冷たいもので歯がしみる。でも虫歯じゃないから知覚過敏は放っておいていい?歯科医師 藤本先生に伺いました!
まだまだ続く、暑い時期。9月に入っても、冷たい飲み物や食べ物をついつい選んでしまいますよね。
でも、冷たいものを摂取しようとすると、歯がしみる…。
なぜしみるの?原因は?こういう時はどういうトラブルが起きている?放置しても平気?それとも歯医者に行ったほうがいいの?
今回は、この時季気になる悩みについて、株式会社ToothToothの歯科医師 藤本侑里先生にお話を伺いました。
なぜ、冷たいものが歯にしみてしまうの?
歯の表面はエナメル質という人間の身体の中で一番硬い組織で覆われています。
エナメル質の下には象牙質といわれる組織があり、その象牙質が冷たい飲み物など外部からの刺激を神経に伝える役割をします。
エナメル質には、このような外部からの刺激を伝える働きはありません。
ですので、冷たい物を飲んで歯がしみる時は、何らかの原因で象牙質に刺激が伝わったとき起こります。
何らかの原因とは、エナメル質にひびが入っていたとき(目には見えない程度のわずかなひびでも原因となりえます)、歯が欠けてしまったり、擦り減ったりしてエナメル質が削れて象牙質が露出しているときなどさまざまです。
このような状態は虫歯とは分類されず、知覚過敏とよばれています。
虫歯が原因で歯がしみる場合、冷たい物を飲んだり食べたりしたときだけなどのように一過性ではなく、持続的な痛みを伴うのが特徴です。
甘い食べ物を食べた時にも歯がしみたり、穴があいている場合は、虫歯の可能性が高いです。
このような症状がある場合、虫歯の治療をしない限りは症状も虫歯も進行するため、歯科を受診しましょう。
虫歯じゃないので、知覚過敏に治療は不要??
では、知覚過敏の場合は放置しても平気なのでしょうか?
答えは、NOです。
知覚過敏が引き起こされる原因をきちんと歯科医院で調べてもらいましょう。
知覚過敏の原因は、
・噛み合わせ
・歯ブラシの力の強さ
・生活習慣
などさまざまです。
不正な噛み合わせが長期間にわたって起こると、歯が割れてしまうこともあります。
また、適切な歯を磨くときの強さは、150~200gといわれています。
歯ブラシを爪に当ててほんのり白くなるくらいが目安です。
気になる方は、キッチンスケールなどに歯ブラシを当て、押してみてどの程度の力が150~200gなのか、実際に測ってみるのもお勧めですよ。
おそらく、普段歯みがきをする際にかけている力よりも、かなり軽くていいことに驚かれる方が多いのではないでしょうか。
知覚過敏といっても、虫歯なのか知覚過敏なのか、ご自身で判断がつかないことも多いかと思います。
また、知覚過敏の治療も原因によりさまざまです。
プロの目で原因を判断し、しっかり対処してもらいましょう。
知覚過敏を克服して、今年の暑い夏もジュースやアイスクリームなど、冷たい物を楽しみたいですね。
執筆者
藤本侑里先生
歯科医師
[経歴]
岡山大学歯学部卒
日本歯科保存学会所属 認定医
日本小児歯科学会所属
株式会社ToothTooth
関西の歯科医療法人にて勤務
現在は2児の母でありながら歯科医師として、臨床現場と歯科医療の啓発活動を行っています。
Instagramで子育てや歯に関するお役立ち情報を発信しています。
Instagram:子育て真っ最中!歯科医師2児ママ
@mama_haishasan