こんなはずじゃ・・リバウンドしないダイエット成功の近道は「ホメオスタシス」を知ること

気づいたら一年中ダイエットしているのに思ったように痩せられない・・そんな風に思われている方も多いのではないでしょうか?
今回は、数多あるダイエット情報の中から成功への近道について、一般社団法人ファイブツーダイエット協会の木村理事にお話を伺いました。

私たちの身体に備わっている「現状維持」機能


世の中には数え切れないほどのダイエット情報が溢れています。
「お腹だけ痩せる!◯◯抜きダイエット」
「1周間で10キロ痩せた私が食べた〇〇」
などなど。

動画配信サイトやSNSなどでこういう文字が目に入ってくると、思わずタップして見ちゃいますよね。
そうなんです。私たちって「カンタンに・楽に・すぐ痩せられる!」というコトバに惹きつけられてしまうのです・・・!
でも、ここで私たちの身体に備わっている、「生命」を守るための一番大きなシステムをひとつ知っておきましょう。
それは「身体を一定の状態に保ちつづけようとする」という身体のしくみです。
これを「ホメオスタシス」といいます。
例えば、暑いときは汗が出ますし、寒いときは身体がガタガタと震えますよね。
こうすることにより、体温を一定に保っているのです。
なぜなら体温が外の気温によって変わってしまうと、私たちは生命活動を維持していくことが困難になります。つまり身体にとっては「現状維持」することは、何より大切なことなのです。

これだけはやめたい、危険なダイエットとは


ではダイエットに関してはどうでしょうか?
「ダイエットして体重や脂肪を落とそう」とすると、当然、「ホメオスタシス」のシステムが作動して、減った体重を元に戻そうとするシステムが働きます。つまり、急激に体重を落とすダイエットは、必ず元に戻りリバウンドしてしまうのです。
それだけではありません。身体にとっては、「急激に体重を減らす」こと=生命の危機なのです。
体重を急激に落とそうとした場合、必要な栄養素やエネルギーは生命維持に大切なところから配分されていきます。ということは、「生命維持に必要でないとされるところ」にはエネルギーや栄養の配分は減らされてしまうのです。
例えば、真っ先に生命維持に必要でないとされてしまう箇所はどんなところでしょうか。それは、「皮膚・髪・爪・そして女性らしさを司るホルモン」などです。

せっかく「キレイになりたい」とダイエットをしても肌や爪はボロボロ・髪はバサバサ・女性として魅力的でいるためのホルモン分泌まで減ってしまっては、なんのためのダイエットなのかわからなくなってしまいますよね。
よって、急激に体重を減らすダイエットは、「キレイ」を犠牲にする可能性の高い、危険なダイエットなのです。
危険なダイエットは他にもあります。

そのひとつが、「炭水化物を極端に減らす」ダイエットです。
「炭水化物」とは主に「お米や小麦製品・などの穀類、いも及びでん粉類や果物」などです。私たちは炭水化物に含まれる「糖質」をエネルギーにして活動しています。このお米やパンや麺類などの炭水化物の摂取を極端に減らすダイエットのことを「糖質制限ダイエット」といいます。
糖質制限を行いエネルギーを使い果たすと、私たちは「脂肪」「たんぱく質」からエネルギーをつくり出そうとします。
ですが「脂肪」「たんぱく質」からエネルギーをつくり出すことは、とても手間がかかります。特に「脂肪からエネルギーをつくる」回路は大変効率が悪いのです。そして、個人差や食事習慣などにより、この「脂肪」や「たんぱく質」からうまくエネルギーがつくれない場合もたくさんあります。

糖質制限によってエネルギー不足になり、脂肪やたんぱく質からもうまくエネルギーがつくれないと、今度は、私たちは筋肉を分解してエネルギーに変えようと働きます。
それは、例えていうなら、「暖炉で火を燃やすために燃料の薪が足りなくなったから家の柱や天井の板をはがして薪の代わりに燃やしてしまおう」というようなものなのです。
たんぱく質は私たちの身体をつくる最も大切な栄養素です。
これを燃やしてエネルギーに変えてしまったら、身体の健康は失われてしまいます。もちろん、肌や髪や美しい身体のラインを支える骨格筋など、すべてたんぱく質からでできていますから、美しさをキープすることは難しくなるでしょう。
もともと、筋肉量の少ない女性が糖質制限をすることは、美しさと健康を犠牲にする可能性があるのです。

いかがでしょうか。最近では動画配信サイトやSNSなどでダイエット情報を簡単に手に入れる事ができます。
ですが、もし、「すぐ」「手っ取り早く」痩せられるとうたっているダイエットを見かけたときには、「これはキレイを犠牲にしてしまうかもしれないな」と、危険なダイエットを見抜く目を持ってくださいね!
本当の「キレイ」とは「健康的で筋肉がある引き締まったカラダ」なのですから。

執筆者

木村 侑乎先生
一般社団法人 ファイブツーダイエット協会 理事
臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー
日本ニュートリション協会(JNF)認定サプリメントアドバイザー

[経歴]
何をしてもリバウンドしてきたが、断続的断食(5:2ダイエット)で10キロ以上の減量とリバウンドを克服。
長年の体調不良も改善した経験から、ファイブツー(5:2)ダイエットの普及に力を入れている。

一般社団法人 ファイブツーダイエット協会
https://jif-association.com/

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