男性の育児休業取得。実際どうなの?アンケートで見えた理想と実情
妊娠、出産を経て、育児休業を取得し、復職したという女性は多いと思いますが、日本ではまだまだ男性の育児休業は浸透しているとはいえません。
欧米に比較すると、日本の男性の育休は遅れていると思われるかもしれませんが、実は日本は世界でも有数の育休制度が整った国だとご存知ですか?
ユニセフがおこなった調査によると、日本では父親のための育児休業期間が世界で一番長く、30週間に相当する休暇を取得することができるのです。
しかし実際に取得した男性は、2007年:1.56%、2017年:5.14%と伸びてはいますが、ごくわずか (出典:REPORT:Are the world’s richest countries family friendly?|UNICEF)。
実際に育児休業を取得した男性は、どのような感想を持ったのでしょうか?
今回は、男性の育休取得に関するアンケート結果をご紹介したいと思います。
取りたいけど取れない? 男性の育児休業
男性側の意識としてはどうなっているのでしょうか?
(1)もし子供ができたら、育休を取得したいですか?
子供を望んでいる男性28名に聞いたところ、「絶対取得したい」と答えた方が過半数となりました。
「できれば取得したい」も含めると、85.7%の方に育休取得の意思があることに。
男性の育児に対する当事者意識の高まりを感じます。
では、実際にはどれくらいの方が取得されたのでしょうか。
(2)男性-育休を取得したことはありますか? 女性-配偶者が育休を取得したことはありますか?
なんと取得率は8.4%。
2017年のユニセフの調査結果よりは若干高いですが、1割を切っています。
気になるのは、取得の検討もせずにしなかったという方が83.8%もいること。
やはり、まだまだ男性が育休を取得するというのは一般的になっていないようです。
では、実際に育休を取得した男性の理由は何だったのでしょうか?
(3)育休を取得した理由は何ですか?
1位は「パートナーの助けになりたいから」という、答えた方の奥さまがうらやましくなるような回答で、2位は「育児に積極的に参加したかったから」という回答であることから、育休を取得される方は家事や育児に対する意識が高いことがうかがえます。
反対に、育休を取得しなかった理由も見てみたいと思います。
(4)育休を取得しなかった(できなかった)理由は何ですか?
回答を見ると、「収入」「仕事」に関するものが多く、男性の育休取得率を向上させるには、男性が育休を取得しやすい空気をつくり出すことが重要となりそうですね。
そんな中、実際に育休を取得した方は、どう感じたのでしょうか。
また、配偶者に育休をとってもらった女性はどのように感じたのでしょうか。
(5)育休を取得して良かったですか? 育休を取得してもらって良かったですか?
男性の80%以上の方が「非常に良かった」と答えており、育休取得に二の足を踏む男性の後押しになりそうですが、ちょっと気になるのが女性の意見。
「非常に良かった」「どちらかと言えば良かった」を合わせると男性と同じくらいの割合にはなりますが、「非常に良かった」のみで見ると、50%以下という結果に。
男性が育児や家事に不慣れだったり、知識が不足していたりする場合、なかなか任せきれず、負担に感じられた女性もいたのかもしれません。
女性は、配偶者が育休を取ることが決まったら、育休に入る前に何をしてもらうか、何をお願いしたいかをはっきり伝えておくと良いかもしれませんね。
では、女性は育休を取った配偶者に何を望んでいたのでしょうか?
(6)配偶者にやってほしかったことは何ですか? 実際に配偶者がやったことは何ですか?
女性の希望としては、子供の世話はもちろん、洗濯・掃除などの家事や買い物、料理といった家のことをやってほしいという希望が多いようですが、男性が実際にやったことは子供のお世話が多かったようです。
家事が苦手な男性は、出産の前に練習をしておいた方が良いかもしれませんね。
また、男性ががんばっている子どものお世話の中で、女性の希望とのギャップがあるのが「寝かしつけ」。
女性側との希望とのギャップがいちばん大きく出ていますので、男性陣にはもうひとがんばりお願いしたいところ。
出産後、女性の体は思うように動けない時期がありますので、出産前に話し合っておくことが大切になりそうです。
なかなか上がらない男性の育休取得率。
ですが、冒頭でもお話ししたとおり、日本人男性の育休は世界で一番期間が長く取得でき、制度としてはなかなかの充実度。
その他にも、育休中の育児休業給付金も支給されますし、条件を満たせば2度取得が可能(パパ休暇)で、配偶者が専業主婦でも取得できるなど、さまざまな制度がつくられています。
(出典:厚生労働省リーフレット)
男性の育休取得率が伸びないのは、制度に問題があるというよりは、職場や自分のキャリアへの影響など、将来への影響を懸念が大きな原因なのかもしれません。
この辺りは、取得される方の割合が増えることで解消されていくのでしょうか。
育児というのは大変ですが、子供の成長は早く、生まれた子供が赤ちゃんでいる期間というのは意外と短いもの。
その貴重な時間を、父親も母親も参加し、共有できると良いですね。
■アンケート結果データについて
調査タイトル :「男性の育休取得」に関するアンケート調査
調査対象 :「くらしのマーケット」会員の男女522名
調査期間 :2021年1月19日~1月24日
調査方法 :インターネット調査
調査主体 :みんなのマーケット株式会社