[前編]大切なのは品質と使い方!界面活性剤に使っていいものと悪いものがある?界面活性剤の種類ついて
今回は化粧品開発者の目線で、化粧品成分のひとつ「界面活性剤」の種類についてにフューチャーします。
前回は、界面活性剤とその役割ついてお話ししました。
いろいろな種類の界面活性剤が、化粧品や日用品はもとより、食べ物にまで利用されているなんてびっくりしましたよね。
今回は、界面活性剤の種類ついてお話したいと思います。
界面活性剤にはたくさんの種類があるって知っていた?
界面活性剤は水になじみやすい親水性(Hydrophilic group/水色の球体)と呼ばれる性質と、油になじみやすい親油性(Lyophilic group/黄色の棒状)の両方の性質(両親媒性)を持っています。
一般的に下記図のようにマッチ棒のような形の模型で示されます。
そして、界面活性剤は数千種類あるといわれており、分類の仕方もいろいろ。
まずは界面活性剤の働きや特徴がわかりやすい、水に溶けたときの親水基のイオンの状態による分類について解説したいと思います。
※プラスとマイナスは引き合うという性質を意識して読んでみてくださいね。
陰イオン性(アニオン)界面活性剤
[特徴]
皮脂やほこりなど汚れはプラスに帯電するものが多いため汚れを吸着する性質があります。
洗浄力や起泡力、分散性に優れており、シャンプーや洗顔料、石鹸などに利用されることが多いです。
乳化剤・分散剤・可溶加剤としても用いられます。
陽イオン性(カチオン)界面活性剤
[特徴]
一部マイナスに帯電する毛髪表面など、繊維への吸着が高く帯電防止効果があるため、コンディショナーや柔軟剤に用いられることが多いです。
両性界面活性剤
他のイオン性界面活性剤と併用が可能で、保有する機能によって使い分けることが可能。補助界面活性剤として使用されることも多いです。
非イオン性(ノニオン)界面活性剤
親水性と破水性のバランス調整ができ、乳化や可溶化力に優れ、他のイオン性界面活性剤とのの併用が可能なため、幅広く用いられています。
乳化剤や可溶化剤や洗浄剤としても用いられています。
界面活性剤とひとくちにいっても色々な種類があります。
たとえば、シャンプーとコンディショナー。
一般的にどちらも界面活性剤が使用されています。しかし表をみてみると、使用目的により全く性質の違うタイプの界面活性剤が使用されているのがわかりますね。
また、界面活性剤は石油や天然油脂などを合成することによってつくられるものが多いのですが、もともと自然界に存在する天然の界面活性剤もあることをご存じでしょうか?
後編では天然の界面活性剤のお話をしたいと思います。
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]