寒さで食いしばっていませんか?冬の歯科トラブルについて高谷先生に伺いました!

冬はその寒さや乾燥などから、特徴的な健康トラブルが生じやすくなり、歯も例外ではありません。
今回は、冬の歯科トラブルの原因と予防について、高谷秀雄歯科クリニック院長、高谷秀雄先生に伺いました。

寒さで食いしばっていませんか?

寒さを感じると、身体が強張ってきますね。同時に、歯も食いしばっている人が多いのではないでしょうか。寝ている時も寒さが原因で、いつもより食いしばりが生じることも考えられます。
通じて食いしばっている時間が増えるほど歯やアゴにかかる負担は増加します。
「冬の朝は起きた時からアゴが疲れている」ともよく聞きます。
温度や湿度、寝具の調整などにより睡眠時の環境を整えることで、睡眠中のトラブルは避けられるでしょう。
また、就寝中に食いしばりや歯ぎしりの癖があるかどうか、可能であればご家族に確認していただいてはいかがでしょうか。
日中は「TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)チェック」といって『口を閉じている時、上下の歯が触れていないこと』を確認する習慣をおすすめします。
定期的にチェックできるよう、仕事や家事で目に付くところに「TCH」と付せんを貼っておく方法などがありますね。

肌だけじゃない!冬は口腔内も乾燥します

乾燥してくると粘膜の働きが弱くなり、風邪をひきやすくなったりインフルエンザが流行したりしますね。
口腔内も乾燥によってさまざまな問題が生じやすくなります。
乾燥することによって口臭の原因になり、舌表面がひび割れたりするのです。
そもそも、唾液には抗菌作用がありますので、唾液分泌を促すような食事をとるなどで対策することができます。
もちろん飲料もしっかり摂って、いつも通りの加湿や保湿もお忘れなく。

お正月に食べるアレに注意!

お正月には美味しいものをたくさん食べるという方も多いと思います。
正月といえばお餅。
実は、「お餅を食べて詰め物がとれた」という方がいらっしゃいます。
歯の詰め物や入れ歯に気を付けて、美味しくいただきましょう。

間違ったセルフケアに注意!

また、年末年始は多くの医院が休診になります。
そこで我慢してしまうと悪化してしまう可能性が高まりますので、きちんと予防、ケアしておき、緊急時の病院も確認しておきましょう。
冬に限ったことではありませんが、歯が欠けた、折れてしまったものをご自身で直されるのは大変危険です。市販の接着材でくっつけた話も聞いたことがありますが、決して口に入れていいものではありませんのでご注意ください。

歯が折れた!そんなときどうすれば??

歯が欠けたり折れてしまった場合、その破片をお持ちいただければ元に戻せる可能性もあります。
その際は牛乳に浸しておくと良いので、小さい瓶やタッパーに保存してください。牛乳は人間の体液に近い「浸透圧」をしているので、歯を保存するのに向いているのです。
例えば水道水に漬けてしまうと、細胞の中に水分が浸み込んでいって壊れてしまいます。牛乳なら水分の移動が起きにくいので、そのままの状態を保存できる時間を長くすることができるのです。
血液が付いていたりするかもしれませんが、できるだけそのまま、洗浄したりする必要もありませんのでご注意ください。

[執筆者]

高谷秀雄(たかたに・ひでお)先生
歯科医師(歯科口腔外科)
医療法人雄愛会 高谷秀雄歯科クリニック 院長・理事長

[プロフィール]
「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。
専門は親知らずの抜歯・口腔癌等、歯科口腔外科全般。
審美歯科治療・インプラント治療も得意とする。

高谷秀雄歯科クリニック ホームページ
https://www.takatani-dental.jp

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