子どものUV対策していますか?日焼け止めの選び方とポイントとは
日焼け止めは日本では化粧品扱いのため、禁止している学校が多いのですが、昨年、千葉市の教育委員会が、日焼け止めの校内での使用許可をするよう、市内の全171校に通知をしたことが話題になりました。(千葉市 学校における紫外線対策について)
今回は紫外線からどのように子どもを守るべきか、考えてみたいと思います。
子どもを紫外線から守るには?
幼稚園や保育園に通う幼児や、小学生。
屋外で元気に活動する時間が長いので、紫外線からの影響って気になりますよね。
子どもたちにはどのような紫外線対策をおこなうべきなのでしょうか?
実は、幼児や小学生の紫外線対策に関しては、日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会の統一見解が発表されています。
◎保育園・幼稚園→保育所・幼稚園での集団生活における紫外線対策について
◎小学校→学校生活における紫外線対策に関する具体的指針
この見解によると、屋外活動においては、以下の4点が重要とのこと。
1:紫外線が強い時間帯(10時~14時)の活動をなるべく避ける
2:日陰では、日向の約50%に紫外線が減るため、なるべく日陰に入る
3:帽子・長袖を活用し、肌の露出を防ぐ
4:日焼け止めを上手に使う
このとき、自分の子どもの肌が、紫外線に対してどの程度感受性が高いのかを知っておくと、紫外線対策を考えやすくなります。
日本人の肌は、紫外線を浴びたときに以下の反応が現れる3タイプに分類されます。
・JST(Japanese Skin Type)-Ⅰ:赤くなりやすいが、黒くなりにくい
・JST-Ⅱ:赤くなるのも、黒くなるのも平均的
・JST-Ⅲ:赤くなりにくく、黒くなりやすい
JST-Ⅰに該当する人は、JST-Ⅲに該当する人より紫外線によるDNAの損傷が3~5倍も多いといわれています。
お子さんの肌タイプがJST-Ⅰに該当する場合は、帽子と長袖と日焼け止め併用するなど、特に紫外線対策に気を付けてあげましょう。
子どもにおすすめの日焼け止めとは??
では、子どもにはどのような日焼け止めを選べばよいのか、押さえるべきポイントについてお話しします。
(1) SPF15~30 PA++程度のもの(あまりSPFの高すぎないもの)
実は、SPFは15で約90%、30で約97%の紫外線防御率があり、これ以上数値が上がっても、防御率にはほとんど変化がありません。
子どもたちの普段の生活においてはお肌に負担になりがちな高SPFの日焼け止めを使う必要はあまりありませんので、SPF15~30程度のものを選びましょう。
(2) ノンケミカル(紫外線吸収剤)を使用していないタイプのもの
紫外線吸収剤は、紫外線を熱などの他のエネルギーの変換するため、お肌にとって刺激となることがあります。
子供(特に6歳以下の幼児)が使用するならば、吸収剤フリーのものがおすすめです。
(3) 無香料及び無着色という表示があるもの
香料や着色料は、紫外線防御効果のためというよりは、主に使用感や仕上がりを良くするために使用されるもの。
お肌にとって刺激となることもあるので、子ども用の日焼け止めならば、無香料・無着色のものを選びましょう。
(4) 石鹸やボディソープできちんと落とせるもの
紫外線からお肌を守るために日焼け止めを塗ったのに、日焼け止めをきちんと洗い流すことができず肌に残ってしまい、それが肌トラブルを起こしてしまったら本末転倒です。
大人向けの日焼け止めは、クレンジングや専用の洗浄剤の使用を想定されているものも多いので、石鹸やボディソープで落とせるものを選びましょう。
学校のプールとUV対策
平成28年の調査によると、プールで日焼け止めの使用を許可している学校は40.0~53.9%と、日焼け止めに関する理解は広まりつつあるようです。
水質の汚濁を心配して、日焼け止めの使用を禁止している学校もあるそうですが、耐水性の日焼け止めを使用しても、プールの水質は汚濁されないと報告されています。
(出典:「学校における水泳プールの保健衛生管理 平成28年度改訂 P31」日本学校保健会)
冒頭でお話しした千葉市のように、学校側にも何が最も重要かを考え、柔軟に判断してほしいですね。
日焼け止め以外の有効な手段としては、ラッシュガード(長袖の水着のようなもの)がありますが、スクール水着以外を禁止しているところでは、ラッシュガードの着用の可否も問題となっているそうです。
真っ黒な肌が健康の証とされていたのは今や昔の話し。
WHOも紫外線防御プロジェクト『INTERSUN』において子供の紫外線対策を推進しています。
帽子・長袖・日焼け止めを上手に使って、子どもの肌の健康を守ってあげましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]