
正しい電話対応できますか?基本を大切に適切なマナーと技術を身につけましょう。
4月から新社会人という方も、新しい職場や部署という方もいるでしょう。
最初に請け負う仕事のひとつとして、電話対応があるかと思いますが、苦手な方も多いのでは?
今回は撫子Plus株式会社代表鮎永麻琴さまに、苦手な方も多いビジネスシーンでの電話対応についてお話を伺いました。
社会人でも不得手な人が多い、電話対応。まずは基本から
電話対応は、ビジネスコミュニケーションの主要なスキルのひとつです。
相手の顔や表情が見えないため、難しく感じることもあるでしょう。
しかし、適切なマナーと技術を身につけることで、電話対応の質を向上させることができます。
今回は、電話対応における基本的なマナー、電話を受けるときのポイント、かけるときのポイントについて、それぞれ詳しく解説します。
電話対応は、企業や組織の第一印象を左右する重要な要素です。
相手にはこちらの顔が見えない分、声のトーンや言葉遣いが非常に重要になります。
以下3つのポイントを押さえておくことで、相手に信頼感を与えることができます。
1.明るく元気に、はっきりとした声で話す
声のトーンや話し方は、相手に与える印象に直結します。
無表情で話すと冷たい印象を与えがちですが、笑顔で話すことで声にも温かみが伝わり、柔らかい印象を与えることができます。
口角を上げて話すことで、自然と明るくはっきりとした声が出ます。また、姿勢を正すことで声の明瞭さも向上します。
抑揚を意識し、聞き取りやすいスピードで話すことが大切です。
早口は相手にとって聞き取りづらく、逆に遅すぎると苛立ちを招く可能性があります。適度なスピードで話すことを意識しましょう。
2.正しい敬語を使う
敬語は、相手への敬意を示す基本です。
例えば、相手を指す場合は「お客様」「〇〇様」、自社の人間を指す場合は「弊社の者」「わたくしども」と表現しましょう。
二重敬語や過剰な敬語は不自然に感じられるため、自然な敬語表現を心掛けましょう。
また、「恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」「少々お待ちくださいませ」などのクッション言葉を用いると、表現が柔らかくなります。
さらに、「了解しました」はカジュアルな表現であり、使ってしまいがちですがふさわしいとはいえません。
ビジネスシーンでは「承知しました」や「かしこまりました」を使用する方が適切です。
正しい言葉遣いを身につけることで、相手に好印象を与えることができます。
3.メモの準備を忘れない
電話応対中は、重要な情報を漏らさず記録するためにメモが必須です。
電話のそばに常にメモ帳と筆記用具を用意し、相手の名前や会社名、要件などを迅速かつ正確にメモする習慣をつけましょう。
復唱して確認することで、聞き間違いや伝達ミスを防ぐことができます。
実際に、電話を受けるシーンをイメージしてみよう!
続いて、実際に電話を取る際に合わせて解説していきます。
特に慣れないうちは、このとおりにおこなってみてくださいね。
・迅速な応答
電話が鳴ったら、3コール以内に出ることが理想です。
遅れた場合は、「お待たせしました」と一言添えましょう。
・名乗ること
相手が安心して要件を伝えられるように、「お電話ありがとうございます。〇〇会社の△△でございます」と明瞭に名乗りましょう。
・復唱して確認する
相手の名前、会社名、要件を正確にメモを取りながら聞き取り、復唱して確認します。
これは情報の誤解や伝達ミスを防ぐためです。
・お待たせする場合
担当者に取り次ぐときや確認が必要な場合は、「少々お待ちください」と伝えてから保留にします。
戻った際には「お待たせしました」と声を掛けるのを忘れずに。
長時間の保留は相手に不安や不快感を与える可能性があります。
1分以上かかる場合は、「お時間をいただいております」と途中で一言添えると良いでしょう。
・通話を終了する
「ありがとうございました。失礼いたします」と明るく言い切ってから受話器を置きます。
相手が完全に話し終わってから受話器を置くようにしましょう。
こちらから先に切ることは避けるべきです。
受けるだけとは限らない!こちらから電話をかけるときのポイント
電話を受けるだけでなく、自分からかけることもあるでしょう。
その際の準備や心構えについてご説明します。
・事前準備をしっかり行う
電話をかける前に、要件や話す内容を整理し、資料やメモを用意します。
相手先の名前、部署、電話番号を確認してから発信することで、間違いを防げます。
・相手の時間を確認する
通話の最初に「今お時間よろしいでしょうか?」と、相手の状況を確認します。
忙しい時間帯や都合の悪いタイミングを避けることで、相手への配慮を示しましょう。
・簡潔に伝える
ビジネスの場では、相手の時間を尊重し、用件を簡潔に伝えることが求められます。
事前に準備した必要な情報を的確に伝えることで、スムーズなコミュニケーションを目指しましょう。
・礼儀を忘れない
電話対応では、適切な敬語と礼儀正しい態度が重要です。
例えば、依頼する際は「お願いできますでしょうか」、確認する際は「よろしいでしょうか」といった表現を用いることで、相手に敬意を示すことができます。
また、最後には必ず「ありがとうございました」とお礼を伝えることが大切です。
電話対応は、企業の印象を左右する重要な業務の一つです。
相手にとって、その会社や組織の第一印象を決定づける場面でもあります。
自分が会社の代表であるという意識を持ち、丁寧で誠実な対応を心掛けましょう。
基本的なマナーや注意点を押さえ、日々の業務に取り組むことで、信頼されるビジネスパーソンとして成長することができます。
苦手意識を持たず、まずは積極的に電話対応に取り組む姿勢が大切です。
[執筆者]
鮎永麻琴
大学時代にはプロスノーボーダーとしてW杯に出場し、世界ランキング20位を記録。卒業後は国際線CAとして13年間勤務。
現在は、コミュニケーションスキルと統計学を融合させた「コミュニケーション帝王学®」を体系化し、自分らしく生きるためのコミュニケーションの在り方や、他者との関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。
また、2020年にはTEDxFukuokaで「自由への切符」というテーマで登壇。
2022年には書籍『Philosophy of Success 〜成功者の名言』において、成功者35人の一人として選出される。
撫子Plus株式会社
https://makotoayunaga.com/