なんだかやる気が出ない・・。長期休みの後に起こりがちな五月病についてあさひの森内科消化器クリニック院長 福田先生にお伺いしました。
長期の休みのあと、なんだか気分が乗らなくなってしまう、いわゆる「五月病」。
どんな症状があって、どんな人がなりやすいのでしょうか。
今回は、あさひの森内科消化器クリニック 院長の福田頌子先生にお話を伺いました。
五月病とはそもそもどういうもの?なぜ起こるの??
「五月病」とはGW後になる「憂鬱になる」「なんとなく気分が優れない、不安になる、そわそわして落ち着かない」「身体がだるい」などの軽いうつ症状のような気分になる状態のことをいいます.
症状が長く続く場合は「適応障害」になっている可能性もありますので注意が必要です。
適応障害が長期化し、日常生活に大きな影響を与える場合はカウンセリングなどの心理療法や、お薬の治療など、専門家の支援が必要になる場合があります。
五月病はかつて、大学の新入生に多いといわれていましたが、最近では新社会人や職場環境が大きく変わった社会人にも多く見られるようになってきました。
うつ病との違いは、うつ病は原因不明のストレスによって発症することがあるのに対して、適応障害は、生活・職場環境などの外から与えられた、原因のわかるストレスによって発症するといわれています。
私は大丈夫?五月病になりやすいのはどんな人??
1)ストレス感受性が高い人
新しい環境への適応が難しいと感じる人やストレスに強い反応を示す人が五月病になりやすい傾向があります。
2)対人関係が苦手な人
新しい環境での人間関係の構築が苦手な人や、孤独感を強く感じる人は、五月病のリスクが高まることがあります。
3)変化への適応が難しい人
新しい生活リズムや習慣に適応するのが難しい人、または変化に対応する不安を感じやすい人が五月病になりやすい特徴です。
それ以外に、新しい環境に対してそもそも不安が強くあった人や、突然の転勤や引っ越し、や一人暮らし、部署の異動などは新しい環境に慣れるための時間や準備が不足しているため、普段よりもストレスがかかりやすく心にも身体にも不調を引き起こします。
また昇進や新しい部署で周りから、大きな期待をされている場合や成績や結果を求めている場合も普段よりもストレスがかかりやすく心にも身体にも不調を引き起こすため注意が必要です。
五月病にならないためのセルフケア
当たり前かもしれませんが十分な睡眠を確保し、身体と心を休める時間を持つことが重要です。
自分なりのストレス発散方法があればよいですが、うまくストレス発散ができない場合は運動がおすすめです。
内容はストレッチやウォーキングなどの有酸素運動や、筋トレでも構いません。運動の後に、「気持ち良い」と感じられるものをチョイスしましょう。
忙しくて運動の時間が取れない方も、ほんの少しでも身体を動かすだけで、ストレス発散に繋がります。
それでも五月病かなとおもったら、まずは仕事量を抑え、慣れない環境から少し距離を取り睡眠をしっかりととることです。
そして休養によって少し心にも身体にも余裕ができた場合は運動を試みましょう。
症状が2週間以上続く場合や、周りに相談できる人がいない場合、セルフケアが難しい方は病院への受診をおすすめします。大切なのは重症化させないことです。
周囲に五月病の人がいたら、どう対応する?
まずは、しっかり休養をとることをおすすめしてあげて下さい。
また、相手のお話をただ聞いてあげること、気晴らしに誘ってあげることも大事です。
そして、とても大切なことは、症状が長引いている場合は優しく「一度病院へ受診してみたら?」と提案してあげて下さい。
その場合は、通いやすそうな病院なども念のためチェックしておくといいかもしれません。
五月病にかかっている時は、調べごとをするのも一苦労です。
相手の様子を伺ってや病院受診への抵抗感がない場合は、具体的にクリニックまで提案してあげるとより受診へ繋がるでしょう。
[執筆者]
福田頌子先生
あさひの森内科消化器クリニック 院長
愛知医科大学を卒業後、診療をおこないながら大学院にて医学博士を取得。
大学病院や市中病院の勤務を経て、愛知県尾張旭市にあさひの森内科消化器クリニックを開業。
内科認定医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医の資格を持ち、内科一般から消化器内科の専門外来をおこなっている。
保険診療だけではなく「腸内細菌外来」や「ダイエット外来」も開設し、病気の治療だけではなく、予防医学にも力を注いでいる。
「正しく丁寧に食べる」をモットーに食事指導も積極的におこなう。
あさひの森内科消化器クリニック
https://sunrise-woods-clinic.com/