口内炎ってどうしてできるの?原因や対処法についてN.S.デンタルクリニック院長の長里先生に伺いました!

口の中にできるとツライ、口内炎。
どうしてできるのか、どうすればいいのか。
今回はN.S.デンタルクリニック 院長の長里康史先生に、口内炎についてお話を伺いました。

口内炎ができる理由はいろいろ

口内炎といっても多種多様ありまして、1つずつ触れていきたいと思います。
よくあるパターンの口内炎は、歯ブラシなどで歯茎を傷つけたり、歯科治療により麻酔をした刺入点(刺した部分)、また飲食の際に頬粘膜や舌を噛んでしまうことなど、外傷が原因でおこるものではないでしょうか。
虫歯が進行して歯が欠けると鋭利な部分ができて、粘膜が切れて口内炎に発展するケース、歯ぎしりにより、歯が削れて研がれ歯の先端が鋭利になり、頬の内側に擦れて傷ができ、口内炎に発展するケースがあります。
くいしばり、歯ぎしりにより、舌の先端や側縁が歯に押し当てられてヒリヒリすることや、頬の内側に傷が出来て口内炎になることもあります。

また治療後の詰め物が合っておらず隙間が出来ると舌が引っ掛かり口内炎になるものや、違和感があると歯を舌で触ることにより、舌に炎症を起こすケースもあります。
また、親知らずが原因で粘膜に口内炎をつくる場合もあります。どういうメカニズムかというと、歯は通常相対する歯と噛み合って、その位置をキープしているため、きちんと噛み合っていないと挺出といって、歯が出てくることがあります。
そうすると、粘膜にぶつかるまで出てきますから、傷がつき口内炎になるという状況です。親知らずが炎症を起こして痛くなったと勘違いすることもあるかと思います。
どうしても奥ですし、上の奥歯の方で見えないので御自身で判断は出来ないですね。疲れていたり、体調が悪くなる事で免疫力が落ちて生ずる場合もあります。
起こる原因はさまざまですが、放っておいても一週間程度で治ってしまうものがよくあるパターンの口内炎だと思います。

できてしまった口内炎・・・どうすればいい?

口内炎だと思って、適当に市販の塗り薬を塗ったら悪化した経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
ウイルスや菌による炎症の場合にステロイドを使用するとウイルスが増殖し、悪化することがあるので、ご自身で判断せずに医療機関を受診しましょう。
また、持病などが原因で、免疫力が低下すると、口内炎が発生する場合もあるでしょう。
いずれにせよ、ご自身で判断せずに、早めに受診して問題ない事を確認する習慣が良いのではないでしょうか。
それぞれの事象に対応する形になりますが、口内炎に薬を塗るなど保護する必要があります。
また、歯が尖っている、詰め物が合っていないなどあれば、尖っている部分を丸くしたり、詰め物を治すなど必要です。
歯ぎしり、くいしばりによるものであれば、マウスピースを使用する必要がありますし、親知らず含めて、歯が粘膜を噛んでしまうのであれば、削るなり、リスクマネジメントを含めて適切な対策をするべきです。
また、体調が優れない場合には、きちんと休息、栄養バランスの良い食事を採る事で治癒するケースもあるでしょう。
生活習慣を整え、1週間ほど様子を見ても改善しない場合は、受診を検討しましょう。
また、その間は辛いものなど刺激の強い食べ物は避けるのがおすすめです。

口内炎は何科で見てもらえるの??

歯科、もしくは口腔外科にて対応が可能かと思います。
頻繁に口内炎が発生する(月1など)ようであれば、歯科医院なり、大学病院などで原因を追求する必要があるかと思います。
基本的に傷ができることで、治癒のサイクルが生じます。この傷が治っていく過程でDNAの配列が正常に機能しないとがんが発生することもあります。
がんとは、外傷やストレスなど何らかの原因により体の中の遺伝子配列がきちんとおこなわれず、その変形した細胞が増殖して増えていく現象によって起こることが多いと考えられます。
そのため、傷が出来ること自体が良いことではありません。
なるべく不用意に傷を作らないように気を付けましょう。

痛くない水ぶくれ:粘液膿疱(ねんえきのうほう)

頬粘膜(ほっぺたの内側)や舌、唇に痛みのない水疱の様な膨らみができることがあります。
これは唾液腺(唾液を作る組織)が詰まることで起こる粘液嚢胞と呼ばれるもので、頬の内側を噛んでしまったりすることで発生します。
自然に消えて無くなる事もありますが、中には水ぶくれが大きくなって余計頬の内側を噛みやすくなる場合もあります。
潰しても、また膨らんでくることも多いので自然に治ることは期待できません。
少し経っても無くならない場合は、口腔外科にて、取ってもらって下さい。
全てに共通しますが、取るだけではなく、きちんと病理検査をして、どの様な物であったかを確認する事が大切です。

危険な口内炎はある?見分け方は??

一般的に、出血を伴う、痛みが強い、膨らまずにへこむといったタイプの口内炎は、危険度が高いといえます。
また、痛みを伴わなくとも、がん化するリスクが伴う場合もありますので、「いつもと違う」「このようなものは初めてできた」など、気になる場合は口腔外科の受診をおすすめします。

[執筆者]

長里康史先生
N.S. デンタルクリニック 院長
私は自分の厄介な歯ぎしりの癖(これにより知覚過敏が酷くなってきてしまったため)が動機付けとなり、自分で人体実験をしてオリジナルのマウスピース(特許出願中)を産み出せました。
これが無かったら、この様な説明は出来ませんでした。
気になる事など、御座いましたら御気軽に御相談下さい。
略歴
平成23年 奥羽大学歯学部卒業 奥羽大学附属病院 臨床研修
平成24年 都内歯科医院勤務
平成29年 N.S. デンタルクリニック 開院

N.S. デンタルクリニック
https://www.ns-dental-cl-smile.com/

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