若いからといって油断しないで!ピンクリボン月間の10月に乳がんとその検診方法を見直そう!

女性にとって最も身近ながんである乳がん。若い人も気を付けて


女性が罹るがんの第1位は世界でも、日本でも、実は乳がんです。
むかしは50人にひとりが乳がんに罹ると言われていましたが、最近は10人にひとりとなり、日本ではまだまだ乳がんに罹る患者さんの数が増加しています。日本では毎年約10万人の女性が罹ると言われています。一方で欧米では乳がんの患者さんの増加傾向は頭打ちとなり、むしろ減少に転じています。乳がんが発見される年齢は40歳前後と60歳前後にピークがあり、若い方も注意が必要ながんのひとつです。

大切な触診。入浴の際におこなうなど、セルフチェックを習慣づけましょう

乳がんの初期症状は胸のしこりで通常は痛みを伴いませんが、まれに痛みを伴うこともあります。
しこりのチェックは自分でできます。乳がんは自分で見つけられる数少ないがんです。触って、見て、異変がないか確かめることが大切です。是非習慣にしましょう。
確かめ方としては、乳首を中心に円を描くように触ってもOKですし、縦横に触ってもOKです。触るときの強さとしては、なでたり、押してみたり、いろいろ試してみましょう。あまり難しく考えず、とにかく触る習慣(ブレスト・アウェアネス)を持つことが大切。自分の胸の状態を知り、異変やしこりを感じたら乳腺クリニックを受診してください。
また鏡の前で両手を下げて、そして両手を挙げて、ご自身の胸の形の変化を見てください。左右がアンバランスであったり、窪みがあるときにも乳がんが疑われます。また、血液が混じったミルクが乳頭から出たときにも乳腺クリニックを受診しましょう。

検診を受けることも忘れずに。超音波とマンモ、どちらも大切!

セルフチェックも大切ですが、定期的な検査も有益です。
乳腺のなかの腫瘤を見つけるには超音波検査が役に立ちます。また乳腺内の石灰化(微細な骨のようになる)を見つけるのが乳腺のX線検査でマンモグラフィーと呼ばれます。超音波検査とマンモグラフィーを上手に利用してください。
少なくとも、2年に1回は検査を受けるようにしましょう。超音波検査とマンモグラフィーは交互に受けてもOKです。

遺伝や環境。乳がんになりやすい人とは?

どんな病気も環境と遺伝の影響を少なからず受けます。乳がんの5~10%は遺伝性であると言われています。血の繋がった方に乳がんを患った人がいるとき、また血は繋がっていなくても、同じ生活をしている人に乳がんの患者さんがいるときは要注意です。
そして乳がんはホルモンに影響されるがんなので、生理の数が多い人がなりやすいのです。初経が早い、閉経が遅い、子どもが少ない、授乳をしていないなどの条件が重なると生理の回数が増えます。むかしは多産で授乳をしていましたから、一生涯の生理の数が100回以下の女性もいました。最近は一生涯の生理が500回近い女性も存在します。
このような時代背景により、増加傾向にある乳がんは現代病といえます。
遺伝や環境、月経周期によって必ずしも乳がんになるわけではありませんが、自分が「なりやすい」かもしれないということを知っておくことは大切です。
当てはまる人は、より慎重にセルフチェックや検診をおこないましょう。

怖がり過ぎず、きちんと向き合おう

乳がんは罹患率(病気に罹る率)は女性のがんでトップですが、実は死亡率は女性のがんで5位です。つまり適切に治療をすれば生命予後のよいがんです。乳がんにならない生活を心がけましょう。また早期発見も大切です。
乳がんにならない生活は免疫力を上げる生活で、いわゆる健康力を上げる生活です。禁煙、可能ならアルコール量を減らす、適度の運動、バランスの良い食事、適度の睡眠、ストレスへの適切な対応などを心かげてください。

執筆者

新見正則先生
オックスフォード大学医学博士
新見正則医院院長 

[経歴]
外科医x免疫学者x漢方医としてレアな医師として活躍中。
2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)
新見正則医院は飯田橋駅西口の富士見教会に面した自費診療のクリニックです。
世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアを基本処方にして
漢方薬を加えて、各種のがん疾患や難病・難症に対応しています。
もっとも多い患者さんは乳がんですが、最近はコロナ後遺症の患者さんが激増しています。
「フローチャートコロナ後遺症漢方薬」はM2PLUSでは9月20日に発売済み、
そして10月13日に書店に並びます。Amazonでは予約可能で、すでにベストセラーとなっています。

新見正則医院ホームページ 
https://niimimasanori.com/

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