睡眠不足は肥満への片道切符。睡眠不足で食欲・空腹感が増加する理由はホルモンにありました!

一日の仕事や家事を終え、ベッドに入り眠りに就く…という瞬間はいつでも幸せを感じるもの。
しかし、忙しい現代社会ではゆっくりするどころか、睡眠時間を削り、遅くまで仕事や勉強、朝早くに起きて家事…という人も少なくありません。
今回は、睡眠とダイエットの意外な関係についてお話しします。

えぇっ! 睡眠不足は肥満の元だった!?


最近の研究により、睡眠時間とBMI(Body Mass Index:体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))により算出され、日本肥満学会ではBMI22を標準、25以上を肥満としています。余談ですが、米国では30以上が肥満とされています)には相関があることが分かっています。

米国スタンフォード大学の調査によると、睡眠7~8時間の人がもっともBMIの値が低く、それより睡眠時間が短くても長くてもBMIの値が高まるという結果でした。
睡眠時間が約4時間と短いひとは、7~8時間のひとに比較して、BMI値は2~3程高かったそうです。
身長が160cmの場合、なんとBMIの値が「2」高くなると5.12kg違うということになります!

睡眠時間が約3時間短いというだけで、どうして体重に5.12kgもの差が出てしまうのでしょうか?

睡眠不足になると、お腹が空く?!

その答えは、グレリンレプチンという、2種類のホルモンにありそうです。
グレリンとは食欲を増やすホルモンで、レプチンとは食欲を抑えるホルモンのこと。
米国シカゴ大学で、健康な成人男性12名を対象に、以下のような実験がおこなわれました。
①4時間睡眠で2夜過ごす
②続いて、10時間睡眠で2夜過ごす
①②前後の血液を調べたところ、4時間睡眠の時は10時間睡眠に比べてグレリンが28%多く、レプチンが14%少ないという結果になったそうです。
さらに恐ろしいことに、1日4時間睡眠をとっている間は空腹感が強く、特に高カロリーな食品に対する食欲が増していたそうです。

別の調査では日常的な睡眠時間が5時間の人は、8時間の人よりもグレリンが14.9%多く、レプチンが15.5%少ないという結果もでています。
これは、睡眠時間が減少するに伴い、食欲が増加してしまうことを意味しています。
私たちのカラダは、起きている時間が長くなると「たくさんエネルギーをとらなくちゃ!」と、勘違いしてしまうのかもしれませんね。

睡眠不足の人は、そうでない人より、1日300kcalも多く摂取していたというデータもあります。
残業に追われるなどして睡眠不足が続いていると、急にジャンクフードが食べたくなった、なんてこと、ありませんか?

ちなみに、300kcalを毎日プラスしてとり続けると、ひと月で300kcal×30日=9000kcalも多く摂取していることになります。
脂肪1kgは約7,000kcalですので、なんとひと月で約1.3kgも太ってしまう計算に!!

そのうえ、睡眠不足や不規則な生活は、安定時の代謝率(座っているときのエネルギー消費率)が8%も低下するという研究結果も報告されています。
規則正しい生活を送り、きっちり睡眠をとることがいかに大切か、わかりますね。

今回は、ダイエットと睡眠の関係についてお話ししました。
睡眠不足は肥満への片道切符、改めて、眠ることの重要さを感じていただけたのではないでしょうか。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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