紫外線対策中はキクラゲでビタミンDを補給!キクラゲの健康・美容効果とは?
「木耳」と書いてキクラゲ。
中華料理ではなじみのある食材ですが、ヨーロッパではJew’s ear=ユダヤ人の耳なんて呼び名がついており、あまり食べられていないそう(由来が、イエスを裏切ったユダが首を吊ったニワトコの木から耳のような形をしたきのこが生えた・・・とのことで、確かに食べたくなくなる名前ですね)。
日本でも、一般的な家庭料理でよく使う食材とはいえないかもしれませんが、実はキクラゲには美容と健康にうれしい栄養素が豊富に含まれているのです。
今回はキクラゲについてお話ししたいと思います。
ごぼう以上! 豊富な食物繊維
『キクラゲ』と、名前に「くらげ」がつきますが、海の生物ではなくきのこの一種です。
きのこは食物繊維が豊富な食材だというイメージを持たれる方も多いかと思いますが、キクラゲの食物繊維の含有量はきのこの中でも特に優秀!
キクラゲ(ゆで)に含まれる不溶性の食物繊維は5.2g/100gと食物繊維が多い食材の代表格といえるごぼう(ゆで)の3.4g /100gのおよそ1.5倍も含まれています。
食物繊維は、糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルに続く第6の栄養素として注目を集める成分。
整腸作用はもちろんのこと、有害物質を外に排出するデトックス効果や大腸がんのリスクを下げるといった効果が期待されています。
不溶性食物繊維を含む食材はよく噛んで食べる必要があるため、満足感も高く、食べ過ぎを防ぐといわれています。
また、キクラゲ(ゆで)はとっても低カロリーで、13kcal/100gしかありません。
(出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂))
薄着になるこの季節、低カロリーで満足感が高く、お腹をスッキリさせてくれるキクラゲは、進んで食べたい食材といえるのではないでしょうか??
不足しがちな鉄分や脂質の代謝にはたらくビタミンB2が含まれていることも、女性にとってはうれしいポイントですね!
更に、キクラゲの中でも、シロキクラゲと呼ばれる白いキクラゲは、世界三大美女に称えられる楊貴妃が愛した食材として知られています。
銀と同等の価格で取引されたことから「銀耳」と呼ばれており、漢方では肺や肌をうるおすとされ、美容目的でも使用されています。
実は、シロキクラゲは化粧品にも利用されています。
シロキクラゲから抽出した成分(シロキクラゲ多糖体)はヒアルロン酸と同等の保水力を持つ植物性の保湿剤として人気を集めています。
なんと、楊貴妃も食べるだけではなく、シロクラゲを浸した水で洗顔していたとか。
食べても塗ってもOKな美肌の食材、シロキクラゲ。
中華料理屋さんなどで見かけたら、肌のためにも一度は試してみたいですね!
紫外線対策が万全な方にもおすすめ! 豊富なビタミンD
キクラゲを語るうえではずせない栄養素はビタミンDです。
ビタミンDは日光に当たると皮膚中で産生されるため、日本人にはあまり不足することのないビタミンとされていますが、最近は紫外線対策に対する意識が高くなり、食事から摂るビタミンDも注目を集めています。
ビタミンDは骨を形成するときに必要なビタミンといわれてきましたが、最近の研究では免疫力の向上やうつ病に対する効果などが分かってきています。
キクラゲは、ビタミンDの含有量が8.8μg/100gときのこの中でもトップクラスを誇りますが、アラゲキクラゲという種類のキクラゲには、なんと25.3μg/100gとさらに豊富!
日本で流通する生のキクラゲの多くはこのアラゲキクラゲだといわれているので、生のキクラゲを目にしたらぜひ手に取ってみて下さいね。
また、カルシウムも含まれるため、骨や歯の健康にはピッタリの食材ですが、しらすや小エビといった、カルシウム豊富な食材と一緒に摂ると、さらに良いでしょう。
キノコといえば、秋に旬を迎えるイメージを持たれるかもしれませんが、キクラゲは気温が25℃位になると採れはじめるきのこなので、初夏~初秋までに旬をむかえます。
紫外線対策がバッチリな方は、夏に旬を迎えるキクラゲでビタミンDを補給するのがおすすめです。
また、ビタミンDは脂溶性ビタミンであるため、オイルを使って調理することで吸収がアップします。
キクラゲは油で炒めたり、サラダとして食べるならドレッシングにオイルを使用したりして、必ず油分と一緒に食べるようにしましょう。
キクラゲというと、乾燥したものを戻して使う機会が多いと思いますが、今は生のキクラゲが手に入る時季。
生のキクラゲは戻す手間も不要なため、気軽に調理できます。
豊富な食物繊維やビタミンDを摂取しつつ、乾燥ものとは少し違うぷりぷりした食感をぜひ楽しんでくださいね!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]