【前編】毎月気持ちや体調が揺らぐ女性特有のPMSについて森女性クリニック 院長、森先生に伺いました!

月経が近づくと、体調が悪くなったり、イライラしたり・・・という経験がある方は多いと思います。
どうして起こるの? 更年期との違いは??
今回は森女性クリニック 院長の森久仁子先生にお話を伺いました。

女性のうち約70~80%が月経前になると、気持ちや体調の変化(PMS:Premenstrual syndrome:月経前症候群)を経験するといわれています。
PMSとは月経前に起こるさまざまな症状で、月経開始とともに減弱あるいは消失するもの、とされています。
PMSは更年期症状やプレ更年期と症状が似ているため、それぞれの違いや、自分でできるPMSの改善方法・薬剤での治療法を説明します。

PMSとは


PMSとは「月経前3~10日間の黄体期に起こる様々な症状で、月経開始とともに減弱あるいは消失するもの」とされています。
代表的な症状は、腹痛・頭痛・倦怠感・むくみ・乳房痛・胸の張り・精神不安であり、ほてり・のぼせがおきる場合もあります。
症状の主体が精神症状で強い場合は、PMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)と呼びます。
精神症状とは、落ち込み・意欲の低下・怒りっぽくなる・イライラ・不安感・不眠・眠たくなるなどです。
原因は諸説ありますが、月経前に産生される黄体ホルモン(女性ホルモンの一つ)が関連しているといわれています。
黄体ホルモンがセロトニンやGABAなどの神経伝達物質(気分を安定させ、不安をとる物質)の感受性に影響をあたえることが報告されています。

更年期とは

更年期とは、閉経の前後5年間ずつの計10年間をさします。
日本女性の平均閉経が50歳頃なので、45歳頃から55歳頃が更年期の目安になります。
更年期に現れる多種多様な症状を更年期症状といいます。
更年期症状には、のぼせ・ほてり・発汗・倦怠感・めまい・動悸・頭痛・肩こり・不眠・不安感・イライラ感・抑うつ気分などがあります。
これらは卵巣機能が低下することでおこる症状で、血液検査ではFSH(卵胞刺激ホルモン)が上昇し、かつ女性ホルモンの低下を認めます。

プレ更年期とは

日本産科婦人科学会の「産婦人科用語集・用語解説集」や各種ガイドラインには「プレ更年期」という単語はなく、国内のメディアから広がった言葉です。
一般的には40歳代前半までの女性の、更年期症状に類似した症状をさします。
具体的には、のぼせ・ほてり・不安感・イライラ感などがあり、更年期ではない時期にもかかわらず、更年期様の症状が出ます。
更年期のように女性ホルモンが低下していなくても、多くは月経量や月経周期に変化が見られます。
女性ホルモンの揺らぎにともない、ほてりやのぼせなどの自律神経の乱れの症状がでるのではないかといわれています。

「プレ更年期」と「更年期」の違いは

プレ更年期は更年期障害と症状が同じなので、症状では判別できません。
更年期は血液検査でFSHの上昇、かつ女性ホルモンの低下という卵巣の機能低下をしめす結果となりますが、プレ更年期では異常を認めません。

「プレ更年期」と「PMS」の違いは

PMSはプレ更年期と症状が似ているため、症状では判別できません。
いずれも症状が主体であり、検査で客観的に判断することができません。月経前に症状がひどくなり、月経が発来すると落ち着く、月経周期に伴い変動を繰り返していればPMSを疑います。月経周期に関係なく常に症状が出現し、更年期のように検査でFSHの上昇や女性ホルモンの低下がなければ、プレ更年期を疑います。

PMSや更年期など、わたしたち女性の体はホルモンバランスの変化から受ける影響が大きいようです。
では、どうすれば改善できるのか、自宅でできるケアはあるのか?
受診したら、どのような治療を受けられるのか?
次回は、PMSのケアについて伺いたいと思います。

【後編】に続きます。

[執筆者]

森久仁子先生
産婦人科専門医、医学博士
大阪医科大学を卒業後、同大学産婦人科学講座に入局。
同大学産婦人科学講座助教、和歌山労災病院をへて、平成25年和歌山市に森女性クリニックを開院。
プライバシーに配慮したクリニックで、産婦人科としての枠組みだけではなく、女性医療の充実を目指すべく診療を行っている。

森女性クリニック
https://www.mori-ladies.com/

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