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[後編]「これってドライアイ?」?どんなケアをすればいいの?ドライアイのセルフケアについて新川中央眼科 院長小川先生に伺いました!

PCやスマホを長時間使用したときに感じる、目の不快感や乾き。
「これってドライアイ?」と感じたことのある方は多いのではないでしょうか。
こんなときは、どんなケアをすればいいの??
今回は、新川中央眼科 院長の小川佳一先生にドライアイのセルフケアについてお話を伺いました。

セルフケアは3つのCに気をつけて

では、ご自身で対策できることはないのでしょうか?
以前から言われているドライアイの悪化要因の「3つのC」というものがあります。
「エアコン」「コンピューター」「コンタクトレンズ」です。
エアコンの風が当たると、乾燥は悪化しやすいです。
特にこの時期は乾燥した温風が出ています。
できるだけ風が直接当たらないように机や家具の配置を工夫してみましょう。
コンピューターや、スマホ、タブレットなどのデジタルデバイスを凝視していると瞬目の回数が減り、乾燥しやすい状態となります。
使用時間をできるだけ短くする、途中にしっかり休憩をはさむなどの対策をしましょう。
コンタクトレンズは、涙に浮かんでいます。
これだけで涙の層は崩れやすくなりますし、眼に張り付かずに動いている必要があるため涙液を撹拌して蒸発しやすい状態になります。
乾燥感を生じる場合には装用時間を短くする、コンタクトの上から点眼できる目薬で涙を補ってあげるという対策が必要になります。

目を温めたりキレイにすることも大事

最近はMGD(マイボーム腺機能不全症)もドライアイの原因のひとつということが分かっています。
瞼の縁にはマイボーム腺という涙の成分のうち油を出す腺がたくさん並んでいます。
この分泌機能が低下して詰まってくると、油層の安定性が悪くなり、ドライアイになってしまいます。
また、MGDがあるとものもらい(めっぱ・めばちこなど地方によって呼び方が違います)になりやすくなりますし、瞼の縁がべとべとしてかゆみが出ることもあります。
この対策には眼を温めるのが効果的です。
ホットアイマスクなど眼を温めるグッズが市販されています。
蒸しタオルを使う方もいますが、実は蒸しタオルは3分で体温より低くなりますので、逆に眼を冷やすことになるので注意が必要です。
また、自由診療にはなりますがIPLという特殊な波長の光治療法も効果があり、ガイドラインでも推奨治療になっています。
特に眼を温めた後はリッドハイジーンと言って、瞼の縁をきれいに洗浄すると効果的です。皆さんは目元の化粧落としにクレンジングオイルを使われますが、眼に入ると滲みて痛いですよね。
そのためマイボーム腺のあるところまでは洗えていないことが多いです。今は、眼に入ってもいたくない目元専用のシャンプーが発売されていますので、こういったものを使うとよいと思います。

目は洗った方がいい??

では、洗眼はどうなのでしょうか?
薬液の中で眼をぱちぱちさせる洗眼は、ドライアイにとっては逆効果です。
メントールなど清涼剤が入っていることが多く、洗った直後はすっきりするのですが、涙の層を根こそぎ剥ぎ落してしまい、乾燥しやすい状態になります。
また、このように剥ぎ取られた涙液層が元の状態に戻るまで半日近くかかりますので、明らかに異物が入った場合を除いて、使用しないほうがいいでしょう。

ドライアイのために食べた方がいいものはあるの?

この他不飽和脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3系脂肪酸の摂取は、マイボーム腺の油の質を改善し、炎症を抑える効果があるとされています。
オメガ3系脂肪酸を多く含む食材は、魚やえごま油、アマニ油などがあります。
積極的に摂取することがおすすめです。

これから乾燥の時期になります。
乾燥から眼を守り、快適に過ごしてください。

執筆者

小川 佳一先生
新川中央眼科院長
札幌生まれ 平成8年旭川医科大学卒業
札幌医科大学眼科学教室で研修し、旭川厚生病院、苫小牧市立総合病院、道立江差病院、札幌医科大学付属病院を経て平成18年新川中央眼科を開業。
札幌医科大学では斜視弱視外来のスタッフとして斜視・弱視、先天性白内障などの小児眼科を担当。
専門の斜視・弱視、屈折矯正、白内障手術だけではなく、開業後、総合病院では少なかった「眼科不定愁訴」の訴える患者が多いことから、ドライアイやマイボーム腺の疾患に興味を持ちドライアイ研究会・LIME研究会に所属し積極的に治療に取り組んでいる

新川中央眼科ホームページ
https://www.shinkawa-med.jp/

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