風邪をひきやすいタイプ・ひきにくいタイプの違いは?寒い季節を乗り切るためのコツ教えます!

寒い日が続きますね。
今回は、寒い季節を乗り切るためのコツについて、一般社団法人ファイブツーダイエット協会の木村理事にお話を伺いました。

1月2月は一年で最も寒さが厳しくなる月です。
寒さが深まってくるのと比例して、気分が落ち込みやすくなったり、風邪やインフルエンザが大流行して体調不良に陥りやすくなったりするのもこの時期です。
なぜ、冬場に体調や気分が優れない人が増えるのでしょうか。
それは、私たちの身体の中の「エネルギーをつくるしくみ」に秘密があります。
私たちの身体は、常にエネルギーを作り続けています。
細胞のひとつひとつにエネルギー工場を持っているのです。
このエネルギー工場にあたるところを「ミトコンドリア」といいます。
この「ミトコンドリア」の働きが、冬場に元気に過ごせるかどうかのカギなのです。

ミトコンドリアの働きとは?

ミトコンドリアとは私たちが生きていくためのエネルギーを作り出している工場です。
ミトコンドリアがエネルギーを作り出してくれなければ、私たちは1秒たりとも生きていけません。
ですが、様々な理由でミトコンドリアの機能が弱ってしまったり、ミトコンドリアの数が減ってしまったりすると、エネルギーを作り出せなくなります。
たとえば、体温。
私たちは冬場の気温に合わせて、体温を維持しようとします。
体温を維持するためには血液を循環させる必要があります。
そして、血液を循環させるためには、エネルギーが必要です。
血液を循環させる、つまり血流をよくすると、冷えが改善しますよね。
ということは、冷え性の人、寒がりの人や冬場に元気が出ない人は、ミトコンドリアの元気がなくなっているのかもしれません。
その他にもミトコンドリアは、身体の中に入った感染性ウィルスに対して私達の身体を守ってくれる働きをしたり、自律神経のバランスを整えるという重要な働きもおこなっています。

風邪をひきやすいタイプ・ひきにくいタイプの違いは?

冬場にしょっちゅう風邪を引きやすい人、インフルエンザにかかりやすい人も、ミトコンドリアの元気がなくなってしまっていることが理由の一つとして考えられます。
特に、普段から体温が低い人は要注意。
体温が低いと免疫力が下がってしまいます。
免疫が下がるとウィルスの攻撃から身を守ることが難しくなります。
そして、いったんウィルスが身体に入ると今度はそのウィルスと戦うために、たくさんのエネルギーを必要とします。
ミトコンドリアが元気であれば、エネルギーの要求に対応でき、一晩しっかり睡眠をとるだけで調子を戻すこともできるかもしれませんが、ミトコンドリアが弱っているとウイルスと戦える免疫にエネルギーが足りず、風邪を引いてしまい、なかなか治りが遅いということにもなりかねません。

冬場を元気に過ごすコツ3選

ここまで、ミトコンドリアがいかに元気の元になっているかがおわかりいただけたかと思います。
つまり、冬場に元気に過ごすためにはミトコンドリアを元気にすることが重要なのです。
では、どうすれば、私たちのエネルギー工場であるミトコンドリアを元気にすることができるのでしょうか。
ここでは、カンタンに明日からでもできる「ミトコンドリアを活性化する方法」をお伝えしますね。

(1)ミトコンドリアにたっぷりの栄養を与える

ミトコンドリアを元気にするには、まずは栄養が大切。
特に「ビタミンB群」といったビタミンや、「カルニチン」などのアミノ酸、そして、「還元型コエンザイムQ10」というミトコンドリアを元気にする栄養素などが含まれている食事をしっかり摂ることがおすすめです。
これらの栄養素がとくに多く含まれているのが、豚肉や牛肉そして青魚など。
たんぱく質をできれば毎食摂り、さらによく噛んで、たんぱく質の吸収力を上げることが大切です。

(2)ミトコンドリアが悪くなる原因の「活性酸素」対策をする

ミトコンドリアは「活性酸素」によって、弱ってしまいます。
この「活性酸素」対策をすることが元気なミトコンドリアをたくさんつくるコツです。
それには、「抗酸化物質」と言われる成分をしっかり摂ることが必要。
有名な抗酸化物質といえば、ビタミンC、ビタミンEなど。
他にもカロテノイドといった成分があります。
ビタミンCはみかんやレモンなどのフルーツに含まれていますし、ビタミンEはアボカドやアーモンドに多いです。
有名なカロテノイドに赤い色素の「アスタキサンチン」があります。鮭などが知られていますね。冬場こそ、新鮮な果物やナッツ類をしっかり摂りたいですね。

(3)悪くなったミトコンドリアの入れ替えをする

活性酸素などでミトコンドリアが悪くなって損傷してしまったら、その弱ってしまったミトコンドリアの部分は、身体の外へ出して新しく再生することが必要です。
その働きを「マイトファジー」と言います。
悪くなったミトコンドリアの分解と新しい再生をすることで、ミトコンドリアの質を高めることが可能になるのです。
このマイトファジーを活性化させる方法として、「断続的ファスティング(断食)」や「間欠的ファスティング」と呼ばれる断食による効果が報告されています(出典:J. Cachexia Sarcopenia Muscle 2020;11:1447-1485)。
よく知られている断続的ファスティングの種類としては、「5:2(ファイブツー)ファスティング」や「16時間ダイエット」などがあります。
たとえば、5:2ファスティングとは、1週間の5日はいつもどおりの食事を摂り、2日間だけ摂取カロリーを抑えるというもの。週のうち連続させない2日間のカロリーを500kcl~700kcl程度に抑えればOKです。
連続せずに1日ずつ行うファスティングのため、身体に負担がかかりづらく、血糖値の維持も容易といわれており、チャレンジしやすいところが人気の秘密です。

やりがいがあると、ミトコンドリアは応えてくれる

この他に、実はミトコンドリアというのは、私達が「やりがい」を持つとそれに応えてエネルギーを作り出してくれるともいわれています。
これは必ずしも、社会に役に立つことでなくても構いません。
趣味に熱中したり、今なら「推し」を見つけて「推し活」をしたりすることなども、やりがいになります。
自分の好きなことをすると元気が湧いてきますよね?
これは、身体の細胞的にも本当のことで、私たちのミトコンドリアを元気にする、つまり自分を大切にすることなのです。
今年の冬は、栄養をしっかり摂り、楽しみをみつけミトコンドリアを元気にして、ハツラツと乗り切りたいですね。

執筆者

木村 侑乎先生
一般社団法人 ファイブツーダイエット協会 理事
臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー
日本ニュートリション協会(JNF)認定サプリメントアドバイザー

[経歴]
何をしてもリバウンドしてきたが、断続的断食(5:2ダイエット)で10キロ以上の減量とリバウンドを克服。
長年の体調不良も改善した経験から、ファイブツー(5:2)ダイエットの普及に力を入れている。

一般社団法人 ファイブツーダイエット協会
https://jif-association.com/

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