ばれます)が含まれ、消化を助ける効果があります。
梅流しの効果的な実施方法
梅干しを1~2個取り出し、種を除いて細かく刻むか、すりつぶします。
大根をすりおろし、梅干しと混ぜ合わせます。
この混ぜたものを摂取し、その後ぬるま湯や水を飲みます。
大根おろしの量は、食べる人の体調や目標に応じて調整します。
梅流しのメリットは、食物繊維と消化酵素の組み合わせにより、便通を促進し、便秘の解消に役立つことです。
大根おろしは酵素の働きを享受しやすい調理法であるといえます。
また、加熱せず摂取することにより大根に豊富に含まれるビタミンCも失活することなく摂取できるのでおすすめです。
梅流しは、腸内環境を整えることで、体全体のデトックスをサポートしたり、胃腸の働きを活性化し、消化不良を改善することが期待できます。
梅流しの注意点
梅流しは腸の動きを活発にするため、過剰に行ったり、体質によっては下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。
特に胃腸が弱い人や消化器系に疾患がある人は注意が必要です。
また、梅干しには塩分が多く含まれています。
塩分摂取量を気にする必要がある人は、梅流しの頻度や量を調整することが重要です。
梅流しだけで栄養バランスを保つことは難しいため、野菜やたんぱく質、糖質の摂取量などを考え、日常の食生活全体でバランスを考える必要があります。
一定の整腸作用が期待できる梅流しですが、試しても便通改善などの効果が感じられないときや、体調に不調をきたした際には、医師にご相談ください。
[執筆者]
鈴木隆二先生
筑波胃腸病院理事長
日本消化器内視鏡学会専門医
日本外科学会専門医
全ての患者の健康を第一に考え、日々最新の医療技術を提供しています。
理事長として筑波胃腸病院と千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザをメインに運営し、消化器疾患の早期発見と治療、予防に力を入れています。