
歯磨きしてるのにどうして虫歯になるの?大人の虫歯ケアは歯間磨きと歯ブラシの交換時期がポイントです
子どもの頃ならまだしも、きちんと歯を磨いているのに、なぜか虫歯になってしまう。
1日3回、毎食後磨いているのにどうして・・・?と思われる方もいるのではないでしょうか。
実は、見落としがちなポイントがあるのです。
今回は、歯科衛生士の荒木智葉さまにお話を伺いました。
むし歯の原因はここに?だらだら食べ・間食・ちょこちょこ飲みの落とし穴
「歯磨きはがんばっているのに、 どうしてむし歯になるんだろう?」
そんなお悩みを抱えている方にこそ、 知ってほしいポイントがあります。
口の中は普段は中性ですが、 食事や甘いものを食べると、ミュータンス菌などのいわゆるむし歯菌が糖を分解して酸を作り出し、「酸性」になります。
通常は唾液の力で、 30分~1時間ほどかけて中性に戻ります。
この「回復時間」の間に新たな飲食が続けば、 口の中がずっと酸性となり歯がダメージを受け続けることに。
つまり、 少しずつ長い時間かけて飲み続ける 「ちょこちょこ飲み」 や少しずつ長い時間食べ続ける 「だらだら食べ」、 そして回数の多い間食(口にする回数が多いこと)は、 歯の回復するチャンスを奪い、 むし歯が進行しやすい環境をつくってしまうのです。
口内環境のために、ものを食べるときは以下のポイントに気を付けてみてくださいね。
食べ方のポイント
・むし歯リスクは 「量」 より 「回数」 「食べている時間」 が大きく影響
・甘い飲み物や間食も、 一度に摂りきるほうがリスクは低い
・間食は回数を減らし 「時間を決めてまとめて食べる」
・食後は歯磨きまたはうがい、 飲み物はできるだけ水・お茶を選ぶ
唾液が持つ虫歯予防の力
唾液は、 食べかすや菌を洗い流す 「自浄作用」、 口の中の酸を中和する 「緩衝作用」、 歯の修復を助ける 「再石灰化作用」、 菌の増殖を抑える 「抗菌作用」 が備わっています。
口呼吸になると口の中が乾燥しやすくなり、 唾液の分泌量が減少します。
唾液はむし歯菌を洗い流し、 酸性状態を中和する重要な役割を持つため、 分泌が減るとむし歯や歯周病のリスクが高まります。
よく噛んで食べる、 鼻呼吸、 水分補給、 唾液腺マッサージや軽い体操も唾液分泌量UPに効果的です。
唾液量が減るとむし歯リスクは一気に上昇するので意識してみましょう。
見落としがち!?歯間のケアと歯ブラシの交換時期もチェック!
歯ブラシだけで落とせるのは約6割の汚れといわれています。
歯と歯の間はプラークが残りやすく、 フロスや歯間ブラシの併用が必須です。
歯間ケアはむし歯だけでなく歯周病予防にも効果的です。
また、毛が開いた古い歯ブラシは汚れが落ちる力が新品時の約6割しかありません。
最後に歯ブラシを交換したのはいつですか?
使い続けるほど弾力も失われるため、 磨き残しや歯ぐきへの負担にも。
少なくとも1ヶ月に1回、使用していて毛先が開いたらすぐ交換がベストです。
まとめ
・「だらだら食べ」 「ちょこちょこ飲み」 「間食の回数」 は歯の大敵!
・唾液の力もむし歯予防の大きな味方
・フロス・歯間ブラシを毎日の歯磨きにプラスして、 見えない隙間もきれいに
・歯ブラシはこまめに交換しよう
大人のむし歯ケアは、「食べ方」「唾液」「道具の使い方」すべてがそろってこそ。
本当の予防は 「ちょっとした工夫」 の積み重ねです。
そして、 口腔内の健康状態を維持するために、 定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受けることも、 とても大切です。
専門家のチェックを受け、 早期発見・予防ケアを心がけましょう。
生涯、 ご自身の歯で美味しく食べられるように、毎日のケアを大切にしていきましょう!
[執筆者]
荒木智葉
歯科衛生士
歯科衛生士の視点を活かし、専門知識と経験をもとにAGO認定セラピストとして骨格調整の施術を行う。
歯列矯正や美容医療・美容整形でお悩みの方に寄り添い、「自然な美しさ」を引き出すサポート。
Instagram(kogao_chiha)では、特に日常の癖や習慣、姿勢が歯並びやかみ合わせ、顎の歪みに与える影響や、まず骨格から整えることの重要性を発信。
また、日常に取り入れやすいケアや気をつけてほしいポイントも紹介し、専門的かつ分かりやすく届けている。