【後編】不調にどう対処すればいい?「健幸脳」へのアプローチについて横倉クリニック 院長の横倉先生に伺いました!
数多くのストレスに悩まされる私たち。
ストレスに強い脳、すなわち健幸脳へのアプローチとは?
今回は、横倉クリニック 院長の横倉恒雄先生にお話を伺いました。
五感を心地よく刺激して、健幸脳を目指そう
予防医学的発想による健幸づくりではなく、脳への直接的なアプローチが健康へのアプローチであると私は考えます。
先ずは体性感覚を心地よくすることが重要で、現代人が着込んでいる硬い鎧を外すことから始めましょう。
ストレッチやマッサージ、ヨガやトリートメントを実施し、身体に心地よさを感じさせることから始めます。
動物は外界の情報をいち早く脳に伝達しなければなりません。
そのために五感の感覚器はすべて脳に直結しています。
鈍くなった五感を心地よく刺激し脳で「快」を感じられれば、ストレスも自然に小さく感じられ元気プログラムが作動し、人は自然に健幸に生きる脳力が回復します。
これが五感療法で、疲弊脳から健幸脳への転換です。
まずは自分を一番大切にすることです。
五感に基づいて順にご説明します。
1:快食療法
1)お腹が空いてから食べると何でもおいしく食べられます。
時間で食べないことです。
2)食べたいものだけを好きなものだけを食べること。
健康にいい食材でも嫌いなものはストレスになります。
3)いっぱい食べてしまった、健幸に悪いものを食べてしまったなどとは決して思わないこと。
自分を責めることが脳にとっては最大のストレスになります。
4)楽しく心行くまで食べること
5)今日の食事が人生最後の晩餐になることもあります。
大切なのは満腹でなく満足すること。
2:サウンド療法
音楽を楽しむことも重要です。
ただ、一般的にいわれている癒しの音楽、脳をリラックスさせるような波長の音楽を聴く必要はありません。
あなたの好きな音楽(演歌でもジャズでもロックでも何でも)、あなたが好きか嫌いか、聞いていて心地良いかで選んでください。
好きな音楽は脳に快を与えます。
私が良く勧めるのは童謡唱歌です。
脳が健幸だった頃に戻れます。
3:タッチセラピー
赤ちゃんは母親に触られると笑顔になります。
手の温もり、手から手に波長が伝わります。
撫でるとは、(な)ごむ、(な)だめる、(な)ぐさめる。
気持ちをおさえ静めます。
4:香りの空間
最近アロマオイルが注目されていますね。
しかし大切なのは、アロマオイルを選ぶときは効能で選ばないこと。
今いい香りだと思うアロマオイルを選んでください。
そのオイルが今のあなたの脳が欲しがっているオイルです。
疲れている人は自然にエネルギーが出るオイルを選んだりします。
5:アートセラピー
好きなアートを選ぶことが大切です。
目にするものは、絵画、彫刻、書、人形、何でもいいです。
そのアートには創作者の魂が入っています。
作品ではなく、作者の魂を感じることがアートセラピーです。
全ては脳に<快>を与えることが重要です。
例えば散歩もよいです。
五感をテーマにして、今日は嗅覚で散歩。
明日は触覚の日、視覚の日、聴覚の日、などいろいろ楽しみましょう。
お店の匂いを感じる、木の幹の生命の息吹を触る、雲の流れを見る、風を頬で感じる。
自身の五感をしっかり使って<快>を感じ、健幸脳を目指しましょう。
[執筆者]
横倉恒雄(よこくら・つねお)先生
医学博士、医師。
婦人科・心療内科・内科 横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。
東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
著書『今朝の院長の独り言』『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』『ハッピースイッチの入れ方』他。
<所属学会など>
日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。
横倉クリニック
https://yokokura-clinic.com/