[その1]肌ってすごい!想像以上に重要な働き!直接触れる唯一の器官である皮膚の構造について教えます。

普段何気なく目にしている肌。実は色々と重要な働きをしてくれています。
今日は、その皮膚について、ちょっと学んでみましょう~!

皮膚の機能


私たちの体を覆う皮膚。
薄くて普段はあまり意識することはないかもしれませんが、
1)水分の喪失や透過を防ぎ、乾燥から守る
2)体温を調節する
3)紫外線や外敵(細菌など)が体に侵入するのを防ぐ
4)感覚器としての役割
と、いくつもの働きがある、実は皮膚は体にとってとても重要な器官、人体で最大の面積と重量を誇る臓器なのです。
重さも、皮下組織まで含めると体重の16%にあたり、体重50kgの人の場合、約8kgになります。
大きな臓器のイメージがある脳ですら、成人で1.2~1.5kg程度なので、皮膚という器官の大きさが分かりますね。

 

皮膚の構造

皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織の3層に分かれています。

〇表皮
通常、みなさんがお肌と思うのは、この部分でしょう。
0.07~0.2mmと、とても薄いながらも、体を外敵から守る役割をしています。
表皮はさらに外層から、角層・顆粒層・有棘層・基底層の4つにわかれています。
基底層から角層細胞(ケラチノサイト)が分裂し、成熟しながら最後表皮の表面ではがれ落ちるまでをターンオーバーといいます。

〇真皮
表皮の下に存在し、表皮との間にある基底膜によって隔てられています。
厚さ1.7~2㎜あり、真皮内にはコラーゲン繊維(膠原繊維)やエラスチン繊維(弾性繊維)がはりめぐらされ、その間を基質(プロテオグリカンやヒアルロン酸)が埋めるような構造で、お肌の張りや弾力の源になっています。
また、毛細血管やリンパ管、汗腺、皮脂腺、神経などが通っており、汗や皮脂の分泌や表皮への栄養補給など、大切な役割を担っています。
真皮は表皮側から乳頭層・乳頭下層・網状層にわかれています。

〇皮下組織
真皮と筋肉の間にあります。
中性脂肪の貯蔵庫として脂肪や脂肪細胞が詰まっていて、筋肉や骨に外部からの衝撃が及ばないように、クッションのような役割を持ち、体温の維持にも役立っています。

 

皮膚の構造・各名称と役割


汗孔:汗口ともいう。汗が出る出口のこと
皮溝:表皮の表面にある無数の溝のこと。
皮丘:皮溝に囲まれて、盛り上がっている部位のこと。
※皮溝の深さと溝の規則性の状態を肌の肌理(キメ)といい、皮溝が浅く細かく、皮丘も平らで規則的であることを肌理が細かいといいます。
毛幹:皮膚から外部に露出している毛髪のこと。
毛孔:毛穴のこと。皮膚の表面にある,毛の生える小さな穴です。
立毛筋:皮膚の毛包から真皮へ斜めに走る筋肉です。寒さなどの刺激によって鳥肌が立つのは、この筋肉が収縮するからです。
汗腺:汗を分泌し、体温の調整などを行っています。
皮脂腺:皮脂を分泌し、皮膚や毛髪の表面の保護や保湿の働きをしています。体毛1本毎に1つの皮脂腺がありますが、部位によって発達具合に差があります。


汗腺・皮脂腺・毛包・毛幹は、皮膚の付属器官として、それぞれ特別な働きを有しています。

自分で直接触ることのできる唯一の器官ともいえる皮膚。
普段はあまり気にせずメイクをしたり、ゴシゴシ洗ったり、じゃぶじゃぶ水につかったりしていますが、意外にも複雑な構造をし、生命の維持にも重要な機能を有しているなんて、ビックリですよね。
人知れず働いている皮膚の大切さに感謝しつつ、やさしくケアしてあげましょう!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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