もしかしてやっちゃってない?にきびを悪化させるスキンケア習慣10個!

青春のシンボルともいわれる「にきび」。
医学的には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」といい、「アクネ」などとも呼ばれます。
文頭に表現されるとおり、性ホルモンの影響を受けて多量に分泌された皮脂が毛穴に詰まることによって起こる、思春期の肌悩みとしてイメージされることの多いにきび。
しかし、実は性ホルモンの影響以外にも、物理的な刺激やストレス、皮膚常在菌の乱れなどによって、大人にも起こるのです。
「大人ニキビ」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
今日は、にきびと意外と間違っているそのケア方法についてお話しします。

にきびの4分類! あなたの顔にあるのはどれ?

にきびは脂腺性毛包に生じる皮膚疾患で、その進行状況によって大きく4つに分類することができます。

脂腺性毛包は、顔面に最も高密度に存在し、続いて胸や背中の中央部に多く存在するため、にきびはこれらの部位に発症しやすくなります。
にきびが発症している部位には、面皰、丘疹、膿疱が混在して見られることが多いです。

基本の予防・ケア方法

にきびのケアには、生活上の配慮と適切なスキンケア、両方が大切になります。

日常生活における注意

規則正しい生活、バランスの良い食事を心がけて。
 油分や糖分の過剰摂取は避けた方が良いでしょう。
 にきびのできやすい場所を触ったり、毛髪が触れたりしないように気を付けてください。
 また、過度な日焼けも避けましょう。

スキンケア

 きちんと洗顔をし、過剰な皮脂を取り除くことは必要です。
しかし、皮脂を気にしすぎて、洗いすぎるとかえって炎症を悪化させることになりかねないので、マイルドな洗浄料での肌にやさしい洗顔を心がけましょう。
 また、殺菌剤や抗炎症剤などが配合された、にきび肌用の薬用化粧品(医薬部外品)を使用してもよいでしょう。

もしかしてやっちゃってない? にきびを悪化させるスキンケア習慣10個!

にきびを何とかしたいあまり、ついついやってしまいがちな間違ったスキンケア。
米国皮膚科学会ホームページに掲載された、にきびを悪化させるスキンケア習慣10個をご紹介いたします(出典:https://www.aad.org/public/diseases/acne/skin-care/habits-stop)。

1.いろんな自己流の治療を試し、しょっちゅう変える
 ⇒このアプローチは、皮膚に刺激を与える可能性があります。
少なくとも治療の効果が得られるまでに6~8週間かかるといわれます。
また、完全に治るまでには通常3~4か月かかると考えられます。

2.にきびができたところにのみ薬を塗る
 ⇒新しくできるにきびを防ぐためにも、にきび用のスキンケア製品や薬はできやすい部位(額・鼻・あご)に薄く均等に伸ばしましょう。

3.にきびの原因となる可能性のあるスキンケア・ヘアケア用品を使用する
 ⇒「ノンコメドジェニックテスト済み※」と表示された製品を使用しましょう。
   ※コメド形成能試験により、コメド(白にきび)の形成を誘発しにくいことが証明されたもの

4.メイク用品やメイクブラシ・パフなどを共有する
 ⇒にきびの原因となる細菌や他人の皮脂がメイクに混入する可能性があります。
  貸し借りは止め、自分のアイテムは自分で使いましょう。

5.化粧したまま寝る
 ⇒たとえノンコメドジェニック製品であっても、にきびを引き起こす可能性があります。
  必ず、メイクを落としてからベッドへ。

6.1日に何度も何度も洗顔する
 ⇒過剰な洗顔は肌をさらに刺激し、より多くの炎症の原因となる可能性があります。
  1日2回を目安にしてください。

7.肌を保湿しない
 ⇒にきびのある肌は脂性なので、保湿は不要だと思っていませんか?
  きちんと保湿をすることで、皮脂の分泌を抑制することができます。
  洗顔後は保湿剤でスキンケアを。

8.スクラブなどでこする
 ⇒毛穴がふさがっているものを取り除こうとゴシゴシこすり洗いするのは厳禁です。
  やさしく洗い、洗顔後は清潔なタオルで顔をやさしく押さえるように拭いてください。

9.汗をタオルでごしごしと拭
 ⇒運動中に書いた汗をタオルでこすって拭くと皮膚にとっては刺激となります。
  だからといって、汗をかいたまま放置しておくと、それも刺激となります。
  やさしく押さえるようにして汗は拭き取ってください。

10.にきびをつぶす
 ⇒自分でにきびをつぶしたり絞ったりすると、中にある膿や角層、皮脂、菌などがより奥深くに押し込まれる可能性があり、炎症を増やし、にきびが悪化する恐れもあります。
  軽度なにきびはスキンケアや市販の薬で適切にケアしましょう。
  痛みや腫れを伴う、進行したにきびがあるときは、皮膚科医の受診をおすすめします。

今年は、コロナ禍もあり、マスクネ(maskne:mask(マスク)+acne(にきび))と呼ばれるマスクが原因のにきびも増えています。
また、先の見えない不安感や閉塞感、ストレスがにきびの原因となっている方もいるかもしれません。
良かれと思ってやってしまいがちなにきびケア。
自己流ケアで悪化させてしまい、後が残ってしまったら、きっと後悔するはず。
にきびが気になる方は、一度自分のスキンケアを見直しましょう。
そして、自分の手に負えないと感じたら、面倒くさがらずに速やかに皮膚科を受診することも大切です。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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