やっぱり「生姜最強説」は本当だった!冷えやダイエットが気になる方はジンジャーティーを試してみて!

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大寒を迎え、1年で最も寒さが厳しい今日この頃。
こんなときは、体も心もポカポカにしてくれるような食べ物や飲み物ですよね。
体を温める…というと、生姜をイメージされる方も多いと思います。
また、生姜が代謝を上げ、ダイエットに役立つというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
今回は、生姜のさまざまなポテンシャルについてお話ししたいと思います。

スパイスや医薬品として古い歴史を持つ、生姜

生姜は、熱帯アジアが原産の植物ですが、古くから世界中で利用されてきました。
インドや中国では、なんと紀元前500年ごろから栽培や利用の記録が残っています。
インドには「猿は生姜の味を知らない」ということわざがあるのですが、これは日本でいう「豚に真珠」や「猫に小判」と同じ意味なのだそう。
価値を理解できないものに与えても、役に立たないという意味で使用されているとか。
スパイスを豊富に使用する、インドらしいことわざですね。
中国では「生姜は百邪を防御する」といわれるほどで、漢方薬の半数以上に生姜(ショウキョウ:生姜・カンキョウ:乾姜)が配合されています。
ヨーロッパにも紀元1世紀ごろには伝わり、スパイスや医薬品として利用されていたそうですが、栽培が難航したため、生姜は黒コショウと並んで、東洋の貴重なスパイスとして高値で取引されていました。
欧米でも古くから医療用途に使用されていただけでなく、童話や童謡にも出てくるジンジャーブレッドやクッキーと言ったスイーツとしても多く利用されています。
日本でも、国内最古の医学書とされる『医心方』に風邪や胃腸の調子が悪い時の薬として紹介され、平安時代の貴族たちに飲用されていた他、さらに時代を遡った、『古事記』や『魏志倭人伝』などにも、厄除けなどに用いられていたという記録が残っています。
現在でも、薬味として欠かせなかったり、さまざまな料理・お菓子の風味づけ、魚などの臭み消しなどに使われたり。
みなさまのご家庭でも出番が多いのではないでしょうか?
生姜は世界各国でその効果を認められ、ずっと愛用されてきたのですね。

加熱前後で変わる?!生姜の効能

生姜自体にはビタミンやミネラルはあまり含まれませんが、抗炎症や抗菌活性を有するたくさんの効能を持つ成分が含まれている事が報告されています(出典: Foods. 2019;8(6):185. Published 2019 May 30)。
そこで、生姜に含まれる代表的な成分を紹介したいと思います。
[1]ジンゲロール
新鮮な生姜に含まれる辛み成分で、冷え症改善、血流促進、免疫力向上、吐き気や頭痛の抑制、代謝の向上、抗酸化など。
強い殺菌力を持つため、風邪予防などにもおすすめです。
このため、かつおのたたきにおろし生姜として添えられたり、お寿司を食べるときにガリとしてだされたりして、食中毒を防ぐ効果が期待されています。
皮の付近に多く含まれるため、皮ごとすりおろすと効果的です。
[2]ショウガオール
ジンゲロールが加熱や乾燥などの加工を経ると、ショウガオールに変性します。
ジンゲロールに比べ、体を温めたり代謝を向上させたりする効果が高いため、冷え症改善効果やダイエット効果を期待するならば、乾燥生姜の利用や、加熱しての使用がおすすめです。
[3]ジンゲロン(別名バニリルアセトン)
ショウガオールと同様に、生姜を加熱することで生成される成分です。
アディポネクチン(脂肪から生成されるたんぱく質で、代謝に関わる働きを持つため『やせホルモン』と呼ばれている)の減少を抑える効果があり、ダイエットに効果がある成分として注目されています。

実際にダイエット効果はある?!

では、実際に生姜を取るとダイエットに役立つのでしょうか?
生姜の抗肥満効果や体重減少効果、それらの作用機序について、複数の文献の結果をまとめたシステマティックレビューがありますので、ご紹介したいと思います(出典:Phytother Res. 2018 Apr;32(4):577-585.)。
生姜を与えられたヒトや動物において、代謝の亢進・脂肪分解の増加・脂質生成の抑制・腸の脂肪吸収の阻害・食欲の制御などにより肥満を調整する可能性が認められています。
確かに、生姜はダイエットの心強い味方になってくれそうですね。
ですが、注意点がひとつ。
先ほど、生姜は加熱や乾燥により効能が変わるとお話ししましたが、ダイエットや代謝に関わる成分としては、加熱・乾燥後の生姜にふくまれます。
実際、これらの試験も生のすりおろしたばかりの生姜ではなく、加熱した生姜の抽出物や粉末が用いられています。
目的に合わせて、摂取方法を工夫してみてくださいね。
また、ダイエット効果があると聞くと、「たくさん食べればもっと痩せるのでは?」と、多量に摂取しようと思われる方もいるかもしれませんが、生姜を1度にたくさん摂取すると、胸やけ・胃もたれ・下痢などの原因となるこもありますので、1日に20g程度に留めてください。

生姜を手軽に摂取する方法としては、熱い紅茶にすりおろし生姜(面倒な方はチューブのものを利用してもOK)を加えて飲むのがおすすめです。
紅茶も生姜も抗酸化力が高く、ジンジャーティーには相乗的な抗酸化効果を生み出す可能性が示唆されています(出典:Natural Product Communications Vol.10 No.11 1829-1832 2015)。
紅茶に含まれるテアフラビンというポリフェノールには、風邪予防効果や脂肪燃焼効果などがあるとされ、生姜と相性がいいと考えられています。
味が苦手な方は、黒砂糖や蜂蜜を少量加えることで美味しくいただけると思います。
冷えやダイエットが気になる方は、ぜひ試してみてくださいね!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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